あふりかくじらノート
あふりかくじら



 めくるめくベートーベン。

今日の午後は、部屋いっぱいに満ちる圧倒されんばかりのベートーベンのピアノ曲に飾られた。月光ソナタの第四楽章(だったのか?違う楽章だっけ?なんだかすごく激しくなるあれ)を生演奏で聞かせてもらうのは初めてだ。

いままで、ベートーベンという作曲家には圧倒されてしまい、なかなか恐れおおくて手を出せずにいたけれども、ピアノの音の重さはやはりこの作曲家しかできないあまりにも重厚なもの。わたしの指には到底重すぎて耐えられない。(というより譜面をたどる技術自体がない)

ほんとうは別の目的でそのお宅にうかがったのだけれども、ジンバブエにしてはかなりありえないくらいにリッチなそのお宅の、シュタインウェイとカワイのグランドピアノの黒光りするボディにくらくらし、満ちていく音楽の重さに息がつまった。

ピアノは血だ。音楽とは、魂と精神世界のはるか向こうのほうから、意思とは関係なくやってくる力強き重さのあるものだ。気が狂うくらい。そしてそれはどこからやってきて、どこに行くのかわからない。でも、あまりにも魅惑的で、そして苦悩も重たさもあり、無限のものだ。ベートーベンが聴こえぬ耳で聴いたその音のように。


そういう、音楽の本質のようなことをときどき思い出さないと、精神のパワーが保てない。そうに違いないと思う。そして、その一線を超えなければ、ほんとうにひとの心を動かす音楽は生まれない。

わたしは、まだまだだな。

(技術ももちろん…)

2005年11月19日(土)
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