無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年04月09日(月) ハートブレイカー/『DRAMATIC IRONY』(藤崎竜)ほか

 一日遅れで日記を書いていると後になって、ああ、アレを書いときゃよかった、と思う事も多い。
 もっともそう思ってるのは私だけかもしれず、奇特にもこれを読んでいらっしゃる方々もまた同じように感じていらっしゃるとは限らないのだが。
 昨日、新調した背広を父親から受け取ってきた話を書こうと思ったのだが、次の日になるともう忘れている。親子の縁が薄いんだよなあ。
 昔からそうだが、親父は私がほしいと思ったものをくれたためしがなく、いらないと思うものばかりくれていた。もらえるだけいいじゃないかとお叱りを受けそうだが、押しつけがましく、これを買ってやろう、あれを買ってやろう、とくれた挙句に、「金返せ」と言われることもしょっちゅうだったから、自然に感謝する気持ちが失せるのである。
 昔、私の新居祝いに親父に「冷蔵庫はいるか?」と聞かれて、「うん、ほしい」と答えたら、購入したあとで、「金を出せ」と請求された時にはブチ殺したろか、と思ったものだった。もちろん、そんな金は払っていない。
 人にモノをやるのなら、予め契約してるのでない限りは、見返りを求めるものではない。それが赤心というものだ。親父のおかげで私は「くれるものはもらう。でも感謝はしない」というケチ臭い人間に育ってしまったが、子供を素直ないい子に育てようと思ったら、やはり親自体が性格を変えねばなるまい。
 お袋も親父のこのセコイ性格には苦労させられてたよなあ。

 夕べからの雨が、今日もまる一日続く。そぼ降る雨でも篠突く雨でもない、ごく普通の雨だけど、こういうのはどう表現すりゃいいんだ。
 前日まであれだけ満開だった桜も、すっかり散ってしまっている。
 でも、ここしばらく雨が降っていなかったので、今年の花見シーズンは二週間以上に渡っていた。それにまだもう少し、これからつぼみを開く枝も残ってはいる。葉桜を楽しむ手合いもいようから、来週あたりまでは近所の公園、出店があるのではなかろうか。
 女房は縁日好きなわりに、出店の前で「あれ、ホンモノのテキヤ?」なんてオソロシイことを堂々と口にするので連れていくのもちょっと怖いのだが。言っとくが私は逃げ足遅いぞ。女房を連れて逃げきれる自信はない。
 そう言えば先日の花見でも、女房は公園内を徘徊する犬を見ながら、「犬が襲ってきても、あんたは助けてくれなかったもんね」と文句をつけていたが、いつどこで誰が犬に襲われたというのだ。そういうありもしないシチュエーションをでっち上げて、私が冷酷非道な人間のように吹聴するのはやめてもらいたいものだ。
 もちろん、本当に犬が襲ってきたら、私は×××××××××××。

 テレビを漫然と見ていると、ヤ○ボー○ーボー天気予報のコーラスがあのかわいかった子供の声から青年団のコーラスのような歌に変わっている。
 うわ〜、つまんね〜変更をしてくれたもんだ。
 カステラ一番の歌が滅多に流れなくなってしまった昨今、親子の世代間断絶を埋める貴重なCMソングだというのに。こういうのは十年一日、あまりリニューアルしないほうがいいのである。
 ……と言ってる割に、意外とこの歌、フルコーラス歌えるやつって少ないのな。
 「キミとボクとでヤ○マーだ♪」
のあとの歌詞を知らないやつが結構いるのである。毎回流れてるのになあ。
 歌詞の引用は全部はダメなのかな?
 とりあえずよく知らない方のために問題の部分を。メロディーのほうは自分でお確かめ下さい。
 「♪農家の機械はみなヤ○マー
   漁船のエンジンみなヤ○マー
   ディーゼル発電、ディーゼルポンプ
   建設工事もみなヤ○マー♪」
 で、このあと「ちいさなものからおおきなものまで」と続くのである。オタクたるもの、これくらいは常識として歌えなければならない(なんでだ)。
 宴会で歌うとウケるので、みんなもやってみよう(^^)。 

