あふりかくじらノート
あふりかくじら

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■ 放浪くじらの血が沸き立つ。

文字通り血が騒ぐ、というか
血が沸き立つという感覚をおぼえる瞬間がある。

生理的嫌悪感を伴った憎しみだったり、
逆に、失った恋の死ぬほど幸福な瞬間だったり、
地の底ほどに哀しい瞬間だったり、を思い出したりするとき。
はたまた底知れない怒りだったり。

頭のてっぺんから足の先まで、とはよく言ったものだ。
血液の流れがわかる感じがする。

いま、日本国内に連続して三ヶ月ほど居る。
もう、我慢できないくらいにわたしの血液が騒いでいる。
居てもたっても居られずに、今にもパスポートをひっつかんで
成田エクスプレスに飛び乗ってしまうかもしれない。

少し気温の下がった空気にエディンバラの
ひんやりした夕べを重ね、雑然とした書類の束や、窓から
吹き込む風に触れてうっすら砂埃を被ったデスクに
セロウェ村を感じ、排気ガスのにおいが混じった風に
ボツワナの首都ハボロネを連想した。
ここまでくると、けっこうやばい。

連続して何度も「デンマーク」ということばを
違う場所で聞いたので、このところ明日にでもデンマークに
飛んで行きそうな勢いだ。

だめ。まだ、だめだよ。自分にいい聞かせる。
明日もお仕事があるのだから。

ゆうべ、知らない国の知らない街を歩いている夢を見た。
ものすごく心地よくて、放浪こそが私の居場所と
確信していたくらいだった。
夢の中で、みやげ物にきれいなレターセットを買った。
とても鮮やかな色合いだった。


2004年08月22日(日)
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