♀つきなみ♀日記
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2005年01月29日(土) 漢字の読めない小学生より、財団法人を理解していない新聞社の方が問題なんじゃない?

新聞で取り上げられ、ネットでもちょっぴり話題の、文部科学省所管の財団法人、総合初等教育研究所が、発表した小学生の漢字の読み書き習得状況調査について一言。

そもそも、財団法人とは何かといえば、
このファイルの2月10日付けに書いているんだけど、「所管」って、認可を受けているだけで、別に文部科学省がギャランティーしている団体じゃないんだよね。

わざわざ「文部科学省所管」と全部の新聞が書いたことが、読む人に対して、トリックによる権威付けをしてしまっている。つうか、判ってないんだよね、財団法人ってものが文化部の記者さん。

では今回の「総合初等教育研究所」ってのは何かって言うと、まず本部は岐阜なんだよね。

なんでそんな処に本部があるのかって言うと、別に中京地区の有志企業が初等教育の行く末を憂いて、設立したわけじゃなくって、副読本(よみは、ふくとくほん。じゃなくてふく”ど’くほん(笑)日本一の、文溪堂が設立していた、ぶんけい初等教育研究所(現在は文溪堂東京支店に付属)から分かれて、名古屋証券取引所2部上場企業である、文溪堂本社のある、岐阜市に設立された財団法人なんだよね。

ここから出版されているのは、俗にいう副教材が殆どで、すごくざっぱに言えば、検定や採用で様々な規制が多い教科書ではなく、選定が学校単位で自由に可能な、教育の補助的な出版物及び、先生達の自己啓発本や教科研究本やソフトが殆どなんだよね。

検索してもらえれば判るけど、ここが出版する本の監修や研究資料をまとめているのが「総合初等教育研究所」であって、著作者・監修者の殆どは、文部科学省に関連のある人物で、はっきり言えば、天下り先の一つになっている財団だ。

もう一つの性格は、過去、教員の自主研修の殆どは、ご存知日教組が行っていたんだけど、組織率が低下してきて、非組織教員の研修を受託するようになってきているのも、この財団なんだよね。

調査自体が、どうのこうのは、もう一度検証したいと思うんだけど、例に挙げてあった、長谷川先生もひっかかっていらっしゃった「読本(よみほん/とくほん)は、辞書で引けば確かに「とくほん」と書いてあるんだけど、この場合の「読本」は、(大辞林 )

1 太平洋戦争前まで小学校で国語の授業に使用した教科書。また一般に、教科書のこと。

2 読みやすいようにやさしく書かれた入門書や解説書。「文章―」

であって、単独の場合は「とくほん」と発音するのが正しいんだけど、前の言葉と結びつく場合は当たり前だけど「”ど”くほん」と濁る。人生読本は「じんせいどくほん」なんだよね。向田邦子さんと森繁久弥さんコンビの名番組、重役読本は「じゅうやくどくほん」だ。

この流れで行けば、間違いとして例示してあった「とくほんで勉強する」って、戦前の教科書で勉強した設定じゃないと、設問自体に無理があるじゃん、まったく。

これ以外にも、語句と漢字と読みは、教科書段階でも定説でないものは多くあって、国語審議会でも語源がはっきっりしないものは、試験などでは正答の範囲を広げる方向にあるのに、何言ってんだ、この研究所は。

何より、今回の報道の仕方は、普段、天下り批判とかやっている新聞社が、財団法人の構造自体が判っていないことを露呈している。少しは、背景くらい考えて書きなさいよ、ほんとに。記事段階で、権威付けしてどうするんだよ。

ふぅ。

久しぶりに、怒髪天って感じなんだけど、今日は一切読み返してないので、誤変換、語句の御用があればご容赦、とリスクヘッジ<=こらこら!

ってことでまたね!


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