委員長の日記
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| 2003年05月06日(火) |
私たちにできる反戦の意思表示 |
イラク戦争が終結したと、アメリカの大統領が自慢げにテレビで演説をしていました。 しかし、いまだにフセイン大統領とその家族は行方がわからず、大量破壊兵器も見つかっていません。 空爆で傷ついた人たちは、湾岸戦争以降の経済封鎖で、薬が極端に不足しているため、麻酔薬の代わりに頭痛薬を投与されているそうです。 戦後処理のための暫定政権をめぐって、石油の利権を背景として、誰が主導権をとるかということで国と国との力の綱引きが始まっています。
しかし、メディアからは、一般の民衆の声は聞こえてきません。
何時の時代も、国と国との大きな力の影で、私たち一般市民はあまりにも力弱い存在なのでしょうか?
この5月18日(日)の夜19:00から上演する『悔悟の記録』は、 第2次世界大戦のときに、虫を殺しても罪になると信じていた青年が、憲兵として中国大陸に渡り、当時の軍隊の中で、人を殺したり、拷問したりすることがどんどん平気になっていく様子を、ひとり芝居で演じる作品です。 この作品の存在を知ったのは、3年前でした。 戦争を知らない世代がどんどん増えていく中で、このような作品に取り組むことが私たちの義務かもしれない…と考え、いつかは必ず取り組みたいと思っていました。 そして、2001年9月の同時多発テロ以降の世界の情勢を見るに付け、私たちが活動を通じてできる反戦の意思表示とは一体何なんだろう?と考え、今回の企画が実現しました。
しかし、昨年度交付されていた社会福祉医療事業団の助成事業がおわり、今年度からは、一つ一つの鑑賞事業で不足金を出すことは出来ません。 午前中に企画している、小学生以下対象の「さよなら△またきて□まる」は、鑑賞事業として例会企画していた作品ですが、「悔悟の記録」については、検討段階でした。 同じ日に二つの作品に取り組むということは、演じてくださる劇団の方はもちろん、スタッフには倍以上の負担がかかります、対象年齢が違うとはいえ、声賭けをする範囲は限られています、しかし不足金を出すことは出来ません。 それでも、委員会で話し合った結果、この作品を取り組むことは、親として大人として大切なことだということで意見が一致しました。 そこで、「悔悟の記録」については実行委員会形式で取り組み、不足金が出た場合は実行委員会で責任を持つという形で取り組むことになりました。
平和都市と呼ばれる広島では、連日のように様々な形での平和集会や、取り組みが行われています。 そのどれもが、取り組む人たちの心からの表現方法であることは確かです。 そして、私たちが私たちの活動を通してできる小さな平和へのアピールとして、今回の作品をより多くの人たちと一緒に鑑賞し、考え合っていきたいと思っています。
委員長

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