TALES OF ROSES

2005年08月27日(土) 秘湯にはまる、その5、Tの上温泉vol,4

宿のご主人は 終始ニコニコして
人が良さそうで、
「湯上がりに お水どうぞ〜」と 冷蔵庫から
大きなペットボトルに入れた水を出して
コップに注いでくれるのだった。

ワガママ山男達は、一気に飲み干し
「すみません、もういっぱい下さい!!。」と
何倍もおかわりをねだっていた。

あま〜い山の上流の水。


いったん外に出てさわやかな空気を吸い
外のあちこちの湯気のでる場所を
物珍しく眺めて振り返ったとき
宿の玄関脇に 何か紙が一枚張ってあるのに気が付いた。


夫は、何か書いてあるのを読むのが好きだ。
名所旧跡に行っても、しげしげと説明書きを眺め 丹念に
読み始める。

夫が、小声で言った。

「あれ、物件差し押さえの紙だよ。」

「えっ」

と、私も近づいてしげしげと読んだ。

債権者なんたらかんたらさんが、この物件の権利がある、云々
記してあった。


窓ごしに、ご主人に一礼して、宿を後にした。

この古びた宿の行く末を思い
ご主人とおばちゃん達に 幸多かれと、祈ります。

落ちていた若いどんぐり




2005年08月26日(金) 秘湯にはまる、その4 Tの上温泉vol,3

そうそうに湯から上がり
頭から湯気を出しながら、玄関脇の食堂の椅子に座って
は〜〜〜〜っ とため息をついた。

温泉卵が、テーブルのざるの上に山盛りになっている。

向かいのテーブルにも 湯から上がった男性客達が はふー とか
あちあちー、とか言いながら、集まってきた。

ジュウソウが、とかスイチョクトウハンとか言ってるから登山客なのだね。
きれいな標準語から察するに、首都圏から来たらしい。

「オレ、だめだ、頂上まで持たないよ、腹へって腹へって・・
 すみません、もりそば お願いできますかあ?」

「はい いいですよ〜」食堂のおばちゃん達が、ニコニコ答えた。

「あ、オレも、オレは〜 ざるで!」
「はい」

「あ、オレ、もり大盛りにしてくれる?」
「はい」

「あ、オレ、ざるやめます、もり2枚にして。」

「あ、オレ、さっきのキャンセル!ざるの大盛りにして!」

「オレの頼んでくれた?」

「オレね、オレね、もりの大盛り。」

「オレは、やっぱりざる、普通盛りで。」

「オレね、さっきのキャンセル、もり2枚!!!」

「あ、オレやっぱり・・」

その後も 彼らは ごちゃごちゃ注文の変更をしていたが・・

食堂のおばちゃん達は、返事をしなくなっていた。

4人の中年山男達よ、
お年寄り相手に、それって ムゴくない・・・?


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