あふりかくじらノート
あふりかくじら



 ヘルンの霊気。

ラフカディオ・ハーンの没後百周年とのことで、
大の怖い話嫌いのわたしが彼の小説をぱらりとめくる。

東洋の文化に造詣が深いラフカディオ・ハーンのこと、
彼の会談には出雲の国の霊気がそのまま漂う。
あの、独特の空気。
山々に降り注ぎ、霞を帯びて影を作る大和の国。
ひんやりとした古の空気の匂いがする。

ギリシアのレフカダ島に生まれおち、
アイルランドとギリシアとアラブの血が入っているとか。
アイルランドへ、インドへ、イギリスへ、フランスへ、
ニューヨークへ、マルティニークへ、そして、
東洋の国、日本へ。
新聞記者として、教師として、翻訳家として。
そしてなによりも、霊気みなぎる筆と観察眼。

わたしの文章には、わたしの魂がこもっているだろう。
それは、誰が何と言おうと、日本に生まれ
アラスカに暮らし、アフリカを感じ、スコットランドに暮らした
他ならぬわたしの魂。
誰にも侵すことはできない生気。

だから、ただひたすら魂の命ずるままに書くのみ。

ヘルンの写真は、右の横顔ばかりなのである。

2004年08月11日(水)
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