読書の日記 --- READING DIARY
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 人魚の島で/シンシア・ライラント

主人公のダニエルは、おじいさんとカナダのコキール島に住んでいる。友達もいない孤独な少年は、ある日人魚に出会い、その人魚からもらった古い鍵に守られて、大人になっていく。

小さな島での不思議な生活。生と死が入り交じりながらも、いつしかそれが自然のことであると思えてくるような物語。大好きなおじいさんが死んで、一人ぼっちになってしまった少年の孤独や悲しみ、やがてそこから真実を知り、大人になっていく少年の成長の過程が、切なくもあたたかく、胸に迫る。

いつしか少年はひとりぼっちではなくなっている。それを教えてくれたのは、あの人魚だということに気づいたダニエルは、「ありがとう」と書いた手紙を瓶につめ、海に流す。静かな感動。


2001年06月08日(金)
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 天国に近い村/シンシア・ライラント

人間が死ぬと、天国という、すばらしいところに行くといわれています。でもあるひとたち、天国へと足をふみだしてためらっている人達は、<天国に近い村>というところに行くのです。

この話は、人(あるいは動物)が死ぬということを前提にしている。死んだらどこに行くのだろう?どうなってしまうのだろう?誰でも少なからず、死ぬことを怖いと思っているのではないだろうか?やりかけのことがあったり、思い残すことがあったらどうするんだろう?その場合は、この<天国に近い村>に行けばいい。ここでは時間も自由だし、好きなところにも行ける。でも、ここに来ると、皆いい人になるのだ。ちゃんと神様が、そういう手配をしてくれるからだ。

こんな村があったら、死ぬのはきっと怖くないし、お別れした人達ともまた会えると思えば、ちっとも寂しくなんかないだろう。


2001年06月09日(土)
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 小さなトロールと大きな洪水/トーベ・ヤンソン

ムーミンシリーズの幻の第1巻。
ムーミントロールはムーミンママと一緒にパパを捜しに行く。途中でスニフや花の中に住むチューリッパと出会い、川を渡り、お菓子の国を過ぎて旅を続けるうちに、洪水に会う。

流れてきた瓶を拾うと、中にはパパの手紙が!そうして水の中を進むうち、ようやくパパに出会う。行きついた所には、パパが建てたステキな家が流れ着いていた。そしてそこからみんなが知っているムーミン谷の物語が始まるのだ。


2001年06月10日(日)
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 ゆかいなホーマーくん/ロバート・マックロスキー

ホーマーくんの家は、観光客用のキャンプを経営している。お母さんは宿泊人の世話をし、お父さんはガソリンスタンドの管理。そして、ホーマーくんは両親の手伝いをしながら、学校へ行ったり、ラジオの組立てをやったり…。

スーパーマンの登場や、自動ドーナツ製造機など、高度成長期の機械開発がアメリカ国民に与えた希望といった面も垣間見える、古きよきアメリカという感じのユーモラスでほほえましいお話。

ネズミ捕りの話はハメルンの笛吹き男を思わせる、ちょっとどっきりの話だ。名前のホーマーは、もちろんホメロス。ユリシスおじさんの名前はユリシーズである。さりげなくギリシア神話も入っている。


2001年06月11日(月)
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 ドラゴンがいっぱい!/イーディス・ネズビット

エヴリデイ・マジックの創始者ネズビットの短編集。いろんなドラゴンが登場して、とても楽しいお話なのだが、翻訳がどうにもひどい。作者のネズビットが気の毒になるほど。子どもに読ませるときには、講談社の青い鳥文庫以外のものを薦める。


2001年06月12日(火)
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 魔法使いハウルと火の悪魔/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

魔法が存在する国インガリーの帽子屋の長女ソフィーは、荒地の魔女に90歳の老婆に変えられてしまった。家族を驚かせたくないと家出したソフィーは、空中に浮かぶ城に住む、若い魔法使いハウルの掃除婦として住み込む。

うぬぼれ屋で移り気なハウル、そのハウルに魔力を提供している火の悪魔カルシファー、ハウルの弟子のマイケル。ばらばらのように見えた彼らも、最後には力を合わせて荒地の魔女と戦う。自らも魔力が備わっているとわかったソフィーには、意外な結末が!

オックスフォードでトールキンに師事したこともあるというジョーンズだが、さすがにテンポもよく、ほかの子供向けファンタジーとは一味違う。ところどころに、有名な児童文学や文学作品が出てくるのも、興味深い。もちろんイギリスのファンタジーだけに、アーサー王伝説も取り入れられている。


2001年06月13日(水)
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 チョコレート工場の秘密/ロアルド・ダール

貧しい少年チャーリーに、世界一のお菓子工場見学の金券があたった。招待された5人の子どもたちにつぎつぎとあかされる、アッと驚く工場のものすご〜い秘密!

ほんとにこれはものすごい!こんなお話だったら、子ども達はどれだけ夢中になるだろう。愉快だけれど、しっかり教訓も入っている。ダールが一番言いたかったのは、テレビなんか見ていないで、本を読みなさいということだろう。このお話から、どんなに豊かな想像が飛び出てくることか!想像するってことは、どんなに楽しいか!もうテレビやゲームなんて、捨てちゃいなさい!


2001年06月14日(木)
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