ケイケイの映画日記
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2005年11月03日(木) 「ソウ SAW2」

昨年大評判だった「ソウ SAW」を観たとき、巷でいうほど大傑作ではないと感じたけれど、このカテゴリーにしたらそこそこ楽しめたので、今回も観る気に。上映も前回と同じナビオTOHOです。「1」の方は確か100人前後のスクリーンだったはずでが、今回は一番大きな第一スクリーンで700席あまりのところ。監督と脚本のジェームズ・ワンとリー・ワネルも出世したねぇと思いきや、今回は製作総指揮に二人は回り、監督はこれが初めてでしょうか、ダーリン・リン・バウズマンです。

巷を震撼させたシリアル・キラー、ジグソウ(トビン・ベル)がまた猟奇的殺人事件を起こします。これはマシュー刑事(ドニー・ウォルバーグ)をおびき出すためのもので、今は捜査からはずれた仕事をしている彼は、以前から引き続きジグソウを追うケリー刑事(ディナ・メイヤー)から、捜査の協力を依頼されます。ジグソウと対峙したマシューは、ビデオカメラに写るある屋敷に捕らわれた殺人ゲームのいけにえの中に、別れた妻と共に去った自分の息子ダニエルを見つけます。ジグソウはいくつかの謎を与え、それを実行した者が命を救われると言います。

前回は2人だけだったのに対し、今回ゲームの標的になる人数は8人。密室だったのは屋敷全部になり、一層「CUBE」が思い起こされます。が、善良な市民が集められた「CUBE」に比べ、こちらは最初から訳有り風の面々です。ジグソウのテープ録音での、「集められた者たちの共通項」と、「頭脳の後ろに鍵がある」のヒントも、「共通項」は何回も数人が刑務所に入った話が出ては先に進みませんが、一人ダニエルだけムショ帰りでないのを知っている観客には、ピーンと来ます。そして「頭脳の後ろ」は普通考えたらわかるやろ?と、別の意味でイライラ。最初不用意な行動で死人が出ているのに、また不用意な行動に出た一人が死にますが、その時もあんだけ人数がいるのに、助け方が最後までわからんかったんか?と、これまたイライラ。

ゲームに参加させられている人々が繰り広げる露悪的な展開も、行き詰る心理戦というには知性が足りません。罠のはめ方も予想出来る範囲で、前作のようなやっと搾り出した答えの壮絶さというのには及ばす、やっぱ犯人が今回は割れているし、続編作るというのは無理だったのよ。予約したから電車に乗っている以外、走って劇場まで来たのに無駄足だったかのぉと思いつつ観ていましたが、捕らわれ人たちの「共通項」のある秘密が付録されているのが明かされると、一気に畳み掛ける展開になってきます。

さぁここからは文句なし。今回は文句の出るオチではございませんでした。なるほどなぁ。これは目を凝らして観て、頭をひねって考えてみてもある程度可能。生き残った人にも納得。それでこそ犯行動機の初志貫徹というものです。それまでアホやこいつら、と思って観ていたのがすっかり騙され、全然読めてませでした。アホなのは私だったのだな。展開の面白さは前作ですが、ラストが納得出来るのはこっちでした。ジグソウの大きなお世話的犯行理由も前回ミソをつけましたが、今回のオチは心情的にも理解出来ます。あんまり書くとネタバレになるので、この辺で。絶対前作を観ていた方が面白いです。


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