無責任賛歌
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| 2001年08月21日(火) |
台風の日は病院で寝転んで/『偶然が残すもの 記憶鮮明�供戞米�渡早紀)ほか |
台風11号、昨夜から朝にかけて、九州に上陸する前に伊勢のほうに曲がって行っちゃったらしく、博多は風こそ吹いてはいるものの、雨は全く降っていない(昨夜少しパラついた程度だそうな)。 外でただ突っ立ってるだけでもじわりと全身に汗がにじみ出ていた数日前と比べると、今日は涼しいくらいのものである。 セミの声も心なしか随分少なくなった。 ニュースによれば、台風、関東のほうに向かったとか。あちらは水不足で困っているようだから、これが恵みの雨になってくれればいいのだが。ただし、事故死者とかが出ない程度にね。 毎年、こんな具合に台風が直撃しないで、日本をかすめるように通りすぎてくれれば助かる。台風一過、明日からはもう秋、という感じになってくれればしのぎやすいのだが、実際にはもうちょっと残暑が続くんだろうな。
少し早めに目覚めたので、テレビでニュースなどを見る。 北九州博覧祭、客の入りが頗る悪いらしい。 山口きらら博との連動を狙ったところが、アチラにはまあまあ人が入っているのに、北九博のほうは大きく水を空けられた形だとか。 開幕から一月半、一日の入場者数が平均して9600人と、一万人に届かないありさまで(ということは、平日の入場者は5、6000人程度か)、このままでは200万人を見込んでいた当初の入場者数を大幅に下回って、120万人程度で終わりそうな気配とか。 北九州市の末吉市長、緊急会見を開き、まず不振の原因について、「�[稠�にない猛暑��会場が市の中心でいつでも来れるという意識が裏目に出た�4超�などのテーマが、夏のレジャー志向との間に乖離感があった」と述べる。 更に「企業参加ばかりの宣伝臭いパビリオンに魅力がない」や、「松本零士のアニメを上映しても、今更客は呼べない」というのを付け加えたらどうか(^◇^) 。 だいたい、集客力に欠けるということは計画段階で予測がついたはずなのだ。それを一番の責任者である市長が、まるで各企業の担当者が努力不足をしているような、責任を押しつけるふるまいをしていては、誰も着いて行かないだろう。 田舎モノなのである。 対策として、駐車料金の値下げとか、学校などの団体誘致に力を入れる、などを考えているそうだが、ソフトを換えずにハードのメンテナンスだけで済ましたって、効果は上がらないと思うんだがねえ。
俳優のいしだ壱成(どうも私、この「いつせい」を「いちなり」って読んじゃうんだよなあ)、大麻所持の現行犯で逮捕される。 昨日の夜中の12時に父親の石田純一が謝罪記者会見を開いた様子を、テレビは繰り返し流している。 さすがに「大麻も文化だ」とまで開き直りはしなかったな。もしこれが中島らもだったら、言いそうだけれど。 この、大麻賛成派と反対派の意見、賛成派は「煙草より害がない」と言うし、反対派は「依存性が強く気力がなくなり更なる刺激を求めるようになる」と、全く逆のことを言ってるが、同じハッパで成分が違うはずもなし、なぜ逆の意見が出てくるのだ。未だにその辺の事情が浅学非才な私にはよく理解できないのである。 いしだ壱成については『蒲生邸事件』くらいでしか知らないので、あまり役者としての思い入れはないのだけれど、『蒲生』でも共演していた奥菜恵、舞台でも共演中だったのが、急遽公演中止になってショックを受けているとか。 でもまあ、もっとショック受けてるのは興行主だろうけど。 スポーツ紙には「20億円損失!」なんてデカイ文字が踊ってるが、まあ、話半分としても、事実、チケットはどうしたって払い戻すしかないのだし、ある程度の「損」は出てるんだろう。 でも、こういう事態に備えて、役者や興行主とかは予め保険に入ってるものじゃないのか。もし、そういう舞台に対しての保険なんてものがなく、本当に何億もの損が出るのだとしたら、日本の演劇に対する保険のシステムそのものがまだ整備されていないということになる。 役者ってのは別に本人が犯罪犯さなくったって、芝居の上で危険と隣り合わせになってることは多いのだ。舞台は危険物で一杯なのだし、よくドラマなんかで上から照明が落ちてくるシーンがあったりするが、あれ、マジで起こり得ることなのだよ。 役者の安全を保障するシステムがないのなら、私はそっちのほうが問題なんじゃないかと思うぞ。
朝食は鶏肉の煮付けに味噌汁と牛乳。 寝が足りなかったせいか、食後すぐに眠くなる。 朝の運動は食後30分、8時半から開始なのだが、ついウトウトして遅刻しそうになった。 慌てて外に飛び出したので、腕時計をしてくるのを忘れる。これでは脈拍の変化が計れない。 付き添いの看護婦さんが腕を取って計ってくれたのだが、いつも自分で計ったときの脈拍数よりも随分少ない。若い女性に腕を取られてドキドキして早くなったってんなら解るが、なぜ遅くなる? ……特に好みじゃないタイプの女性だったからであろうか。だとしたら、私も随分極悪なやつである。 まあ、自分で計ったほうが早くなるってこと、多いみたいだけどね。
