2008年が暮れていきます。 みなさんは、どんな年でしたか? 私の2008年は、今までの人生の中で一番、悩み苦しんだ年でした。 みなさんにも、いろいろな感想があるのだろうな、と思います。 その感想を決して否定することなく、次へいきたいですよね。 以下、お知らせです。 ・「ブレーン」宣伝会議(2月号)12月26日発売 青山デザイン会議: 「普通」の感覚が新しい 須賀厚一さんと、廣川玉枝さんと、私の、鼎談が掲載されています。 他の分野の方とお話できて、新鮮でした。 ・「男友だちを作ろう」という、企画を始めました。12月26日スタート。 男の人に会いにいって、スケッチ風にエッセイを書かせていただきます。 毎月、一回更新です。 WEBちくまでやります。 第一回目は、おそれ多くも、会田誠さんに、会いにいきました。
約束ってなんだろう。 見える約束、見えない約束。 私は約束を、まもりたい。 以下、お知らせです。 ・朝日新聞 「be−extraBOOKS」 (新聞の真ん中に挟んである、別刷りのもののようです) 11日(木)に、インタビュー記事が載ります。 素敵な記事にしてくださってました。 ・JALの機内誌「SKYWARD」に、 福岡の紀行文を書きました。 12月に飛行機へご搭乗の際、よかったら読んでみてくださいね。 ・先週一週間、私は人生に迷ってニューヨークへ行っていたのですが、 そのとき、「本、あるかな?」と、 タイムズスクエア辺りにあった紀伊國屋書店へ寄ってみました。 すると、置いてくださっていたので、挨拶したところ、 数冊ですがサイン本を、 あと、POPも書かせてもらえました。 外国に本があるなんて、嬉しいものですね。 ニューヨーク在住の方、どうぞよろしく。
・「國文學」學燈社(12月臨時増刊号) 「不幸と俳句」 尾崎放哉についてのエッセイを掲載。 (福岡のトーク&朗読会にいらっしゃってくださった方々、 どうもありがとうございました。 西加奈子さんは、やっぱり素敵な人ですね。 「長い終わり」に書いたマンドリン曲の、 作曲者の方が来てくださっていて、嬉しかったです。 みなさんに会えて、良かったです)。
「最大多数の最大幸福」というのは本当だろうか? 以下、お知らせです。 ・『29歳』日本経済新聞出版社(11月14日発売) 私と、柴崎友香さん、中上紀さん、野中柊さん、宇佐美游さん、栗田有起さん、 柳美里さん、宮木あや子さんの、 8作品が入っている、アンソロジー。 装丁は名久井直子さん。 日経ウーマンで、「AGE 29」として、リレーで連載していたものの、書籍。 その中の1編、「私の人生は56億7000万年」は、 本好き書店員が主人公。 ・あと、今月オープンした新宿西口のブックファーストに、 福永信さんのフェア台があって、 そこで配布している「ふくながしんぶん」(手書きのコピー。面白い!)に、 私が描いた福永さんの似顔絵がちょこんと載っています。
昨日、野間文芸新人賞の選考会がありました。 受賞作は、 津村記久子さんの『ミュージック・ブレス・ユー!!』です。 今回は、私の著書である『論理と感性は相反しない』も候補にあげてくださっていたので、 過程を楽しませていただこうと思い、 ここ3日間ほどで、他の候補作4冊を読みました。 全部面白かったです。 それでも、「もしも……」と考えると「『論理と感性』を作るのに携わってくださった方々が喜んでくれただろうな」 と思えて、結果を聞いたときに、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 しかし、もっと大きい目で見れば、 誰の作品でも、読者が増えたり、文学史に影響を与えたりして、 文学シーンが盛り上がるのは、 素敵なことだ。 せっかく賞の選考を行っているのだから、 たくさんの人に野間文芸新人賞を知って欲しい。 津村さんの作品、私も好きです。 以下、お知らせです。 ・『文學界』文藝春秋(12月号) 小説「手」掲載 ・『新潮』新潮社(12月号) 短編小説「邂逅」掲載 ・『文藝』河出書房新社(冬号) 柴崎友香さんの特集に、質問を書きました。 ・「ダ・ヴィンチ」メディアファクトリー(11月号) (先月号です) 穂村弘さんと豊島ミホさんと西加奈子さんと私で、歌会をしました。 ・柴崎友香さんの『フルタイムライフ』河出文庫(11月4日発売) 解説を書かせていただきました。 ・福岡の「Tremolo cafe」にて 11月22日(土) 朗読&トークイベント「説教をしてもひとり」 を開きます。西加奈子さんと私で話します。 1部 17:30開場 18:00スタート 2部 20:00開場 20:30スタート いずれも¥2000/1ドリンク
![]() 好きな漫画家だとか作家だとかで、 その人の人生が進んで、 描いたり書いたりすることをやめる人がいて、 ああ、残念だな、って思うことも昔はあったけど、 今は、 その人が発表し続けるかどうかなんてどうでもよくて、 ただ、どこかで元気に生きている、そのことだけで十分なんだと思う。 表現をすることは、立派なことではない。 なんでもかんでも、伝える必要ない。 世の中には、むしろ伝えないのが素敵、ってことの方が多いのだ。 花のように、黙って。 ときどき、「とにかく言ってみなよ」「気持ちを言葉に」「理解を求めてごらん」っていう意見も聞くけど、 理解されたって、なんにもならない。 人間って、ただ生きているだけで、素晴らしい存在なんだと思う。 だから、みんな、生きていて欲しい。 表現をすることは、決して美しいことではない。 美しいことは、誰かがどこかで元気に生きていること、その一点だ。
