彩々

2004年02月06日(金) …and then?

ひらひらと小雪が舞う。
寒寒した枝のあいだから空を仰ぐと、
幾重にも重なるグレーのグラデーション。
場所は違えど、毎冬、
数えられないほど繰り返しているこの仕草が、
いろんな記憶を呼び戻す。

前の彼女が好きだったあの曲を、
わざわざ感傷的にカーオーディオで鳴らすのは、
過去の時間そのものを懐かしんでいるんじゃない。
願わくばあのころの幸せの感触を、
あなたとの時間の中で、築き上げたいからだ。
充足感や、胸の中がじわりとあたたかい感じを。

とても疲れてるみたいだね。
仕事のミスが追い打ちをかけてるの?
私には何もできない。
針ネズミになってる今の二人の状態で、
あなたに頼られることで自分の存在を確かめたくない。
一見やさしげだけれど、
子離れできない神経質な母親のように。

痛いほどわかってる。
今のふたりには、
物理的にも、精神的にも、
自分がコントロールできる距離が必要だと。

でも、
会いたくて、気が狂っちゃいそうなんだよ。


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喬(きょう) [MAIL]

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