きょうの読書
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2003年02月18日(火) 「ディアナ・ディア・ディアス」新井素子

神話は語る――二面神ディアナ・ディア・ディアスのふたつの顔。女がディアナ、男がディアス。けして見つめ合えないディアナとディアスの意見が一致するのはただ一度、この世が終わるときのみだ、と。南の国の王位、それは純粋なる《高貴なる血》(ディア)を継ぐものだけが就くことが出来る特別な座であった。兄リュドーサの突然の死によって、王位に就くことになったカトゥサ。それは正しき《運命》(ディア)だったのか・・・。時の流れは悲劇をつむぎ、やがて解きほぐす――SFファンタジーの名作。

新井素子さんの作品は一度は読んでみたいと思ってました。んでたまたま図書館で見かけた一冊がこれ。ファンタジーの基本のようなお話でした。初版が昭和60年らしいですからやっぱり今風のSFファンタジーとはかなり違うと思います。今の本に慣れいてると読んでて何となく次の展開にわくわくしたり、結果在り得ない事が起こって現実離れした展開になったりお馬鹿な様相を呈したりしますが、この本にはそんなエンターテイメント的ないかにも狙った要素はあるにはあるんだけれども(どっちだ・・)それをありのままに受け止め正直に進んでいくのです。要はただ一つのことについて掘り下げた物語とでも言うのか・・余計なものが全くないんです。
あーー説明も難しいっす。とにかく過剰な期待をして読んじゃ駄目ってことかな。


2003年02月09日(日) 「天気晴朗なれど波高し2」須賀しのぶ

仕官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶―兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか!?

ちなみにコバルト文庫です。
流血女神伝シリーズの番外編、海軍士官で小説家志望のランゾッドと同じく士官のコーアを中心としたおもしろ海軍どたばた劇みたいな話。この2巻ではランゾット君、恋の予感!?的な話の展開になってます。それにしてもかなり笑えました。この2人が本編ではあんなことになってるんですね〜(しみじみ)・・。まだ若い2人の初々しい物語になってると思います。まだ続くのかしら・・?


2003年02月06日(木) 「パラレルワールド・ラブストーリー」東野圭吾

総合コンピューターメーカーで仮想現実を研究する敦賀嵩志は、ある日違和感を覚えた。今一緒に暮らしている麻由子は、自分の恋人ではなく、無二の親友智彦の恋人だったという記憶がよぎったのだ。俺には、もう一つの過去があるというのか?嵩志は智彦を訪ねるが、姿はなく、部屋は何者かに荒らされていた。「記憶」に翻弄されながらも、嵩志が辿りついた切ない愛の結末は・・・。

背表紙のあらすじを見ただけでは単に親友の恋人を好きになってしまった男の話なんだけどまぁ、読んでみるとこりゃただごとじゃないな・・な展開になってます。でも登場人物も限られていて話もそんなに大きく転ばないので割と読みやすかったです。要は親友をとるか女をとるかですな。


2003年01月31日(金) ブギーポップ・パラドックス「ハートレス・レッド」上遠野浩平

運命が追いかけてくるのか 運命を追いかけているのか
わかっているのはただ一つ 彼女たちには疾走の宿命を
停めるつもりが一切、ない
果てに待つものが絶望でも ひたすらに徒労が続いても
少女たちは何処かを目指す 脇目も振らず息せき切って
向こう側にと、走り続ける


最近ブギーポップばっか読んでますな。ま、一気に借りたからな。しかし続きを図書館に置いてないのが悲しいなぁ。あと2冊ぐらい出てたと思うんだけど・・。
さて話は凪たちが中学生の頃のお話です。みんなまだ若くて、すがすがしくて、でもがむしゃらで、恋もして、こころに傷を持って、それでも前に進もうとするそんな話。(どんなんや)


2003年01月29日(水) ブギーポップシリーズ/上遠野浩平

ブギーポップ・カウントダウン「エンブリオ侵食」
強さとは、力があることではない。優れていることでもない。大きいことでも勢いがあることでもない。弱くないということも負けないことも意味しない。強さとは結局のところ、他の何物とも関係のない、それ自体が独立した概念であり、それを真に手に入れようとするならば、勝利や栄光といった他のすべてを犠牲にすることを覚悟しなくてはならない。
ブギーポップ・ウィキッド「エンブリオ炎生」
上の続き

携帯ゲーム機"エンブリオ"を巡り織りなす人々の物語。それに触れると望む望まないに関わらず過剰な可能性を引きずり出され災厄に巻き込まれる。最強、稲妻、死神と色々出てきます。それに巻き込まれる多くの一般人も。その他にも、えっ!?という結末もあって笑いもあってうなずけるとこもあって言葉って奥が深いなと考えてみたりして。


2003年01月25日(土) ブギーポップ・ミッシング「ペパーミントの魔術師」上遠野浩平

君は何かを取り逃がしてしまったことはあるかな?とてもとても大切なことだったのに、つまらない意地を張ったり、目の前のことばかりに気をとられて見逃してしまったことはないかい?・・・・これはそういうことを繰り返さざるを得なかったある魔術師の話だ。彼は天才で、成功者で、そして失敗者だ。この天才魔術師が辿る一途で愚かで、そして寂しく陽気なこれはアイスクリームの物語。冷たく鮮烈な甘さは、一瞬の、そう、このぼくブギーポップですら見逃してしまうほど速く、あっという間に溶けて消えてなくなっていくひとときの慰み―
道化師と死神とそして夢破れた人々が織りなす、無邪気で残酷な哀しいお伽噺。


あらすじ長すぎ・・。もう途中で書くの止めようかと思ったよ・・。久々のブギーポップだ〜♪前巻までのキャラが何人か出ているのでもし読むとしたら一気に読むのをおすすめします。(覚えてるのならいいんですが(^^;)。まぁ本作は一話完結なのでそれでなくても楽しめますが。相変わらずかなり現実離れした感のあるお話ですが、そのちぐはぐなところがこのシリーズの面白いとこでもあるので、わわわ・・な展開でもなーんか納得してしまうとこがあったりして。

汝は魔術師、運命の失敗作よ―


2003年01月24日(金) 「エンジェル」石田衣良

夏の夜、自分自身の埋葬を目撃した掛井純一は、何者かに殺され「幽霊」として蘇った。失われた記憶と自らの死の謎を追って、欲望と計算にまみれた現世の人間を偵察していく。縁を切った資産家の父、父代わりの弁護士、映画界の巨匠、ヤクザ風の男達、そして一目で魅せられた女優の卵・・・。死後の恋を守り、すべての謎が解けた夜明け、死者の「生命」を賭けた究極の選択が、純一に迫る!

死者が自分の殺された原因を探していく過程を死者の一人称で書いたは本はめずらしい気がするんだけど。しかも推理小説ですぜ。探偵は幽霊!漫画とかではけっこうありそうな題材なんだけどね。最後のほう、ちょっと突っ込みたい所もあったけど、全体的に純一の性格が随所ににじみ出ていて感情移入しやすい本でした。感動した!とまではいかないけどじんわりほっとした、って感じの話でした。お勧めです。


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