本屋を回ると、花とゆめコミックスの新刊が何冊か出ている。 入院中、本を買うのはしげに任せているのだが、目の前にあるとなあ、読みたくなっちゃうんだよなあ。 というわけで、まとめ買い。しげの携帯に、「コミックス買ったから、買わなくていいよ」とメールを入れる(あとで聞くと、間一髪で買っちゃうとこだったそうな。ホッ)。
マンガ、羅川真里茂『しゃにむにGO』9巻(白泉社)。 今回が第1部完、ということだけれど、別に連載が中断するわけじゃなし、余り意味がない気がする。 でも確かに今まで懸念だった問題はほとんど解決して、次のステップに移行する感じにはなったな。 ひなこちゃんはテニス部に戻って来れたし、魔子ちゃんはどんどん可愛くなるし、新登場のナディアちゃんもいいキャラに育ちそうだし……って女キャラだけかい(^_^;)。 でもね〜、この作者、ここ数年で随分絵がうまくなってきてるのよ、特に女の子の線が。ひなこちゃんなんか、制服の時は子供っぽく、私服の時は大人っぽいんだけれど、それを服のデザインでじゃなくて、ラインの強弱で表現してるんだものなあ。それだけ、羅川さんが人間をよく観察してるってことなんだろうね。 ルイルイの両親のヒミツもいよいよ明らかになるかってところで第2部への引き。……そうか、留宇衣って名前、妙だなあと思ってたけど、ハーフだったか。この留宇衣ママの若いころがまた可愛くって……って女から離れんかい。
マンガ、野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる』34巻(白泉社)。 今回は全話NEXTジェネレーション、香月の娘、日向子の話。 既にトリックと言えるほどのトリックもなく、ミステリファンからは愛想つかされてるんじゃないかとは思うが、初期の好印象に引きずられてまだ買ってます。すみません(別に謝ることはない)。 話はともかく、絵がどんどん下手になっていくのがどうもなあ。まだ老けこむトシじゃあるまいに、キャラクターの描き分け、表情のつけ方、惰性で描いてるんじゃないかとしか思えない。推理作家協会に入ったころからオカシクなってきたような気がするな。
マンガ、日渡早紀『偶然が残すもの ―記憶鮮明�供宗戞頁鮴�社)。 第一作の『記憶鮮明』が絶版になってるっていうのに、パート2を出すってのは読者に対して不親切なんじゃないのかなあ。この作品から日渡作品に触れる若い読者だっているだろうし。更に言えば、前作の『ぼくの地球を守って』、単行本では連載時のサブタイトルの『記憶鮮明東京編』ってのがカットされてるんだよね。主人公こそ違えど、世界観と一部の登場人物が共通してるんだから、明記しておいてほしいと思うんだが、なぜそんなことしたのかな。謎だ。 表題作の『偶然が残すもの』、『ぼく地球』で人気キャラクターの一人だった薬師丸未来路の後日談。絵柄が変わっちゃったせいもあるのか、ミクロのキャラクター、えらくお茶目になっている。……春彦くんなんか、ほや〜っとした感じになっちゃってるし。それだけキャラクターの心理描写がうまくなってきたってことなんだけどね。でなければとても今回のようなハードなテーマ、扱いきれなかっただろう。 いやあ、『ぼく地球』連載当時には予想もしてなかったよ、未来路がおばさんにアレな気持ちを持ってたなんて。 でも、この「血のつながらない代理母への愛」について考えること、その人が「愛」ってもの自体をどの程度深く考察してるかって試金石になると思うんだよね。 「義理の母への愛」なら、『源氏物語』の昔からたくさん書かれている。モラリストは、だから光源氏だって許しゃしない。けれどこの話の中じゃおばさんはフリーなんだから不倫にゃならないんだよね。 つまり、障碍となるのは、「いったん、男がその女性のオナカを使って生まれでた」って事実だけなのだ。法的なことはさておく。道徳的には、さて、どこが悪いのかな? 私は基本的に「禁断の愛」なんてものはないと思っているから、こんなの全然オーケーなんだけどね。だいたい、「この愛はよくてこの愛はいけない」なんて線引きなんて、あるわけないやんけ。 同時収録の『BIRTH ―記憶鮮明�掘宗戞△海舛蕕和莪貂遒痢屮�ローン人間に個性はあるのか?」というテーマを再び取り上げた珠玉の短編。もちろんあるに決まっているのだが。 ここで大事なことは、作者は「国家がクローン人間を勝手に作ったり殺したりする」ことに対しては怒りをもってそれを否定しているが、クローン人間自体に対しては大きな慈しみを持っているということだ。 クローン人間を規制したがる人間は多いが、結局そういうのって国家や宗教に洗脳されてるだけだから、「どこが悪いの?」と聞くと、「非人道的だから」とか抽象的なことしか言えないのである。人格自体を否定したした規制法のほうがよっぽど非人道的じゃないか。 国家も宗教も、自分たちに都合の悪い人間は排除しようとしているだけなのである。困ったことがあったからって、あまり「国に何とかしてもらおう」と考えないほうがいいんだよねえ。
