ケイケイの映画日記
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2007年09月29日(土) 「プラネット・テラー in  グラインドハウス」




今週木曜日に観てきました!↑のローズ・マッゴーワン嬢の雄姿を観た日から、ず〜〜〜〜と!心待ちにしていた作品なのだな(現在うちのパソコンの壁紙)。だって義足がマシンガンだよ?こんなビジュアルは、だいたい男性と相場は決まってたもんですが、これを美女にさせるとは、なんと素敵な。
なので、もう一丁おまけ↓




しかし観るのに苦労しました。なんばTOHOで上映と聞き、それならレディースデーでも楽勝だなと思っていましたが、何と1時代から3時代までが上映してない。平日は門限が夕方5時前後という小学生並のワタクシ(本業は飯炊き女)、仕方なくネットで安いチケットを落札して休みに行くか、梅田のナビオTOHOに行くしかないなぁと思っておったのですね。

しかしここで問題が勃発。最近84歳の姑さんの体調が不調に。まぁ今すぐどうのこうのではないのですが、私も結婚して25年、実母も早く亡くなり、私や息子たちが母やおばあちゃんと呼べるのは、姑さんだけなのですね。なのでこう言う時はきちんとお世話したいわけ。だから今は隙あらば観るという状態なのです。オークションは落札まで時間がかかるので、チケットはチケット屋で1500円でゲット、勇んでなんばTOHOの初回に間に合うべく、朝10時に劇場のカウンターに出向いたところ、「『プラネット・テラー』は、木曜日だけ初回はやっておりません」。はぁ?はい?そんなことどこに書いてあったん?これ以外、ここで観たい映画なんかないのだ。

渋々買い物でもして帰ろうかと思ったんですが、でも一枚1500円のチケットって、これどうするべ?一本単価800円ちょいの私からしたら、これはもうプラチナチケットでしょう?う〜ん・・・。はたと文明の利器・携帯でナビオでの上映時間を検索するのを思いついた私。そしたら11時半からだって!あぁ〜ん、三年ぶりに機種変して良かった!ナビオのカウンターで「プラネット・テラー」と言ったら、「はい、11時半からの上映でよろしいですね?」のお姉さんの声を聞いた瞬間、どわわわわわんと、一気に力が抜けました。しかし同時に、これでしょうもなかったらどうしよう?という不安も胸に渦巻きまくり。でも上映開始直後から、その不安はどこかに飛んでいってしまいました。しかしこんないい嫁の私が(自分で言うか?)、こんなおバカ映画を観るために血眼になっているなんて姑さんが知ったら、私の株が下がるかしらん?

テキサスの田舎町。得体の知れないものに次々感染していく街の人々は、みんなゾンビになって行きます。まだ感染していない、ゴーゴーダンサーのチェリー(ローズ・マッゴーワン)、元彼でいわくありげなレイ(フレディ・ロドリゲス)、保安官(マイケル・ビーン)とその兄のJT(ジェフ・フェイヒー)、医師のダコタ(マーリー・シェルトン)やその他の人々は、無事に街を脱出出来るのでしょうか?

のっけから科学者と軍人ブルース・ウィリスの攻防で、怪しさ満開。その後まだ足が両方あった時の、チェリーの素敵なゴーゴーダンスを楽しんで、ゾンビが出てくるまで、ひとしきり登場人物たちをサクサク紹介してくれて、テンポがいいです。ここまでのユーモアやお下劣さは、軽いジャブを出したくらいです。

ゾンビ登場からはフル回転で、内蔵ドバドバ、能天破裂、銃撃戦で血まみれなど、スクリーンはぐっちょぐっちょ。その間にブラウンへアのチェリー&ブロンドのダコタの正統派美女から、ラテンの陽気な美女のお色気もふんだんに出てくるしで、一見ハチャメチャに見えて、この手のお話のセオリーはきちんと踏んでいるところなど、監督のロバート・ロドリゲスは、かなり手堅く、観客がこの手の作品に期待するものを披露してくれます。

私はロドリゲスがハリウッドで認められた「エル・マリアッチ」も観ています。彼の作品は全てにおいて、バイオレンスが炸裂する中のユーモアの間合いや、緊張走る場面の妙な脱力感に独特の個性があり、何と言うか、日本のラテン・大阪人の私には、非常にチャーミングに感じるのですね。これはラテン繋がりか?ファミリー向けの「スパイ・キッズ」シリーズもヒットさせているし、結構器用な人でもあると思います。

出演者は女性陣の奮闘が光ります。マッゴーワンは、劇中タランティーノに「エヴァ・ガードナーに似ている」と言われますが(ちょっと藤あや子にも似ている)、このクラシックな美貌が意外と片足マシンガンにはまるのだなぁ。ゴーゴーーシーン、ひょこひょこ義足(マシンガンの前はただの木の棒)で頑張って歩いたり、レイプしようとする奴をぶっ飛ばしたり、可憐で切ない女心の涙を流したり、ムーディなエッチシーンも見せた後での片足のヒロインのマシンガンぶりは、最高にクールでした。私は一生この人を贔屓にしたいと思います。

ちょっとへザー・グラハムに似たマーリー・シェルトンもなかなか健闘していました。(↓)アイメイクが崩れて、目の周りも真黒にしながらも、キュートでお色気のあるところが、最大限に生かされていたと思います。手首の骨折した時の演技が楽しく、コメディも向いているかも。



男性陣もみんな良かったですけどね、私はこの作品の前にフェイクの予告編「マチェーテ」の主演の、ロドリゲスの従兄・ダニー・トレホが一番カッコ良かったです。久し振りに観るマイケル・ビーンは、年齢からするとちょっと老けてたかなぁ。ブルース・グリーンウッドと同年代だと思うのですが、私の中では割とこの二人は被るのです。現在はグリーンウッドに先を越されていますが、こういうB級作品で活路を見出せば、案外もっと年齢が行ってから再評価されるような気がしました。

すごーくすごーくすごーく楽しかったし上出来だけど、期待値以上かと言えばそうでもないかな?満足感は充分あったけど、とてつもなく面白かった、観たこともない映画だった、というのではありません。おめーなんか、早く死んじまえ!という人間はちゃんと死に、この人は死んだらホロっとくるぞ、と思う人はその通りに。エロ・グロ・バイオレンス・ユーモアに、わかりやすい軽いドラマも取りこんでおり、その辺も「グラインハウス」のコンセプトなんでしょうね。ガハガハすごく喜んで観ましたが、一番印象に残ったのは、肩の力を抜いて作った、ロドリゲスの監督としての技量でした。


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