オミズの花道
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『 雨の日こそ白い服を 』
2004年05月21日(金)
昔からこの業界は梅雨時に入る時期に必ず言われる言葉がある。
それは『雨の日こそ白い服を着ましょう』という言葉だ。
雨の続く時期は、どうしても汚れを気にして暗い色の服を選択しがちだが、ただでさえ気候がうっとおしいのに女性達まで暗くてはいけないと、白い服を着るように店側から指導される事もある。
最近はクラブでも服装にはかなり柔軟な考え方になったが、それでも黒規制のある店は多い。黒規制とは一日に2〜3人までは黒い服装を許されるが、それ以上は別の色の服を着なければならない規則をいうのだが、大体は午後4時〜くらいから人事を司る立場の人間に電話をかけ、黒を着ても良いか確認し了解を取るというパターンが多い(大抵は早い者勝ち)。
黒規制ならまだマシだしそこそこの規模のラウンジでも言われる事だが、新地三大クラブのひとつと謳われたある有名店では、2〜3年前までは毎日着物でなくてはならなかった程に着るものには厳しかったそうだ。
こんな風に上下の差はあれこそすれ、オミズ業界はとかく服装にうるさい。
勿論着飾るのは誰あろうお客様の為であるところは当たり前なのだし、高い料金を戴いているのだからそれなりの格好をするのは当然だが、私などはもうすでに口座ババァの域に達してるので、自分のお客様には私がどんな格好をしてようがあまり関係無いようだ。
だがそんな私でも梅雨の季節は特別に明るい色を選び、雨の日は白い服を着る。日差しのささない梅雨の時期は街が色を失い、どこかくすんでいるのだから少しでも色鮮やかに、尚且つ爽やかでありたい。
昨日は真田さんと同伴だった。大雨なのに本当にありがたい。そして昨日選択したスーツはやはり白。予想通り真田さんには『こんなに雨なのに汚れない?』と聞かれた。
それで上記のような謂れを話すと、へえ、と少し不信そう。
ところが昨日はやはりいつもより白い服の女性が多く、それを見て真田さんも信じてくれてようだ。(いや別に疑ったままでもいいんですが)
ところがうっかりものの私はご飯を食べている時にソースを服につけてしまった。あ〜あしょうがないな、とノンビリ思いながら拭いていると、真田さんのほうが焦ってしまって、シミ取り用のティッシュを鞄の中から出してきた。
そうだった。白い服は本人よりも周りが気を使うものなのを忘れていた。
ありがとう、と言いながら何でこんなもんを持ち歩いてるんだろう?男の人が?と不思議に思い聞いてみると『・・・・俺自身がよくこぼすの。』という可愛いコメント。
思わずガハガハ笑ってしまい、可愛いと抱き締めてしまった。
何だか最近色気が無くなってお互い真っ白になっていたから、こういう瞬間が少し嬉しかったりする。
もう少し小雨なら、相合傘も出来るのに。
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