昼食はサクラダイの尾頭付き、ほうれん草のじゃこ炒め、生揚げと鶏ミンチの煮物、みかんの寒天。なかなか豪勢である。 同室のお隣りさん、今日は検査で絶食しなければならないとかで、「こういう時に限って美味そうなのが」と、悔しそう。 あまり悔しかったのか、糖尿病教室をサボっていた。 昨日と比べると、ほかにも来てない人がいたり、初めだけ出ていて途中退席したりする人もいたけれど、全部の講義を受けないと退院が伸びちゃうのに、いいのかなあ。 夕食は更に豪勢で、豚もものマスタードソースがけ、ヤングコーンのグラッセ、茶そばサラダ、ほうれん草のおかか和え、パイナップル。冗談ではなく、これが病院食かと言いたくなるほどうまい。文句なしに今までの料理の中で一番である。ウチに帰ったら作ってみよっと。 これだけの品数を揃えてもカロリーコントロールができるのだ。料理はやはり工夫次第。
夕方6時から、シンエイ動画のアニメ『ジャングルはいつもはれのちグゥ』、初めて見る。 『クレヨンしんちゃん メイド・イン・埼玉』の水島努監督だから、そんなにひどい出来じゃなかろうと思っていたが、これは掛け値なしの傑作。今年の新作テレビアニメの中じゃ文句なく一番だ。オープニングからしてめちゃ楽しい。 今回のエピソード、『エアポート21』ってタイトルがジェット機の轟音とともに斜体ロゴで立ちあがってくるのは映画『大空港(エアポート)』シリーズか日本のテレビドラマの『大空港』か。 原作にもあるハレたちの都会への引越し話なんだけれども、原作をそう改変しているわけでもないのに、ギャグのノリのいいこと。 圧巻なのは、村長役の玄田哲章さん歌うミュージカル『さよならジャングル』。アニメファンなら『クレしん』のテーマソング『飛べ飛べおねいさん』や、『御先祖様万々歳』の室戸文明のテーマなどで、玄田さんの歌唱力は先刻ご承知であろう。もうバカを絵に描いたような(絵なんだけど)村長と村人たちとポクテや満田たちの踊りはとってもファナチック。 後半もこのバカなイキオイは止まらない。 グゥに飛行機を破壊されるのではないかと怯えるハレ、姿を変えて出没し、ハレ“だけ”を恐怖にたたきこむグゥ、呑気な母さん(笑)、『トワイライトゾーン/2万フィートの悪夢』(リチャード・マシスンですな)のパロディも交えて、一気呵成にラストへなだれこむ。 これだけ監督のオタク趣味が爆発した作品でありながら、もとネタを知らないだろうお子様たちにも楽しめるように作ってるってのがスゴイのである。 ああ、またDVDでほしいアニメが増えちまったぜ。
マンガ、CLAMP『エンジェリックレイヤー』3、4巻(角川書店)。 月刊連載のせいだろうか、どうにもダイジェスト版って感じがしてならない。虎太郎ちゃんや珠代ちゃんは、主役のみさきちゃんの回りで騒ぎまくるばかりでストーリー進行の邪魔にしかなってないし。 キャラがどいつもこいつも二頭身化してフニャフニャなるのはやめてほしいなあ。ある特定のキャラがそうなるならともかく、みんながみんなそうだと、読者を置いてきぼりにしてしまうのだ。話の流れを止めちゃってるのだ。 ……大川七瀬、実は脚本下手なんじゃないかと思うんだが、どうだろう。ファンの人、怒って石を投げないでね。
杉浦日向子『大江戸美味草紙』(新潮文庫)。 「美味草紙」は「うまそうし」と読む。小粋な地口ですな。 以前、マンガとして出された『風流江戸雀』の続編のようなもので、川柳に作者が解説をつける体裁なのだが、今度の趣向は、その川柳が全て「食べ物」に関したものであること。季節感とも相俟って、たいとるどおりじつに「うまそう」なのだが、病院食食ってる身にはちょっとキツイね、これ。 「天ぷら」ってのは、魚介類のことだけを指し、野菜を揚げたものは「揚げ物」と言うってのは、今回初めて知ったぞ。となると、「エビ天」「イカ天」はいいけれど「いも天」ってのは間違った日本語ってことになるわけだ。 「寿司、天麩羅は江戸のファーストフードだった」ってのは言われてみればその通りなんだろうけれど、日頃はピンと来ない。テレビの時代劇なんかで、そう言う描写をしておいてくれると理解しやすいと思うんだけどなあ。
2000年08月21日(月) 一日経つと記憶が消える。……年か?/ドラマ『柳橋慕情』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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