彩々

2003年06月21日(土) 過去には勝てない

またもや休日出勤の土曜日。
朝、
昨日飲みすぎてうすらぼんやりした頭を抱え、
すっきりと晴れた空を見上げた。

メールの行き違いは今日にも持ち越され、
彼女が淡々と振り返る前の彼氏とのエピソードに、
いちいち勝手に胸を痛めて。
彼は。
彼女を見る、照れた笑顔が印象的なナイスガイだった。
南国特有の濃い顔立ちに、鍛えられた体。
彼女もはにかんで、笑顔で寄り添ってた。
私の目から見ても、誰より幸せな二人。
鮮明に思い出せるシーンの数々は、
今でも、圧倒的な存在感で迫る。
卑屈な自分は大嫌いだけれど、
彼女と一緒にいるようになってどんどん自分に嫌気が差す。

今までの誰に対しても抱かなかった強い感情が、
彼女に対しては次々に沸いてきて、不安を加速させる。
距離感覚はゼロだし、コントロールも利かない。
暴発して彼女を呆れさせるし、時には傷つけても。

今の私は、数え切れない出会いの末の産物だし、
前の彼女との時間が確実に私を変えたのも事実。
でも、
ここまで自分を別人のように変えたのは、彼女なのに。
彼女は、
私の幸せそうな顔を見たことないと云う。
知らない誰かには、幸せそうに甘えてたんでしょう?と。

「ねえ、どうしたらいい?
 不器用なりに素直に甘えてるのに。
 あなたが知らないなら、幸せな顔なんて、他の誰も知らないよ」

喉の奥にしまわれ、
言葉は外に放たれないまま、くすぶり続けてる。


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喬(きょう) [MAIL]

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