あなたは優しすぎるから
私がここで泣くと
きっと困った顔をするんだろうな
なんて思いながら
それでも次から次へと
湧き出る感情を抑えきれず
泣きました
音もなく
涙が頬を伝いました
私が思ったとおり
優しいあなたは困った顔して
泣かないんだよ と微笑んで
私の頬を濡らしていた涙を
くしゃくしゃのハンカチで
そっと拭って
あなたの優しさが
また私の涙を誘っているなんて
きっとあなたはわかってないのでしょう
泣かないんだよ なんて言葉じゃ
私の心の水槽にフタをすることなど
到底無理なことだというのに
困った顔のあなたも好き
そんなことに気付かされながら
優しさで底を突き破られた私の水槽は
大粒の涙を音もなく流し続けるのです
落ち着くまでそばにいてくれたあなた
優しいよね と苦笑いする私に
当たり前だよ と返したあなた
本当は
当たり前じゃない
特別な優しさが欲しかった
そう思うとまた 頬には涙
止める方法がわからないから
いつまでも いつまでも
私は涙に溺れていました
+++++
きらら☆さんからのリクエスト「泣かないんだよ」
ほのぼのしたまま終わるはずが
なぜかちょっと切ない感じで終わっちゃいました。
場所的にはちょっと人通りのある街角とか。
情景を浮かべながら読んでもらえれば最高ですね☆
最近はmixiでも公開中。←mixi直リン注意。
こんなこともしています。『ぼくのせかい』
