TALES OF ROSES

2005年04月21日(木) スプリング・エフェメラル

13年前、盛岡に移り住んだ。


借家の広い庭で、山野草が あちこちで咲き出した最初の春。

三人目の入った大きなおなかを抱え

庭の真ん中で 私は春の空気を思い切り吸った。


足元で 見たことのない、青紫の美しい花が一輪咲いていた。

あちこち調べても なかなか名前が分からなかった。

「キクザキイチゲ」
イチゲとは「一花」あるいは「一華」とも書く。

造形美というのだろうか、こんな美しい花があろうか・・・




やがて、その古家は取り壊す、と 大家から突然の通知が来た。

大家の前の持ち主のおじいさんが、作った庭で、
大家は、庭にも家にも愛着はない。

私は 真っ先に「イチゲ」と「ニリンソウ」等を掘って鉢にあげた。

柘植の木のひこばえを掘り、垣根のレンギョウをたくさん挿し木にして

私たちは 引っ越した。


近所だったので、その庭が壊されるのも、見た。

大きな栗の木が切られ、ぶどう棚も壊され

クロッカスも水仙も

ジャーマンアイリスも、ヒマラヤユキノシタも、アジサイも

キャラの木も、柘植の木も、ヒイラギも 沈丁花も

バラの株も、カイドウも、すおうも、都忘れも、露草も、京鹿子も、リンドウも

全てが 掘り返され、狭いアパートが3棟も建った。



今の家で イチゲが咲くたび、あの庭のあの春の日を思い出す。

夏には姿を隠す春の妖精たち、

イチゲやニリン草、福寿草たちは

スプリング・エフェメラルと 呼ばれる。



2005年04月20日(水) つるばら、つるばら

隣の建設屋さんは、倒産した。

社長さんは、気のいいおじさんで、いろいろ世話になったが、
最近は とんと顔を合わせることもない。

「うちの庭も きれいにしてちょーだい。」
 と、よく声をかけられたので、小さな花など植えてあげていたが・・・

そこの小さな敷地に、一本のつるバラがある。
品種は「ニュードーン」だと思う、淡いピンクの白いきれいな花が咲く。


昨日、お天気も良く 思い立って、
無人の庭のつるバラの剪定をしてあげた。


数年、ほったらかしだったようで、枯れ枝が からみあい
なにしろ相手はバラだし、トゲはあるし 
整理するのは、手間がかかった。


チョッキンチョッキン 
音が聞こえたのだろう、
「あら、Sさん。」 
近所の50代の奥さんが、出勤途中に立ち寄った。

彼女は 数年前から体調がすぐれず、
朝早くから夫婦でウオーキングをしているが、
膝と腰がどうにも調子悪いと、長々話して行った。

彼女は 経営者なので、重役出勤なのだ。

彼女「Sさん、今いくつ?」
 
私「○×歳。」と 正直に言うと、

「ああ、じゃ、もうすぐだ。
 もうすぐアンタも(膝と腰)始まるよ。」と 明るく笑いながら立ち去った。


 そんなに嬉しそうに言わんでも。。。

思わず、ちょん!と切った古枝は、
さっき小枝をていねいに整理したばかりの
今年 一番大事な3メートルもの若枝につながっていた。。





青空とクリスマスローズ


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