ケイケイの映画日記
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2005年09月01日(木) 「奥様は魔女」

ワォ〜、素敵素敵!元作のドラマが大好きだった私、ニコール主演で映画化決定を聞いた時から、首を長くして待っていました!内容は部分的なリメイクで完全リメイクじゃないけど、現代的な味付けはあまり感じず、ドラマへのオマージュたっぷり。懐かしくもラブリー(気恥ずかしい単語だが、これがぴったんこ)な作品に仕上がっていました。画像はドラマのサマンサとダーリン。このダーリンは初代の私の好きだったディック・ヨーク。サムは日本のビスケットのCMにも出た、ご存知エリザベス・モンゴメリーです。このドラマは、大きな庭のある天井の高い家、見た事もない大きな冷蔵庫、夫婦で招き招かれるホーム・パーティなど、アメリカってすごいんだなぁーと子供心に印象深く、そして毎回の魔法の見せ方、シチュエーションがとても面白く、笑いもシモネタや人を嘲るなどはなく、毒はないけど暖かい笑いがいっぱいでした。そして毎回見せるダーリンとサムのキスシーンは、セクシーさはないけど夫婦の愛を感じるものでした。私がアメリカ文化に憧れ、洋画が好きになった原点のドラマかも知れません。

落ち目の俳優ジャック(ウィル・フェレル)に、60年代大人気だった「奥様は魔女」のリメイクで、ダーリンの役が舞い込みます。筋立てから、観る人の目がサマンサ役の女優にいくのを恐れた姑息なジャックは、無名の新人女優を探します。白羽の矢が立ったのが、お鼻ピクピクも上手に決まるイザベル(ニコール・キッドマン)。しかしイザベルは、魔法の世界にいやけがさし、人間の世界に来た本当の魔女だったのです。

他愛もないストーリーですが、これが本当にキュートです。ニコールはちょっとぶりっ子風演技ながらとても可愛く、大女優の風格を隠し、楽しくライトに演じてくれて、サマンサ=モンゴメリーのイメージが強い私にも違和感がありません。イザベルは新妻のサマンサのようなほんのりしたお色気はありませんが、独身なのでこれは当然。ニコールのファッションは全部が私のツボで、工夫次第では流行にも乗り遅れない、幅広い年齢層や体型に似合いそうなパステルカラーのフェミニンな衣装がいっぱい。いい年をして、いつまでも可愛い服に目がいく私は、大いに勉強になりました。

最初フェレルの顔を見た時、進化の遅い類人猿系の顔ながら、ロン・パールマンほど味がなく、大丈夫かいなと危惧しましたが、元々はイヤな奴という設定なので、これもOK。ちょっとオーバーアクト気味でしたが、コメディですから、あんなもんです。イザベルとの愛が育まれるにつれ、いい人そうに見えてくるのもご愛嬌でした。

御大マイケル・ケインがイザベルの父役。この人は今もう一度ピークが来ているのかと思うほど、何を演じても絶好調。白人版モーガン・フリーマンみたいです。ダンディな魔法使いですが、セットの絵から出てきたり、グリーンジャイアントの緑のお兄さんになって登場などとても楽しく、監督・脚本のノーラ・エフロン、製作のペニー・マーシャルの、ハリウッドで女性として多分作る側で一番成功した二人の女性は、敬意を込めてユーモアをまぶしてケインにも見せ場を作っているのが好感が持てます。

もう一人の大御所は、ドラマでサムの母親を演じる大女優アイリス役のシャーリー・マクレーン。これがエンドラを演じていた、アグネス・ムーアヘッドにそっくり!もう嬉しくて嬉しくて。存在感たっぷりながら、押しの強さを感じさせない演技で、使いにくいはずのかつての大スターながら、そこそこ新作にも顔を見せる彼女の秘訣が見えた気がしました。

本当に深みもひねりも何にもありゃしない作品ですが、観ている間、私はすごーく楽しかった!お菓子に例えると、甘くて優しい上品なマシュマロといったところですか。難を言えば、この手の作品はもう少し時間が短い方が印象が上がります。15分ほど短くても良かったかと思います。クララおばさま、アーサーおじさん、それにグラディスさんまで登場とは、嬉しい限りでした。これ続編を作る気がするなぁ。アメリカでヒットしたのか気になるところ。こんな楽しいリメイクなら、「可愛い魔女ジニー」も、是非映画でリメイクして欲しいです。主演はリンジー・ローハンで。


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