彩々

2003年04月23日(水) 彼女の言い分

ぱちんと、何かが音を立てて弾けた気がした。
君からのメールに、ふざけるなと声が出そうになった。
表情が冷たさを増す一方で、体温が上がっていく。
キーボードを叩く手に力が入り、
隣の先輩が不審げにちらちら視線を送る。

なんでわかってくれないの。
世界中の恋人同士が交わすありふれたフレーズ。
憤りが、いつものように自責に変わる前に、メールを書ききる。
いつからメールで怒りをぶつけるようになったのか。
それは仕事や距離だけのせいじゃないはずだ。
勿論、返信はない。
予想していた諦めが、つめたくつめたく胸の内に広がっていく。

ひとりでぼんやりと彼女の言い分を考え出せば、自己嫌悪を生むだけ。
何にも考えたくないから、
シングルモルト1杯と自分に言い聞かせて、職場を後にする。



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喬(きょう) [MAIL]

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