ケイケイの映画日記
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2017年09月13日(水) 「新感染 ファイナルエクスプレス」


 日曜日に近場の布施ラインシネマで観て来ました。私は通常日曜日は朝食が遅い事もあり、昼食食べないんです。こんな内容だと知っていたら、しっかり食べておくんだった。全編山場ばっかり、スピード感溢れる展開で、そこへ父娘・夫婦・友情など、愛もてんこ盛りに入れた、尻尾まであんこ状態の内容で、すんごく体力使いました。とっても面白い!監督はヨン・サンホ。

ソウルでファンドマネージャーをしているソグ(コン・ユ)。妻は夫の身勝手さと冷徹さに嫌気がさし、別居中。一人娘のスアン(キム・スアン)は、ソグの母親が面倒をみていますが、スアンは母を恋しがります。誕生日は母と過ごそうと、一人ソウルからプサンに行こうとするスアン。それを知ったソグは、危ないからと、早朝の特急でプサンまでスアンを送る事に。しかし、その列車に、得体の知れない病原菌を持つ女性客が紛れ込み、列車中は、あっという間に感染していきます。

ゾンビカテゴリーの作品。昔のゾンビとは違い、昨今のゾンビは全力疾走できるもんだから、感染も早いのなんの。列車の中だけではなく、感染は全国規模にまたがり、救出のため途中下車の駅中の人々、鎮圧するための軍隊など、全てが感染者に。そんな中ソグたち僅かな人数だけが、命からがら感染をまぬがれます。

殴打・流血・噛み付きなど、何でもあり。血しぶきが飛び散りまくり、阿鼻叫喚の地獄絵図が、延々くり広げられます。その最中に、乗客の対立を組み込み、妊娠中の夫婦の愛情、高校生カップルの初々しさと、野球部員の友情など盛り込みます。そしてこの地獄の中で、ソクが身勝手だった自分自身を反省する様子を、感動的に浮かび上がらせています。

ドラマの軸を、父と娘の愛情>夫婦>高校生の順番に味付けしているのも、儒教精神の残る韓国では、幅広い層に納得行くものだったでしょう。そして父・夫・彼氏は、何が何でも娘・妻・彼女を、身を挺して守るのだ。まぁ〜、なんて気分がいいんでしょ(笑)。女子供もね、清々しいほど信じきっている。如何に女性が強くなったとは言え、これはこれで、王道パターンとして、素敵に思えました。

ゾンビアクションにハラハラし、一人また一人と犠牲になっていく様子に哀悼し、気分はゾンビ+「ポセイドン・アドベンチャー」で、最後まで突っ走ります。ラストで父のために覚えた「アロハ・オエ」を歌うスアンの姿に、堪らず号泣しました。スアンの歌声が、犠牲になった全ての人々の、鎮魂歌となりますように。

面白さは太鼓判。すごく体力使いますので、先に御飯食べておいて下さい(笑)。


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