TALES OF ROSES

2004年11月10日(水) 青森〜紅葉の旅、その4

料理は 
正当派、海辺の旅館の料理であり 新鮮で美味、
値段から考えると満足度95パーセントだった。

なにより、風呂が良かった。

透明で湯量が豊富、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉。

温度もちょうど良く  いつ行っても婦人会の方々も 誰一人こないので 
貸し切り状態。

壁の2畳ほどの津軽凧絵を眺めながら、ゆったり手足を伸ばして
「あーこの旅館いいわーーまた来よう」と 心底 思った。



ただ、やたらと物音が するのだ。

入り口の引き戸が、たてつけが悪いせいか、
「がたっ」
というので だれか来たかと 振り向くのだが、誰も来ない。

湯船への押し戸も、
「ごとっ」
と言うので、そのたびに そちらを見るが、誰もいない。

深夜に一人で入っていたら、また
「がたっ」「ごとっ」
それが何度も続くので さすがに怖くなった。

線路沿いなので
東北本線の列車の音、汽笛の音も 間近で悲鳴のように響くし。。。

それに 婦人会の人々の足音も、話し声も まったく聞こえないのも
変と言えば変だ。

人の気配のない旅館・・・って。。。

私は あがって 急いで服を着始めた、
その時
「ガタピシっ」
脱衣所の窓も かなり大きな音を立てた。

ドキドキしてきた。

ここで、電気が ついたり消えたりしたら・・・ホラー映画の始まり始まり・・・

思わず身をすくめたのだが・・・

それ以上の怖いことは 何もなかった。
雨風が強いので、音は そのせいだったのだろう。



翌朝、朝食を食べてから、もう一度 風呂に入った。


あがって ふう〜〜と脱衣所で 椅子に座っていた時のこと。

また正面の扉が「がたがたっ! 」

またかと思ったら、戸が開いて 
ノッポの若旦那が、にょっきり顔を出し、目があった。

「わあっ、す、すみません!!!」と 若旦那は、大慌てで すぐに戸を閉めた。



私は、幸か不幸か オールヌードではなく
下着は身につけ、濡れた頭に 肩からバスタオルを垂らしていたのだが

身をよじって 「あれー」とか「きゃー」ではなく

ドッカリ座ったまま
「おおおっ!!」と 思わず 熊のような声を発してしまったのが、
我ながら 情けない。                  

                          さらにつづく



2004年11月09日(火) 青森〜紅葉の旅、その3

大雨の中 宿に着いた。

玄関で 無人のフロントに「すみません」と声をかけて、しばし・・
やっとノッポの若旦那が出てきた。

「予約したSですけど・・」と言うと
彼は、怪訝な顔で、宿帳をめくり始めた。

しばらくしてから 若旦那は言った。 
「あ、インターネットでご予約の方ですね。お待ちしておりました。」

『待ってなかったくせに』と 胸の中で ツッコミ。

車で待ってる夫に 戻って
「これは、まったく期待できない感じですよ。」と言うと
夫も「そんな感じですねえ。」と苦笑した。

ねぶたの発祥の地と言われる浅虫温泉。
開湯は 平安時代の末期という由緒の古さである。

水族館も海水浴場もあり、青森市のお膝元の観光地だ。

9月の女川旅行は、海辺の宿に期待しすぎて
落胆度95パーセントだった。

今回は 楽天トラベルで予約の小さな宿、
期待度は 20パーセントぐらいにしておこう。

しかし、案内された部屋は、意外と広く、縁側、中庭もあり
内装も けして安っぽくはなかった。

ピンクの作務衣の仲居さんは 優しくてずっと笑顔 、
頭に花飾りをつけていた。
でも、お茶を入れてくれるわけでもなかったが。

廊下には、棟方志功の版画、谷内六郎の版画、
なぜか野球の村山の色紙とサインボールも飾ってあった。

縁側のソファは、これが びっくりするほど座り心地が良く
「カビくさくて これ古いけど、すごくいい物なんじゃない?」
と 夫も言った。

中庭の向こうには、どこかの婦人会の浴衣姿のおばちゃん達が見えた。

この旅館は、最後まで ノッポ若旦那と この仲居さん、
二人しか従業員を見なかったのだが・・・。      つづく


 < 過去  INDEX  未来 >


アツコ

My追加