株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
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2006年07月10日(月)


良寛さんのおいしいところは




出雲崎の良寛生家跡「良寛堂」の前の通り。
この海手を見下ろすと、有名な切妻屋根の甍が続く。

この、あまりにうら寂しい空気が、何だかとっても良寛
していたので、写真に残したんだ。

良寛さんの残した漢詩を愛読しているのだけど、
「どこまで本気やら」という、すっとぼけた詩が多い。

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若い頃は世の中に悩みなどないように思い、
派手な服着て、
かっこいい馬にまたがり、
朝っぱらから酒をくらい、
おねえちゃんたちと遊び戯れ、
さて、どこに辿り着くかというと、
寂しさ一杯の家へまっしぐら

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(現代語訳・阪本)。

学校の先生的に解釈するなら、遊べるのは若いうちだけ
だから、その若さにおぼれないように、せいぜいしっかり
精進しなさい、となるのだろうが、良寛さんがそんな
「正しいこと」を言うはずがないと思うのである。

「若いときやったように、いまもできるならやりたい」
というのが、人間の素直な気持ちであり、良寛さんは
そういう人だったのではないかなあ。
どうも良寛さんというと「清貧の人」「精錬潔白な人」
という虚像ばかりが大きく、あの人の本当の旨みは
そんなところにはない気がするんだ。

 

2006年07月09日(日)
民家と水田




伊藤家の敷地内にある江戸時代の民家と水田。
おたまじゃくしと、小さなアマガエルが遊んでいた。
敷地内に田んぼがあることもすごいし、民家が
まるごとあることもすごい。

中に入ると、土間ばかりで、板の間は一間のみ。
節約を旨とした当時の藩の意向により、
主人の間のみ板の間が許され、他の家族は皆、
土間に直(じか)座りだった。さぞ、寒かったろうなあ、
と思う。

写真奥にももう1軒あって、こちらは明治時代の民家。
ここまで時代が進むと、畳の間は当然だし、家の
中に馬舎がある。

庶民のウソのない生活を、うかがうことができる。
こういうものは、文献には記載されにくいものだ。

 

2006年07月08日(土)
大勉強




天領出雲崎時代館(→)にて。

江戸時代の広告。ぼくがどこに注目して写真を撮ったかと
いうと、「大勉強」の文字だ。

昔、母が商店街で買い物するとき、店主に、
「勉強してえな」と言っていた。この場合、「勉強」とは、
ディスカウントのことを言う(ほか、『出精値引』という
言葉も、昭和時代、よく建材見積で使ったものだ。精を
出して=がんばって、企業努力して値引きした、という
意味だが、実際には、端数を切り捨て、見積金額の見栄えを
美しくしたわけである)。

江戸時代から、「勉強」という用語が使われていたことに
びっくりし、母を思い出したのだった。
この言葉、聞かなくなったなあ。

 

2006年07月07日(金)
伊夜比古おのれ神さび 青雲の・・・




弥彦神社(→)

静謐な空気に、こころ洗われた。ここも間違いなく
イヤシロチだろう。

初詣の際には、参道が人、人、人で埋め尽くされる由。
晴れていれば御社殿の後ろに、弥彦山がまるで背光の
ように見えるらしいのだけど、曇っていて、雨もぱらつい
ていたため、雲で全く見えなかった。そういうシチュエーション
もまた珍しいとのこと、ラッキーだ。
次に行く時が違う表情を見せてくれるはず。
楽しみ。

伊夜比古おのれ神さび 青雲のたなびく日すら 小雨そぼ降る
                      (万葉集)

 

2006年07月06日(木)
お庭と洋書




北方文化博物館日本庭園。銀閣寺も手がけた名庭師、
田中泰阿弥の手になる。氣の流れのよい場所を、全身で
体感できる。昭和39年の新潟大地震(マグニチュード
7.3)でも、瓦一枚落ちなかったというのも、ここの
良い波動と氣のパワーによるものだろう。
本当のお金持ちのお金の使い方については今日配信予定
のSurfin'で書きますが、広さといい、流れる氣の良さと
いい、ほんものとはこういうところをいうのだろうね。

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朝日新聞社『アエラ・イングリッシュ』より取材依頼。
サイトはここ(→)

特集 「トップビジネスパーソンに聞く 私の愛読ビジネス
洋書3冊」

翻訳ではなく、原書を読む楽しみを伝える読書案内特集

掲載号『AERA English』2006年8月23日発売号(10月号)

との由。さて、何を選ぼうか。やはりポール・ホーケンは
外せないなあ、など、しばし原稿の手を休めて考える
のも楽しいものだ。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW