オミズの花道
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『 新地のぱぱ、宝物の理由 』
2003年12月12日(金)
北新地の大ぱぱをげっちゅ。
週一回の確実同伴をげっちゅ。
あああ〜〜〜これでノルマがすっごく楽になるぅぅぅ。
さすがに社長、良いお客様持ってるぜっっ!!ありがとうぅぅぅ。
しかも昨日、同伴が有尾だったんだよ。美味しいよう。
最高でしたぁ・・・・。堪能しました。
その前は年輪坊だったんだようぅぅ。
おおお美味しかったぁぁ。
っていうか、ぱぱ、グルメ過ぎ。
お魚大好きなのも私のツボ。
味の好みも合う。
あまり私に贅沢させないでぇぇ。
で、電話あり過ぎ。
ご飯の最中もバンバンかかる。
同伴してください、のコール。
私と7時45分に入ったあと、15分後には別の女性と同伴。
んん〜。凄い。
本通りを一緒に歩いてたら、そこここのママさんにいっぱい捕まって歩けない。
横に並んで歩いてたら、きろっと睨まれちゃう。
うちの社長が言うには、言うには、ですが、帝王らしい。
本当かなあ。
初日に付かせて戴いて、それからすぐに同伴。
別に口説かれる訳でもなく、ただ私を見てニコニコしていて、結構お高いお店にもバンバン連れて行ってくれる。
当初は不思議で仕方がなかった。
こんなに無条件に、可愛い女扱いをされる理由がどうしても解らない。
『でも、新しい子は滅多にあの人の相手は出来ないんだよ。
プライドの高い人だからさ。』
と、社長。
『へえ?じゃあ私なんかもうひとつ駄目じゃないですか。元ミナミの女なんだし。
あ、それともこっちの事なんにも知らないから、そこがいいのかなあ?
余りにも無知だから、見てられなくて教えたくなるのかな?』
そう、このぱぱは新地で飲んで35年近く。この辺りの事で知らないことは無い、と豪語する。今はビックエコーになっている場所に、お寺があったことを知っている唯一のお客様だったから、あながち法螺でもなかろうと思う。
新地で長年飲んでいる人でも、あのお寺の事は知らない人が殆どだ。
『う〜ん、それもあるけれどね・・・・。』
社長はボソっと続ける。
『なおちゃんは・・・・社長の若い頃に、
ご病気で亡くなった前の奥様にそっくりなんだよ。
この間僕に、「生まれ変わりかと思った」・・・・っておっしゃってた。』
何だか切なくて言葉が出なかった。
ニコニコと一緒にお酒を飲み、私の話を嬉しそうに聞いてくれる。
後に問い詰められる疎ましさも置いて、本通りを並んで下さる。
拙くて未熟な私を、まるで宝物のように扱って下さる。
若いときは不遇だったと聞いている。
貧乏で、家族に充分な事をしてあげられなかった、とぱぱは言う。
私に美味しいものを食べさせてくれて、甘やかしてくれて、ニコニコ話を聞いてくれるのも、亡くなった奥様にしてあげられなかった事なんだろうか・・・・。
『ぱぱ、別に同伴じゃなくってもいいよ? ご飯だけで私は充分に幸せだから。
ノルマは他所で果たすからね。』
そんな風に言う私を、新地のぱぱはゆっくりと嗜める。そして笑いながら言う。
『お仕事お仕事。』
・・・・そうだよな、お仕事なんだ。
こういう瞬間は少しだけ、このお仕事が嫌になる。
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