ケイケイの映画日記
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2004年09月06日(月) 「LOVERS」

ただいま全米NO.1を維持している「HERO」に続く、チャン・イーモウ監督の武侠アクション第2段には、大きいスクリーンが似つかわしかろうと、難波の老舗映画館・角座を選び、昨日夫と観てきました。

イーモウが主演女優のチャン・ツィイーに惚れ込んで、彼女の魅力を余すところなく描いた作品です。ツィイーの作品は、「初恋の来た道」「グリーン・ディスティニー」「HERO」と観ています。主演の「初恋〜」はともかく、「グリーン〜」はミッシェル・ヨー、「HERO」はマギー・チャンと、二人の魅力的なベテラン女優の方へ私の目は行き、ツィイーちゃん頑張ってるなぁ程度の魅力しか感じられませんでした。

しかし本作では彼女の魅力が炸裂。ダンサーとしても一流であるそうで、冒頭の遊郭での踊りのシーンの美しさは圧巻。その他の場面でもCG処理はわかりますが、柔らかな体を生かしたアクション場面もキレがあり、ヌードこそありませんが、美しいデコルテを何度も見せてくれます。演技の方も、揺れる女心を繊細に表現し、涙を浮かべながらニッコリ笑うその健気で可憐な姿に私もジ〜ン。殿方ならば心を鷲づかみにされて当然の魅力です。

衣装部門でオスカー受賞経験者のワダエミの衣装は、絢爛豪華なセットに負けない美しさです。ワイヤーを多用したアクションも、今回は竹や盾の使い方が良く、流麗さを感じさせる殺陣で気に入りました。
金城武は大根と不評ですが、美男美女の道行きはやはりロマンチックで、星の王子様的魅力のある彼は、適役だったのではないかと思います。今回は役に恵まれなかったせいか、アンディ・ラウはもう一つでした。

しかし肝心のストーリーが・・・。ちょっとお粗末。どんでん返しや裏切りの繰り返しも、ちょっと展開に無理がある気がします。朝廷と反乱軍・飛刀門の確執の内容も説明はなし。飛刀門の頭目の扱いも、あんな出し方ならいっそ出さなければ良かったかも。壮大に演出した割には、結局三角関係しか印象に残りません。原題は「十面埋伏」。あらゆる場所で待ち伏せると言う意味らしいです。不評な邦題ですが「LOVERS」とは、私は上手くつけたなと思います。

チャン・ツィイーファンなら必見、金城武ファンも文句はないと思います。
特別彼らのファンではない私ですが、様式美や美男美女など目の保養には充分なったので、まぁ合格です。武侠映画を期待した夫は×だそうです。


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