 マンガ、藤崎竜『DRAMATIC IRONY』。
 第二短編集、ということだが、第一短編集の『WORLDS』の方は以前C−1くんに貸してもらって読んだはずだが、中身をきれいサッパリ忘れている。これだから本は自分で買っておかないといかんのだよなあ。
 でも藤崎さんのマンガって、理に勝ちすぎててイマイチ面白くないんだよね。だから記憶に残らないとも言える。
 表題作の『DRAMATIC IRONY』、別にゲーム内世界の物語にする必然性がない。新人賞だったらボツだ。
 『ユガミズム』、他愛無いラブコメだが、その分だけ破綻がない。作者自身はこれが一番気に入ってないみたいだが、それがまだまだエンタテインメントが分かってない証拠なのである。妙な個性出す前にウケるストーリーの骨格を知っとくべきなんだがねえ。
 『milk junkie』、英語題名をつけたがるのは悪い癖だ。でも中身はバカに徹していて、まあ面白いほうか。でも今更『エヴァ』のパロは恥ずかしいぞ。「世界の中心で牛乳と叫んだ巨人」ってか?
 『異説 封神演義』、これを表題作にした方が売れるのに(^^)。藤崎さんは思い切りが足りないのである。
 話は「望ちゃんがかわいいからあとはどーでもいーや」という出来映え。悪くはないけどね。
 でもなんでスープーシャンは「ゾフィー」と鳴くのだ。アホらしくって好きだけど。
 藤崎さんは素っ頓狂なデザインとギャグ以外見るべきものはないのだから、ヘタなテーマなんぞ入れずに、ギャグに徹した方がいいと思う。でなきゃジャンプの中じゃつぶれちゃうぞ。

 マンガ、細野不二彦『ギャラリーフェイク』21巻。
 ああ、さすがに巻数が増えて、ネタがかぶって来たか。フェルメールとメーヘレンのネタは以前大々的にやっちゃったから、どうしても二番煎じの印象がぬぐえない。仕事が増えてきたのか、絵が最近荒れ気味なんだよなあ。そろそろサラを物語に絡めて完結させたほうがいいようにも思うが、その前にいっぺんアニメ化してくれんかな。フジタには井上和彦が合うんじゃないか。で、サラは荘真由美に……って『美味しんぼ』かい。

 マンガ、佐藤竜雄原作・滝沢ひろゆき漫画『学園戦記ムリョウ』1巻。
 ミスマル中学校って、もしかして学園長はあのコの御先祖様?
 それはそれとして、佐藤竜雄監督久々のテレビアニメシリーズのコミカライズである。滝沢さんの絵柄はアクがなさすぎる嫌いはあるが、ほんわかしていて昔懐かしい味わいがあって、結構好みだ。
 ただ絵柄はドラマ自体を規定してしまいかねない危険も孕んでいるので、ストレートなようでいて屈折した感情を持つキャラを動かしてきた佐藤作品に合うかどうかというとちょっと……という気がする。『ナデシコ』ほどのヒットはしなさそうだな。

 前回の公演の打ち上げが14日前後になりそうだとか。
 実を言うと、私は金がないので参加しようかどうしようかなあ、女房がおごってくれるならいいけど、ケチだし無理かもなあ。
 どうせなら若い者だけでたのしくやってくれりゃそれでいいしねえ、トシヨリはでしゃばらずに引っ込んでますわい、ゴホゴホゴホ、なんて気持ちでいたのだ。
 ところが女房は参加者が少なくなりそうなので、枯れ木の山もにぎわいで、来てほしそうな気配なのである。
 でも温泉行きたいという女房の気持ちはわかるが、若い女性たちは気にしてしまうのではないか。オヤジが来るんでイヤだというなら私は不参加でかまいませんので(今更傷つく歳でもないし)、メンバーの淑女諸氏はご一報を。

 女房が突然「あんたって傷ついたことってあるの?」と聞いてくる。
 「そりゃあるよ」と答えてはみたものの、なんだか「傷つく」という感覚が確かに自分から遠い感情じゃないか、ということにフト気がついた。
 他人と疎遠なのである。
 物理的に人を避けているというわけではなく、付き合いは付き合いとしてそれなりに行動してはいるのだが、心を相手に預けてはいないのだ。だから他人が自分のことを何と言おうと、笑っていられる。
 多分私を「傷つけられる」相手は家族や友人、劇団のメンバーなど、ごく少数の人々に限定されるのだろうが、なんだか優しい人ばかりで、到底私を傷つけそうなことを言いそうにない方々ばかりなのである。
 ……もしかして私はなにか気遣われているのだろうか。
 あ、でもこないだちょっと傷ついたこと思い出したぞ。
 劇団の練習の時に、「俺も来年は数えで四十だよ」と言ったら、よしひとさんから「もうすぐ四十郎ですね」とすかさず言われてしまった。
 ……ちょっと一瞬、口篭もってしまったが、オヤジだオヤジだと自分で言っていながら、まだまだスキがあったのだなあ。この程度で動揺するとは修業が足りない(^_^;)。



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