タモリの見る夢

増刊号 / 昨日のゲストからのご紹介


2008年08月25日(月)



ポケモンゲットだぜ!


「アンタ、ポケモンゲットシテキナサイヨ」

 先日、姉からの電話でこんなコトをいわれたのでございます。
 アフリカの言語でも習い始めたのかと、ウンバボウンバボとボクはもう一度姉に問い直すと、

「だから、ポケモンをゲットしてきなさいって言ってるの」

 と日本語で冷静に言われたのでございます。

 JR東日本では毎年夏休みになると、「ポケモンスタンプラリー」という催しを行なっておりまして、山手線や中央線などの各駅にポケモンのスタンプが設置されているのでございます。それを一駅一駅降りては押し、降りては押し、というそれはそれはとても時間と努力と忍耐の催しなのでございます。


 姉曰く、分かりやすく説明すると、

 甥が最近ポケモンにはまっている→スタンプが欲しい→休みを取って上京してくる日にちでは開催期間に間に合わない→シャンコバ、ポケモンゲットだぜ! 

 という流れだそうです。最後の流れがまったく流れていないのですが、しかも分かりにくいというか「シャンコバ、ポケモンゲットだぜ!」が全くもって理解不能なのでございます。

 そのうえボクは子供がキライなのでございまして、甥といえども例外ではございませんでして、むしろ他人の子供よりキライなのでございまして、あの小生意気な甥を見ると意味もなくインディアンデスロックで足を極め、泣かせたい衝動に駆られるのでございます。(←すでに3回ほど衝動に身を任せました)

 そんな甥のためになぜそんなコトをしなきゃならんのだと丁重にお断りしたトコロ、少し前にあった貸しを持ち出してきやがりまして、ポケモンをゲットしないと後でボクがヒドイ目に遭うハメになることが確定したのでございまして、不本意ながらシャンコバちゃんはシブシブ受けたのでございます。

 まあ明日の休みにでも適当にゲットしてやろうかと、夜勤明けで眠い目をこすりながらインターネットで調べてみると、「今日までだよ! ピカチュウ!」と黄色く丸い物体が元気に言っておりまして、その物体に軽い殺意を抱きながら寝不足のなか、シャンコバちゃんはポケモンゲットの旅にあわてて向かったのでございます。

 最寄り駅に着き、とりあえず電車に乗り込みますと、駆け込み需要なのか電車にはポケモンをゲットする親子連れが沢山おりまして、駅に降りるとスタンプ台の周りに子供の群れ。
 駅員の「みんなー、順番に並んで押してねー」という声に従い、小さいお友達に混じって大きいお友達であるシャンコバちゃんもしっかり列に並んでポケモンをゲットなのでございます。

 しかし子供がキライなボクにとってこの状況は拷問に近いのでございます。しかも一駅一駅皆同じように乗ったり降りたりするので、子供たちの中では次の駅への先着順を競うという目に見えない争いがすでに電車の中から始まっているのでございます。
 スタンプ帳にはピカチュウからのお願いとして「駅のホームや階段を走らないでね!」と書いてありますが、子供たちは完全無視なのでございます。もちろんボクはオトナでございますから、子供たちに模範となる行為をしなくてはいけませんから、扉が開くやいなや猛ダッシュでスタンプ台に1等賞ございます。子供たちの悔しそうな顔がたまりません。(←鬼畜)


 そんなこんなで6個のポケモンをゲットすると、新宿駅ではピカチュウサンバイザーとポケモンネックストラップをいただけるのでして、小さいお友達には係の女のコが「ハイ、おめでとう!」と笑顔で渡してくれるのに、大きいお友達であるシャンコバちゃんには冷たい顔で無言だったりという差別も受けたりもし、しかもそれらもらったモノをしまうカバンなど持ってきてるはずも無く、ピカチュウサンバイザーをかぶり、ポケモンネックストラップを首にかけ、またポケモンゲットの旅に向かうのでございます。



サンバイザーゲットだぜ!



 その後も「ママー、あの人オトナなのにスタンプ押してるよー」という小さいお友達の声と、「シーッ! 目を合わせちゃいけません」とそのコの手を引っ張りながら逃げる親の声にも負けずにゲットなのでございます。次々とゲットなのでございます。たかが子供向け、と侮ってはいけません。ポケモンマスターになるにはこんなにツライのか、とその日ボクはヒシと体感したのでございます。


 そんな思いをしてゲットした、努力と汗の結晶のスタンプ帳とサンバイザーとネックストラップをボクは誇らしげに甥に渡したのでございます。
 甥はパラパラとスタンプ帳をめくり、「こんだけしか押してないのかよ」という言葉を発したのでございます。

 フと我に返った時にはすでにチョークスラムからゴッチ式パイルドライバーで甥を仕留めてしまっていたボクをダレが責められましょうか。





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:お元気ですよ、ゆちこさん。書いていただいてたんですか? スミマセン。あんな事やこんな事書いたって…愛の告白なら何度でも受け付けますからどうぞ存分にお書き下さい。さあさあ。


増刊号/昨日のゲストからのご紹介 /mail シャンデリア小林

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