| 2005年01月04日(火) |
銀座ラプソデイ、その1 |
東京の街は、名画座の場所を基準にして 覚えていった。 私は18だった。 創刊まもない「ぴあ」を片手に、あちこちを歩いた。
ビデオもDVDもなかった時代、過去の名作は 東京の名画座に 見に行くしかなかった。
銀座は並木座、池袋は文芸座、渋谷は全線座、 そのどれもが、今は 存在しない。
銀座並木座では 黒沢映画を たくさん上映していた。
「どですかでん」「隠し砦の三悪人」「素晴らしき日曜日」 「生きる」「七人の侍」「羅生門」「静かなる決闘」・・・ 溝口健二の「西鶴一代女」 鈴木清順の「けんかえれじい」も見た。
この間、FM番組で イラストレーター和田誠さんの話を聞いた。
黒沢 明監督が 晩年間際に こうおっしゃったそうだ。
「和田君、ボクはね この年になって やっと映画というものがわかってきたんだよ!
今なら最高の映画が作れる、
だけど、もう身体がいうことをきかないんだ。」
クリスマスが明けた26日の日曜日、 銀座は 歩行者天国だった。
街路灯には、もうお正月の日の丸の小旗が飾られ、 一丁目から八丁目まで、はるか一直線上に はたはたと揺れていた。
その一方 街路の樅の木に まだオーナメントがついているものもあり、 バイトの人たちが、電飾と赤い光る玉を せっせとはずしていた。
赤玉の詰まったビニールの大袋が、歩道のあちこちに置かれ、 西5番街の角に その袋を運ぶ軽トラックが停まっていて、 荷台に ぎっしり 上から下まで赤玉オーナメント。 イクラのつまった鮭のおなか さながらである。
あれだけの電飾だもの、飾るのも、はずすのも大仕事であろう。
その銀座のど真ん中 山野楽器の真っ正面に、一台のベンツが停まっていた。
歩行者天国の中に、一台のベンツ。 なんで??と思いながら歩いていったら、 ちょうど 築地署のミニパトの婦人警官が2人、チョークで線を引き 違反ステッカーをぺったり貼ったところだった。
ベンツの持ち主は、なんでそんな「ベタ」なことやるのだろう? 面白みも なんにもないのだが・・
ベンツだから??違反の意識もないわけ?
四丁目の交差点では、 信号が青に変わり 晴海通りをいっせいに走り出す車、 バイクの青年は 前輪を思い切りあげて、得意げに先頭切って駆け抜けた。
銀座四丁目は『見栄』を張る、ある種の花道であるのかな。
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