ケイケイの映画日記
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2017年08月05日(土) 「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」




う〜ん。私は「ハムナプトラ」大好きで、大好きなトムちんで観られると、楽しみにしていたのになぁ。最近は人間ドラマや社会派作品から距離を置き、「ミッション・インポッシブルシリーズ」の合間合間にも、コツコツヒット作を当ててきたトムちんですが、久方ぶりに、イマイチでした。監督はアレックス・カーツマン。

米軍関係者のニック(トム・クルーズ)。相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)と組んで、発掘された貴重な考古物を横流ししています。考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)と知り合ったニックは、貴重な古代の遺跡を発見します。それは生きたままミイラにされ、この世に強い憎悪を抱えたまま亡くなった、王女アマネット(ソフィア・ブテガ)の棺でした。飛行機でこの棺をアメリカまで持ち帰ろうとした彼らですが、気付かぬ前に棺は開封され、アマネットは、蘇ろうとしていました。

トムちんは、相変わらずアクションも自分でこなして、55歳とは思えぬ裸体も披露して、いつものトムちんでした。でも内容が面白くない。だいたいミイラである理由は?あの撮り方じゃ、ゾンビじゃん。危機また危機は、この手の作品のお約束ですが、遺跡発掘隊みたいになっているから、インディ・ジョーンズのバッタもんみたいで、本家より展開が安過ぎる。

ジギル博士とハイド氏をもじったつもりの、ラッセル・クロウの扱いも中途半端だし、相棒の使い方も雑。一番がっかりは、アナベル・ウォーリス。端正な美女ですが、如何せん地味過ぎて存在感が薄く、トムちんが命がけで「お守り」する理由がわからん。「ハムラプトラ」のレイチェル・ワイズが、如何に作品に貢献していたか、痛感しました。

しかし見所もあります。ズバリ、アマネット役のソフィア・ブテガ。ミイラからの再生なので、禍々しく不気味なのですが、そのこの世のものとも思えぬ風情が、官能的。ソフィア嬢はダンサー出身だそうで、鍛え抜かれた裸身も見せてくれますが、引き締まった身体からは、シャープなエロスが香ります。「キングスマン」でも、両足に刃物つけての登場で、些か際物っぽい方が、似合う人みたい。アルジェリアの血を引くエキゾチックな容姿も、存分に生かせていました。

何度か寝オチしそうになり、トムちんで面白くなかったのは、何年ぶりだっけ?と思っていたら、終わった直後、久しぶりにいっしょに映画を観た夫が、「いや〜、面白かったな!」と大喜びで、びっくり。久しぶりの映画館での鑑賞だったので、妻には中途半端な危機また危機でも、夫的にはドキドキの花丸的展開だった模様。これには、目から鱗でした。興行的には、夫のような人をターゲットにしているはずで、これはこれで、合格かも知れません。

制作会社のユニバーサルは、今後同社の誇るモンスターたちをリプートするそうで、次はハヴィエル・バルデムの「フランケンシュタイン」とか。次作に期待しております。


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