あふりかくじらノート
あふりかくじら



 恋するくじらのありかた。

そろそろ小笠原もざとうくじらの季節で、
きっとあの青い深い海のなかで
静かでおおきなブルーの底で、
くじらは歌をうたうのだろう。
水面から、天へむかって跳ね上がるのだろう。
白いしぶき、おおきな黒い身体に
ブルーがしみこんでいる。

ひとりの人間として、
わたしひとりの生き方を大切にする。
そしたら、
誰かを好きでいることが
こんなにも幸せだったことに気づく。
生きることが楽しくなった。

誰かが、どこかで生きていると
感じる幸せ。
そのちいさな安心感の感触。
友だちも、恋したひとも、尊敬するひとも。

グラン・ブルーの残像。
くじらのしっぽの記憶。

2004年01月31日(土)
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