終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2006年05月22日(月)

惑える星

 マーリドは一群の犬たちを引き連れて彼方の砂漠を走っていった。頭上には無数に星々が輝き、大気は夜の湿りを帯びている。風は高みから、遙かに彼方の高みから、なにごとかを詩人の耳に語りかける気配であった。
 マーリドは犬の群れを引き連れて行く。手の竪琴をかき鳴らして。

 われはバニ・キラブの子、
 わが族(うから)の惑えるときは我もまた迷い

 わが族の正しき道ゆくときは
 われもまた正しき道ゆく

 歌は二弦を欠いたのびやかで抑揚のあるリズムのもとにうたわれた。犬たちは馬の足もとによって彼方を見渡し、そして夜を渡っていった。


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