![]() 上海に滞在してきた。 そのあと福岡へ行った。 (最近福岡づいていて、7月に行って、9月に行って、11月も行く予定。 11月22日(土)に、西加奈子さんと一緒に、 福岡の「Tremolo cafe」というところで、 朗読&トークイベント「説教をしてもひとり」 (これは尾崎放哉の俳句「咳をしても一人」のパロディで加奈子ちゃんと考えたタイトル) を開きます。よかったら来てください)。 以下、お知らせです。 ・「小説トリッパー」朝日新聞出版(秋号) エッセイ「素晴らしい白黒の世界」掲載。 『日出処の天子』について書きました。 ・実践女子大学 源氏物語千年紀記念の講演会で喋ります。 場所 実践女子大学 香雪記念館大教室 日時 10月4日(土) 午後3時30分〜午後5時 演題 『源氏物語』における、キャラクターの造形とその増殖の仕方 ・「日経トレンディ」日経BP社(10月号) 名作文学について話をしています。 ・「CIRCUS」KKベストセラーズ(10月号) おすすめの本の紹介をしています。
![]() 夏の終わり、山荘へ遊びにいった。 Fさんが、粉から餃子を作ってくれた。 充実した。 以下、お知らせです。 ・「よむ花椿」資生堂(NO.700 2008年10月号) 短編小説「女が笑うまでの物語」掲載。 ・今日(7日付)の朝日新聞、朝刊の文化面に、 エッセイ「女の幸せって? 新しい世界へ」掲載。 『源氏物語』の浮舟について書いた。 ・『本棚2』ヒヨコ舎(アスペクト) うちの本棚の写真を撮ってもらって、紹介している。 写っている私は、よく見ると文藝賞の副賞の万年筆を持ち、 文豪ポーズを気取っている。 ・「ダ・ヴィンチ」メディアファクトリー(10月号) 古典を紹介するインタヴューを受けた。 いい記事になっていたので、読んでもらえたらいいなと思います。 ・「一個人」ベストセラーズ(10月号) インタヴューを受けました。 ・「エスクァイア」 エスクァイア マガジン ジャパン(10月号) インタヴューを受けました。
とりあえず、今までの作品を紹介させていただきたい、と思います。 自由に読んで欲しいので、作者が喋り過ぎると野暮になりますから、少しだけ。 1『人のセックスを笑うな』 主人公は磯貝くん。 タイトルとはうらはらに、普通の恋愛小説です。 私にとっては、25歳のときに書いた、デビュー作に当たるものになります。 2『浮世でランチ』 主人公は14歳の丸山君枝と、 25歳の丸山君枝。 中学生が宗教ごっこをする話と、 会社を辞めて東南アジアを旅する話が、 同時に進む。 昼ごはんを誰と食べるか? というところで、 会社員の方から好評をいただけることが多くて、嬉しいです。 3『指先からソーダ』 朝日新聞土曜版で連載していた「指先からソーダ」に、様々な媒体に単発で発表した散文を加えた、 1stエッセイ集。 毎回、図を描いて、切り口や構成を考えて、下書きをたくさん書きながら作った覚えがあります。 新聞ということで、 世代や性別を越えて読んでいただけるように、 綴りました。 デビューしたばかりの、 異様な緊張感の中で練っていたので、 今や、もう二度とこういうエッセイは書けないだろう、と思います。 4『カツラ美容室別室』 語り手は佐藤淳之介。 オレ、カツラさん、エリ、梅田さん、桃井さん、多彩な友情の模様と、 一年間の話なわりに時間が変な風に進むところを、 描けたので、 私としては、書きたい小説を書けた、 とう感があります。 5『論理と感性は相反しない』 主人公は神田川歩美。 全編書き下ろしの、ふざけた短編小説集。 私としては、「人間が出てこない話」「芥川」「まったく新しい傘」等の、はじけた小品を作りたくて、編んだものです。 笑って欲しい。 6『長い終わりが始まる』 小笠原と田中。そして、「みんな」の物語。 落ち着いた青春小説です。 このホームページの文章は適当につらつら書いてきましたが、 六冊の本は、 平均して、完成原稿の三倍ほどボツ原稿があり、 完成形が定まってきたあとも一行一行、句読点や行がえ、漢字平仮名等の、 見た感じのリズムを磨いて、練り上げてきました。 私は、自意識が弱く、 自分への興味が薄いですが、 「自信のない人は隅で生きればいい」という考えには反対なので、 読者の方にも堂々としていて欲しいし、 私も作家としてはどこへ行っても胸を張っていよう、と思っています。 私は、外界のことが書きたくて、 スピーカーのようになりたい、と考えています。 視線と言語センスにだけは自信があるから、 世界の見え方のひとつを提示したい。 世界で既に鳴っている美しくかつ汚い音楽を、 私の体を通して響かせてみたいです。 作家は、死んだあとに評価されるのもまた一興と思うのですが、 せっかく同時代にたくさんの人がいるのだから、 そのことを面白がりたい、とも感じます。
今日、明日で、 京都と大阪の書店さんへ挨拶にうかがいます。 サイン本があるかと思います。 アポイントは出版社さんに取っていただきましたが、 ひとりで、自腹で、行きます。 一対一でコミュニケーションがとれたら、と思いましたので、 そうお願いしました。
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