ケイケイの映画日記
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2016年09月10日(土) 「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」

前作も楽しめたので、今回も楽しみにしていました。畳み掛ける華麗なイリュージョンは健在で、穴ばっかりの脚本をカバーするに充分でした。監督はジョン・M・チュウ。

前回のイリュージョンから一年。身を潜めていたアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、マッキニー(ウディ・ハレルソン)、ジャック(デイブ・フランコ)の面々に、新加入のルーラ(リジー・キャプラン)を加えた新・フォー・ホースメン。今回ディラン(マーク・ラファロ)が持ちかけた仕事は、IT企業の不正を暴露すべく仕掛けをしますが、どうした事か、内容は天才エンジニアのウォルター(ダニエル・ラドクリフ)筒抜け。ウォルターに捕らわれた四人は、世界のあらゆるシステムに侵入可能な、チップを盗めと命じられます。

とにかくテンポが良いです。次から次に繰り出すイリュージョンは、本当に摩訶不思議。???が頭の中を飛び回っていると、ちゃんと種明かししてくれるのも、前回といっしょ。今回の数々のイリュージョンは、流麗さがアップし、すごくスマート。洗練されています。

幾重にも張り巡らされた仕掛けは、怒涛のどんでん返しに絡んで・・・と言いたいとこですが、正直あれだけ後出しで出されては、何でも出来るわ。伏線もへったくれも、あったもんじゃない。双子あり、あの二人が親子、そしてあの人は・・・って、ちょっと盛り過ぎだな。演出は一流、脚本は二流です。

まぁそれでも、楽しく見られました。私は普通の手品も、大がかりなイリュージョンも大好きなもんで。ジェシー君は二枚目やっても、ずっとサブカル枠だったのが、この作品の前作で、フツーの二枚目に昇格(?)した時は、感慨深かったなぁ。ビリングだってあなた、ラファロを抜いてトップざんすよ。今回のアトラスはエゴも強く、墓穴を掘りますが、その後の回収の様子も無難にこなしています。そして私の大好きなラファロは、確か前回は髭が無かった記憶が。この人、むさ苦しく髭がある方が素敵なんです。前回は間抜けを装っていましたが、今回はあっさり正体がバレルので、その必要もなし。なかなかのアクション場面もあります。

一つ気がかりなのは、ラドクリフ君。気持ち悪いです(笑)。イライジャ・ウッドもそうなんだけど、背が低いのが災いしてか、顔立ちは綺麗なのに、とっちゃん坊やみたいな残念な風貌になっています。役柄が気持ち悪い奴なんで、好演と言えば好演なんですが。今後役柄は限定されそうです。ジェシー君もジョシュ・ハッチャーソンも背が低いけど、年齢に応じて役柄を広げてるのにね。あの濃厚な顔立ちには、身長が欲しいなぁ。

イリュージョンは魔法ではなく、手品。種も仕掛けもあります。でも魔法みたい!と、騙されている時、華やいだ気分になりますよね?それは夢を見ているからじゃないかなぁ。アメリカの動員数はどうだったのか、知りませんが、良かったのなら、きっと次も作られるはず。また夢を見せて欲しいな。ご覧になる時、前作の鑑賞は必須の作品です。


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