♀つきなみ♀日記
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2001年05月15日(火) Gパンの外側の縫い代の処理なんぞ。

って事で、かの高名なる高樹せんせが疑問をお持ちの、Gパンの外側の縫い代の処理なんぞについて、ちょっとだけよん、うふ〜〜〜ん<=こらこら!

Gパンの歴史や縫製の推移については、ウザイマニア、もとい、研究熱心な愛好家様のHPが数々あるので、そっちで見ていただくことにして、現在の縫製に絞ってみるね。

現在のデニム縫製は、裁断されたパーツを身頃毎に縫製してゆき、最後に天狗(ジッパーの取り付け部分)を縫って、一本のGパンになる工程が一般的だ。主力の大工場はハンガーシステム(工程間をハンガーで移動する)であることが多くて、それ以外もラインで流れて行く。

スエーキ(ポケット地)やポケット付けやリベットの工程ははしょるけど、Gパンの裁断パーツはポケット類を除くと、左前、右前、左後、右後、そしてベルト(帯)で、これをまず、内側を縫い合わせる。これは一般の製品では巻き縫いなので、縫い代は出ないんだよね。で高樹せんせが疑問をお持ちの、外側を縫う訳だけど、ここに色んな要素がある。

元々のジーンズはカウボーイや作業員の服だから、ここがゴワゴワしているとマラズレ、もとい股ずれするので、割縫いを行っていた。外側は特に引っ張る力が掛かるので、その強度を保つ為に、ほつれ難い反物の耳を使用していて、これがセルビッチとして何年か前のビンテージブームで持て囃された仕様だ。

ところが、現在のデニムはW幅なので、耳付きで型入れ(裁断の為に型紙を並べる工程)をすると、非常に効率が悪くなるので、普通のGパンは縫製後にまとめてロックミシンをかけるのが普通になってる。この縫製仕様が高樹せんせを悩ませているんだよね。

強度の面とポケット地をラインで縫うのに便利なように、このオーバーロックされた縫い代は、ベルトに挟む時には後ろ向きになる。ところが、脇を縫うミシン糸の引っ張り強度は前身側を強くしておかないと、シルエットが崩れるので、ポケット下までは後ろ側に倒れている縫い代が前に傾いちゃうんだよね。そんでそのひっくり返る場所が擦れるってことだよね。

耳付きデニムを使った割縫いは、型入れの難しさだけじゃなくてライン自体を変えないといけないし、プレスの時にも工程が増えてコストアップになるんだよね。オーバーロックで割縫いは出来ないわけじゃないけど、14OZクラスの打ち込みの甘いデニムだと抜けちゃう可能性も強いので、あまり仕様としては使われない。

今どこでも買えるGパンで完全割縫いのセルビッチ使いは、EDWIN505があるんで、これなら、途中でひっくり返る事はないけど、シルエットはちょっと高樹せんせのような、アダルトで上品な方向きではないかも知れないっすね。ブラピさんも似合っていないし<=おい!

って事でまたね!

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ジーンズ関連について触れた日記はこちらにもありまっせ


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