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2003年02月11日(火)
支え

勝手に支えとして
心の中で頼っていた人が
いなくなってしまう

どう思いを伝えれば解らなくて
今まで話も出来なかったけれど
とっても大好きな人

最後だからと
笑顔で送り出す

また、会えるといいね

そう言葉を交わして


……二度と会えない人との
わずかな思い出を
今しばらくの支えに



2003年02月12日(水)
ゾンビ

身を粉にしているように見えて
酔っているだけの者が
声をあげる

務めを全て放り出して
身を隠していた者が
今頃顔を出す

わずかに上昇する気流に乗って

きっと
また下降するための手伝いに
やってきたのだろう


務めを果たす覚悟が
出来てからお越しください
皆様



2003年02月13日(木)

光の当たる場所と

一番遠くて

一番近くにあるもの



2003年02月14日(金)
ずっと……

時々、夢を見る
傍にいるはずの君がいない

どこを探しても
いつまで経っても
見つからなくて
狂う寸前で目が覚める

……夢で良かったと
隣を見て安心する夜

いつから
こんなに一つになったのか
よく解らないけれど


……愛してる



2003年02月15日(土)
惰性

威勢よく構築された場も
長く続けば
ただ在るだけになる

崩壊の後の再生
それが正しいかどうかは
やってみないと解らない

繰り返される再生も
惰性の線上



2003年02月16日(日)
ピンチ

他人の手を借りるか借りないか
色々パターンはあっても
自分を助けられるのは
自分だけ

動かなければ
何も始まらない



2003年02月17日(月)

降り積もる

それに埋めつくされ

消えてしまうのも良いか



2003年02月18日(火)
理解

全てを見てくれる事なんてない
誤解がまかり通る場所と
流れて行く噂と

其処に有るモノを見れば解るような事も
見て考えられる事など殆ど無く
ただ其処に有るだけ



2003年02月19日(水)
到着

長いのか短いのか
とにかく歩いてきた道の
いくつかに別れた終着点

ここまでようやく歩いて来れたんだと
力を抜く

そして次の道へ



2003年02月20日(木)
荷作り

長い時間かけて
丁寧に梱包して
やっと送り出す

後で
ちょっとしたオマケも入れてしまってた事に
気がついたけど

長い旅の先で
役に立ってると良いな



2003年02月21日(金)
バネ

此処から
彼処へ跳ぶために
小さくなって
力を溜めて



2003年02月22日(土)
シアワセ

一番大事な人と
大好きな人達と
ずっと一緒にいられるのは
とっても幸せな事で
とっても難しい事



2003年02月23日(日)
休み

他人のちょっとした仕草や言葉
ひとつひとつが
トゲに思えるようになってしまったら
少し休もう

他人のトゲにトゲで返して
身動き取れなくなる前に
少し休もう

頭も身体もやわらかくなるように



2003年02月24日(月)
努力

努力だけは認められても
結果が出なくては
そのまま捨てられてしまう
仕事って
そういうもんだ



2003年02月25日(火)
育つ

皆に等しく時間は経ち
皆の感じる時間は違う

感じてきた時間の違いが
どんな人間に育つかの違い

きっとそんな感じ



2003年02月26日(水)
雨音

窓を叩く雨音

ずっと聞いていると
すぅっと落ち着いて
眠気を呼ぶ

雨の日の昼下がり



2003年02月27日(木)
毎年恒例

この月になるとこういう事が起こって
あの月だと新しい事が始まって……
そんな区切りになる時期

不思議なことに
毎年似たような時期に重なる

ナントカ記念日って
覚えやすくて助かるけれど
……何故だろうね



2003年02月28日(金)
愛しい人に

僕が君をどれだけ愛してるか
ちゃんと伝えられてるって
自信が無いんだ
似合った言葉を重ねる事が
難しくて
どれも
足りないような余るような

今日も
言葉のかわりに
抱擁で。



2003年03月01日(土)
一生

本当に意のままになることが無い
生まれてくる時も
逝く時も
最高のタイミングを選ぶなんてことは
どうあがいても無理なんだから



2003年03月02日(日)
Cage

篭の中で独り鳴く鳥
篭に掛かった暗幕の
内側を眺めて暮らしてる

暗幕の隙間から差し伸べられる手と
その手が見せてくれる世界が
今の彼の全て

春の花の頃には
外へ出られるだろうか



2003年03月03日(月)
泣き空

あの人が逝った時は
天気も良くて
見送り終った次の日に
堰を切ったような雨が降ってた

今度は
見送る日に
雨が降ってる

雨降りは
あまり好きじゃない



2003年03月04日(火)
切断

必要とされていない部分を切り取って
繋がっていたくない部分も切り離して
殆どのものを失くしたような気がするのに
それでも其処に立っていたのは
何故だろう

わずかに残った温度を頼りに歩いて
冷え切るまで歩いて

もっと早く切り落としてしまえば
良かっただろうか



2003年03月05日(水)
苛々

人の振り見て我が振り直せ





自覚が無く破壊力抜群の奴ほど
堂々と他人に言うのは勘弁
そっくりそのまま
返してやる

苛々



2003年03月13日(木)
裏側

……シアワセ?


……うん、シアワセ。


ただ
底に見える檻と
刻まれた過去に
叫び出したくなる衝動
それはまだ消えなくて

貴女と居る間は忘れていられる
貴女には関りの無い
僕の問題

何時か完全に克服できるまで
心の奥に抑えて置くものだから

本当の心の底から
笑いかけられるようになるまで
もう少し待って



2003年03月19日(水)
位置

なんでもない事が
沢山
フラッシュバックして
押し流されて


何処に立っているのか
判らなくなる



2003年03月21日(金)
白濁




沢山の音
沢山の感情
僅かな時間

気を許すと
意識が濁って其処で停まってしまう
真っ直ぐ前へ進むのも大変だ



2003年03月24日(月)
封印

気分が沈んで仕方のない時
気を許すと
忘却の海に捨ててきた筈の
闇の記憶が這いずり出す

昔大好きだったキミの
記憶から消したキミの
その存在が
一緒に居たかった
別の存在を消してしまう

そんな夢を見る位に

僕たちのあの時間は
いったい何だったのだろう

考え出すと
懲りずに闇に沈んでしまうよ

また捨てに行かないと



2003年04月05日(土)

凍ってた身体が
ゆっくり溶けて
凍ってた心も
ゆっくり開いて

やっと
君に逢えるね
ずっと
傍で呼んでくれていた
君と一緒に
春を



2003年04月13日(日)

身体中から溢れて
溢れ落ちる愛を
あの桜の花びらのように
貴女に降らせよう

来年も同じ桜を
貴女と並んで
見上げられるように



2003年04月27日(日)

君が話してくれた
あの空の雲と
木々のことを
自分の目で見に行こう

君を通して感じていた世界に
この手で触れるために

君に追いついて
並んで歩くために


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