オミズの花道
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『 マジ口説きされても 』
2004年06月02日(水)
最近マジ口説きされて困っている。
マジ口説きと言っても色々あるのだけれど。
数打ちゃ当たるというのではなく『本気でヤリたい』とかも、ある種の人にはマジ口説きに入るのだろう。そんな事を言えば男は皆本気で女を口説いているのだろうけど、今回はそういう範囲の本気ではない。
問題の彼の何がどうマジなのかというと、この業界の客にありがちな『自分の気持ちを押し付けてくる口説き方』ではなく、私を思い遣った上での口説き方、をする部分がマジなのである。
ひらたく言うと、私に『嫌われたくない』オーラが出ていてちょっと困っているのだ。
正直に言うと、私はこういうのが一番苦手だったりする。
客商売としてお金を戴いているのが前提にある以上、無理難題を言われてしまうのが当たり前なのだし、それをどうかわすかがホステス業だ。
それを、自分がホステスだからってこんな口説き方をされる謂れは無い、そんな風に考えるほうが客の立場から言わせると『オメェおかしいんじゃないの?』である。
どんな出来るホステスでも、最初は皆色気や魅力なのを、人間的な関係にまで持って行く努力を重ねる。
自戒も含めて書くと、女ではなく人としての方向に持っていけないのは、ホステスの技量や人間的魅力が足りないのだろう。
何故ならば、この手の店には商売として成り立つ金銭の流れが法則としてあるのだ。男たちが金を払うのは酒のためだけではなく、色の為にも払うのだから。
そしてホステスは自分が金のためであろうが、選んで好んでその業界に準じて身を置くならば、相手に慄然さを求めるのは、それこそお門違いなのである。
仕事と感情にキッチリとラインを引いてこそ、だ。
この理念は私がプロとして接客するには必要なものだし、持っていないと逆に金銭を払うお客様に申し訳が無いから捨ててはならぬと思っている。
だが時にこうやって私の内面に準じようと身を投じてくる人が居る。
人間としても見ました、でもやっぱり女性としても貴女が好きです、という人が。
無理も言いません、だからちゃんと一人の男として見て下さい、と。
これが実は凄く困る。
私が仕事だけをしようとしているのに、『貴女の仕事も内面も全て含めて全てを受け入れるから』という人がたまに居るのだから。
私の方が困っている時点で既に関係は成り立たず、向こうからの気持ちの押し付けなのであろうが、これがまたあからさまなタイプの人より難儀であったりするのだ。
真田さんとは最近こういう内面的な話をするのだが、私の傾向について面白いことを言われた。
『なおちゃんは接客業馴れしてるんだけど、余り男性に免疫が無いのかもね。
だからこそ、接客と普段の関係の白黒を付けたがるのかも知れない。』
ほほほほうぅ。
なかなか鋭いね。
これはきっと当たっている。私は人間付き合いが苦手だから、接客業という鎧を理由付けに、男性にむかって自分の内面を近づける事を避けているのだ。
『でもそういうのってこっちの気持ちに凄く鈍感だとも言えるね。』
彼は続ける。
『口説かれてる話をされて、俺だって心穏やかじゃないよ。
なおちゃん、それに気が付いてないでしょう?』
溜息まじりに苦笑いしながら、私の顔を覗き込む。
自分の気持ちを押し付けているのは私だな。
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