ケイケイの映画日記
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2006年07月09日(日) 「M:i:III」


面白かった面白かった!今日朝イチの回を夫と観て来ました。今回評判上々で劇場も満員。一作目はまぁそれなりには面白いけど、「スパイ大作戦」のリメイクと言うのにフェルプス君が悪役たぁ、どーゆーつもり?!との疑問が残り、二作目はアクションも筋もイマイチ、敵はダクレー・スコット、相手役もサンディ・ニュートンじゃ華に欠けて、トムだけ目立たせるための配役かと感じてしまって、これはダメでした。なのでそんなに期待するシリーズじゃないのですが、あのラロ・シフリンの音楽を聞くと、やっぱり観たくなるテレビっ子だった私。三作目にしてセンター前に抜けるヒットという感じです。

現役のIMFのスパイは引退して、今は教官としてスパイを育てているイーサン・ハント(トム・クルーズ)。間もなく看護士ジュリア(ミッシェル・モナハン)との結婚を控え、平穏に暮らしていました。婚約披露パーティーの最中、イーサンの教え子リンジーが、国際的な闇のブローカー・ディヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に捕らわれてしまったという情報がもたらされ、再び彼はエージェントとしてかつての仲間ルーサー(ヴィング・レイムス)、ゼーン(マギー・Q)、デクラン(ジョナサン・リス・マイヤーズ)と共に、リンジーを救出に向かいます。

のっけからラストにつながるプロットが映り、あのテーマ曲が流れてタイトルが出てから、全編これ見せ場と盛り上がりの連続です。リンジー救出作戦から始まり、銃撃戦、爆破シーン、カーチェイス、変装、侵入などなど、ハイテク機能も満載に使って、これでもかこれでもかの大サービス。見応え充分お金も充分てな感じで、アクションはすごく楽しませてくれます。完全なトムの俺様映画だった「2」と違い、今回はスムーズなチームプレイの様子も見せ場になっており、その点は一番テレビ版に近い感じがしました。それにトムってすんごい足が速いんですよー、短いのに(←余計なお世話)。陸上選手かと思うくらいのカッコ良さで、銃捌きや回し蹴りより感心しました。

瞬きも出来ないくらいアドレナリン上がりっぱなしの場面の連続で、元は充分取れるので不問にしてもいいのですが、ちょっとストーリーが弱いかな?この手の娯楽アクション大作に、愛だの友情だのは、私はちょっと場違いな気がしました。普通の暮らしが出来ないスパイの悲哀を、盛り込むようなタイプの作品ではないと思います。ましてや命懸けで任務を遂行しているプロ集団が、友情で動くというのもどうかと。人間臭いというよりちょっと白けます。って、私が人でなしなのか?

オスカー俳優ホフマンは憎々しげで良かったのですが、もうちょっと見せ場があっても良かったかも。もっとひねりのある役柄かと思ったら、ストレート過ぎて普通の敵役。役柄に大物感も薄くて拍子抜けでした。なんかもったいないのぉー。二転三転する展開も、辻褄は合うのでまぁ悪くはないんですが、こっちは不必要に捻くるから、う〜ん、そう来たか!という面白みが半減しちゃった感じです。

トムはもちろんいつものトムで全力投球。婚約者役のモナハンは、実生活での妻ケイティ・ホームズと面影の似ているのがご愛嬌、平凡ながら若くて可愛い子で、イーサンの本当の仕事は知らない設定に合っていました。チームの他の三人はそれぞれ良い味を出していて好印象。レイムスは年季の入った安定感と誠実な存在感が好ましかったです。こういうキャラは、最近の作品は全て年配の黒人俳優ですね。マギーはとってもスクリーン映えする美貌で、アクションシーンのキレもエレガントな潜入シーンもピタッと決まっていました。個人的にすごく気に入りました。マイヤーズの出演は過去作品から不思議だったのですが、彼も少ない見せ場をきちんと仕事し、印象深いです。

ということで、娯楽アクション大作としては、充分満足出来る作品かと思います。

私は娯楽映画の都ハリウッドで君臨し続ける、トム・クルーズという俳優をとても認めています。私に認めてもらっても嬉しかないでしょうが。宣伝のための今回の来日での出血大サービスも、俳優としての自分の立場をすごくわかっていると感じ、好感を持ちました。奥さんだって最初は年上の美人妻(ミミ・ロジャース)、次は同年輩のゴージャス妻(ニコマン)、そして三度目は「子供の頃トム・クルーズのお嫁さんになるのが夢だった」一回り年下の若い妻っていうのは、これ男の人の理想なんですよね?そういう俗人ぶりも、大スターの気さくな一面に私は思えます。子供が生まれてからのはしゃぎっぷりに非難が集まっているみたいですけど、いいじゃないですか、40回って実子に恵まれれば嬉しいのは当たり前。最近ずっと超のつくアクションまたは娯楽大作に出ているトムですが、昔々の「ハスラー2」や「レインマン」のような作品も観たいな。皺が魅力的に映るようになったトムに向く、ストーリー性の高い作品にも是非出てもらいたいです。


ついでに超ネタバレ*********











ローレンス・フィッシュバーンって、モーフィアスやってから立ち位置がアップしのねー。トム君主演の娯楽大作といえど、しょうもない悪役はもうやらへんのね。これから彼をキャストすると、こういう展開はネタバレになるかも。


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