ケイケイの映画日記
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2006年02月02日(木) 「フライトプラン」


昨日映画の日に観てきました。レディースデーと映画の日が重なると、一日分損した気になるシブチンの私、せっかく出向いて追い返されてはならじと、前日にラインシネマで2時半の回を予約しました。しかし昨日は大阪は雨、一旦勤め先から家に戻りまた出直したため、濡れ鼠になってしまいました(自転車なので)。トンデモ映画の誉れ高い本作、いくら千円の日でも平日やで、きっとガラガラやと思いきや、なんと超満員。後で知ったのですが、今一番観客動員数を稼いでいる作品だそう。しかし前評判もイマイチ、そのトンデモさを是非この目で確かめたい一心で観たこの作品、まぁまぁ面白かったのだな、これが。良いまで行きませんが、観ている間はそれなりでした。公開すぐなので、ネタバレせずに頑張ります!

航空機設計士カイル(ジョディ・フォスター)は、夫の突然の事故死のため、6歳の娘ジュリアを伴い、夫の遺体も共に乗せた飛行機で帰途するはずでした。フライト中カイルが目を覚ますとジュリアがいません。半狂乱になり娘を探すようクルーに頼み込むカイル。しかし調べたところ、誰もジュリアを見た者はなく、ジュリアの搭乗記録もなく、あろうことか夫と共に亡くなっているというのです。可哀相な狂人扱いされるカイルでしたが、ジュリアは生きていると信じる彼女がとった行動は・・・。

結末は決して話してはいけません系サスペンス。しかしこの手の題材は映画的には魅力があるので、古今東西腐るほどあり、最近滅多に秀作にはお目にかかれません。この作品もダメとの噂に一瞬「ハイド・アンド・シーク」のデ・ニーロが浮かび、ジョディもシングルマザーやからお金稼がんとなぁ、と思いつつスクリーンを観ると、なんとそこにはデ・ニーロではなく「ハイド〜」のエイミー・アービング張りに老けたジョディが!ショック!(だって私より一つ年下。ぎゃぁぁぁぁ!)。でも考えてみれば旦那が突然の事故死とあらば、いっぺんに10歳老けたって当たり前というもの。亡くなった夫の幻影を見る姿は、フライト中の展開をかく乱する要素かなと納得。

血眼で娘を探す姿は、母は強しより他人の迷惑を顧みない困った人に感じます。日本に住む感覚では、一言カイルから乗客やクルーに「ご迷惑をかけてすみません。」のアナウンスがあってしかり。娘娘と血眼になる気持ちは充分わかりますが、共感は出来ず。しかしクルーに居丈高、乗客無視のカイルの性格の悪さが、お話を「ジュリアは本当にいるの?死んだの?」と疑心暗鬼にさせてお話を引っ張るんですから、これは良い演出だったと思います。

しかし!まぁ俗にいうどんでん返しが「やっぱりそうか・・・」と言う感じです。それもトリックは後でこじつけ、雰囲気でだいたいわかるという2時間ドラマの法則です。事の次第が明らかになるにつれ、何でここまで面倒なことを、どこが綿密な計算やねん、おい!と破綻しまくるプロットのあれこれを思い出す私を尻目に、画面は飛行機内大アクション劇に突入。これも後から考えれば???なシーンもありますが、スピード感があったのが良かった。私はツッコミ忘れてないぞ、でも取り合えずコレ観てからね、と感じるくらいには面白かったです。

でも搭乗口でフライトアテンダントが、抱っこされている乗客を観たかどうか不確かなんて、いくらなんでもアホ過ぎ。アメリカで客室乗務員の扱いにクレームが来ているそうですが、そりゃそうですわな。機長役のショーン・ビーンも乗客の安全を守って定年まで頑張りたい、温厚なだけがとりえの機長を、貫禄のない児玉清の雰囲気で精彩なく演じていました。でもこれは精彩のない人の役ですからね、この機長さんもしっかりせんか!という人だったので、これは役作りなのね。まぁショーンったらやっぱり演技派(好きなので不問)。

私が好きな飛行機パニックモノに「乱気流・タービュランス」があります。この作品でお化粧をぐちょぐちょにして、飛行機の操縦を頑張ったローレン・ホリーに対する親近感や爽やかさは、この作品のジョディからは感じられません。母でも慈愛に満ちた母ではなく、自分の子しかわからない猛母に見えるのがちょっと痛いかも。強さを求めすぎですね。夫や子供がいなくなった哀しさを、狂人もどきにだけ描いている点もいただけません。孤独や喪失感を端々に滲ませる演出に深みがあれば、グッと物語にコクが出て、どんでん返しの破綻を繕ってくれたかも。ジョディはラストはピチッと皺が伸びていました。さすがオスカーを二度取った人、皺も自由自在なのか?(違います)。


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