オミズの花道
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『 役割は、巣作り 』
2003年11月08日(土)




さて、今回は移店後の立ち回り方である。

ホステスが新しい店に移店するというのは、如何に事前に計画を立てて移店そのものがスムーズに運んでも、自然と雑用も増え事務的な事も多くなって行き、沢山のことを考えなければならない。
新しい店に入ると、その店の細かいシステムや雰囲気にも慣れなければならないし、色々と自分の外と中で忙しかったりする。

かといって自分の我儘で移る以上、出来るだけお客様には居心地良く過ごして戴かないといけないし、戴いてるお金がある以上、まだ馴れてない・・・・の台詞は、自分で出してはならぬ言葉だと思う。


さてそんな中、新しい店に入って水上が最初に観察するのは、どのホステスさんが、どういう客層のお客様を持っているか、である。

勿論、ホステスたるもの色んな条件のお客様を持っていて当たり前だ。
当たり前だし、どんな客層でもソツ無くこなさねばならないのだろう。
が、相手が居る商売である以上、自分が好かれるお客様のタイプもあるし、自分が何を目指すかによって売り方の傾向も変わってくるから、客層の偏りはどうしても産まれて来る。


ちなみに水上というホステスの客層は、若造が圧倒的に少ない。
個人的に苦手なのもあります、はい。
結構我儘かも知れない・・・・ワタシ。駄目じゃ〜ん。

だいたい、クラブにしょっちゅう飲みに来る若い層の男性は、会社の経費で飲んでいたり、人の金にたかっていたりする。
個人的に来ていても、そういう人は余り胸を張れる業種の方ではない場合が多いから、行儀的にも褒められない方が多く、また飲み方も美しくなかったりする。
そういう方々だと私の性格では冷ややかに対応してしまうか、説教をコイてしまうか。
自分でもそれが良く解っているので、お客様として揃えたくないのだ。

一番お若い方では28歳の経営者の方で、お父様に連れられていらっしゃったのが、今でも続いている方がおられる。
私は元々お父様に贔屓にして頂いてたのだが、今年の初めにそのお父様が急逝され、その方が跡を継がれたのだ。
『なおちゃんもとうとう親子二代をまたぐホステスになったか。』とか冷やかされたりして、複雑な心境なのだが。


で、自分がそんな風に『どういう客層を持つホステスであるか』を踏まえたうえで、冒頭の行為『どのホステスさんがどういう客層を持っているか』を観察するのである。

お薦めするのは自分と似た客層を押さえているホステスさんを見極める事だ。
面白いもので客層が同じ、似ている、ホステスさんは、どこが自分と似たような雰囲気を持っている。
『キャラクターがダブるとお客様を持って行かれる』、そう考えて自分と似た人を嫌う人もおられるけれど、自分本位ではなくお客様の事を考えると、このホステスさんと組む方が、自分のお客様をお店に馴染ませやすい。

そして自分と似た様な感じのホステスさんなら、自分が席を離れなければならなくても、安心してテーブルをお任せする事が出来る。
お客様も私が席を外そうが、同じようなホステスさんだとやはり安心なさるし。

それが、新しい店に移っても今までと同じような落ち着きを持たせながら、新鮮さをプラスし、次回にまた足を運んでいただく第一歩なのだ。
この第一歩、コケると二度と繋がらなかったりするから、私達ホステスにとっては大切だし、一番緊張する瞬間だったりする。


考えてみると当たり前の事かもしれない。
ホステスが新しい店に馴染む緊張感よりも、お客様のほうがずっと、新しいお店に緊張されているのだから・・・・。

『知らない店では余り飲みたくない』という男の人は多い。
男の人のほうが全体的な空気の流れや雰囲気を読むのに長けていて、それを重視するからであろう。
個々で対峙した時の感情の細やかさは女性のほうが上だが、全体的に流れを見て状況を分析しながら相手の感情を見るのは、男性の方がやはり長けている。

その緊張感から、お客様を少しでも解き放つのが、新しいお店でホステスがしなければならない事の、第一歩だと私は思う。


・・・・不思議なものだ。

我々女性の役割はいつの時代も、彼等男性にとって居心地の良い場所を作ることが、使命のような気がする。






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