そよ日暮らし の そよふぉとノート
もくじだよきのうへあしたへ


2005年10月19日(水)  しんけんに。










2005年10月14日(金)  朝ごとに。







朝ごとに完結される物語 ひかり ひんやり ひかるあんしん






2005年10月04日(火)  とつぜんに。









*



あらゆることが

それどころではないことにおもえてしまうような時間はもうおわり。

いろんなものに

やつあたりなどしているばあいではなくて

もっとせかいになじむ方向。(←今月のめあて)







2005年09月29日(木)  九月のひかり。









ほんとうに丈夫なこころ。こわれない。

こんな朝にも、みていたひかり。

















2005年08月12日(金)  【題詠マラソン2005】参加作品  




























































以上、題詠マラソン2005へ投稿した、ナンバー092〜099の短歌に
写真を添えてみました。





・  ・  ・  ・  ・




以下は宣伝です。







姉妹サイトの「ひだまり野菜店」にて、今年度の通信販売が始まりました。

よろしければ、ご利用くださいませ。








2005年07月10日(日)  文月なので。





あいすべき庭の暖色だんだんとおだやかになる思い出として



そうこれは、文月だけのとくべつな花。 

開花のおわったチングルマ。

ぜんしんで内なるものをあらわせる花。

ことしはこんなふうな夏。








*

















湿原にも、みずみずしい夏がきました。








2005年06月30日(木)  【題詠マラソン2005】 [飛永 京 さんの百首より]




占えばひとつ何かを見失うブルーデイジー膝が寒いよ  飛永京(086:占)




*


題詠マラソン2005

飛永京(とびながきょう)さんも、過日完走されました。

以下、飛永さんの百首より、大好きなものを20首転載させていただきます。


*


031:盗 ● 逆光を浴びて子犬が帰還する盗人草も誇らしく金

043:馬 ● 名にしおうシルクロードの馬友友(ヨーヨー・マ)長き指もて西へ東へ

045:パズル ● その先はもう埋めないで曼陀羅華パズルは少し残すのがいい




飛永さんの百首をならべて、
まずはじめに・・・と、さささぁーっと目を通した瞬間に、
飛び込んできた三首です。

歌意とか、背景などを掴むまえに、ひとめぼれした歌でした。
感覚的に、直感的に、圧倒的に、とても好きな歌でした。




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057:制服  ● トランプの兵隊さんの制服に四つ葉をみっけスパイだろうか


こんな視線にときめきました。

三十一文字のなかに、こんなにもゆたかなひとつの物語。

とてもとてもあこがれました。


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そして。兵隊さんだけではなくて、
飛永さんのお歌に登場する愛すべきお友だちのみなさんは、
どなたも、たいそう温みがあって、
たまらないのです。

なので、ここで愛すべき、風邪ひきさんや、パキラちゃん、
探偵さんや、こぎつねそしてコアラちゃん、ほか
一挙紹介しちゃぃます。

かわいらしさに惑わされそうになりますが、
歌の魅力はべつのところ。

視線が深くふくよかな飛永さんの独自の世界。
すてきなのです。


005:サラダ ● 睡蓮を風邪ひきさんの枕辺に 切り子のサラダボウルに浮かべ

010:線路 ● 手袋の指人形がすわってる線路の脇にすみれは群れて

035:禁 ● とろぉりと甘い泪のパキラちゃんそれは禁じ手ねばらないでよ

036:探偵 ● 猫の手のような探偵さんだから花園の鍵は見つからないまま

077:櫛 ● こぎつねが使っていったか柘植の櫛からみついてる柔らか栗毛

079:ぬいぐるみ ● 綿の実を食べるコアラのぬいぐるみ耳の先まで胃袋にして

039:紫  ● 紫陽花の地球儀ひとつくださいな海の深さを示したものを

100:マラソン ● 兎さん亀さん問わずマラソンのランナーたちに草冠を




100 マラソン  >>>  草冠です。くさかんむり。

しろつめ草で編まれた白いくさかんむりを、うさぎもかめもいただいて、

なんてあかるいゴールの広場。

くさかんむりにかんむりょうです。

だいすきでした。



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さて次は、うってかわってぐっとおとなの匂いです。


050:変 ● 今ごろは実のひとつくらい成してるか私の愛した唐変木は

066:消 ● 毒消しになればなったでつまらない山葵をおろすひとの舌先

073:額 ● あだ花のひとつでも良い咲けたなら額で睨む癖もやめるわ

075:続 ● 続くからずっとなぞって歩いてる煙草畑に落ちる夕陽と

078:携帯 ● その内に柘榴の火種いまさっき別れた人の携帯灰皿

088:食 ● 食べられぬ茸ばかりを愛で写すスケッチブックはお腹いっぱい



飛永さんのお歌のリズム、わたしにはとてもとても近しくて、
声に出して読むときも、どれもとても読みやすいのです。

たぶんきっと、作者とおなじ「ま」のとりかたで、
作者とおなじ速さの息づかいで、
読めているはずって思います。

そしていま、気がつきました。
飛永さんのお歌はどれも、説明がなくて、
ルビもふらず、まもあけず、
このことは、たぶんきっと
読み手を信じるということなのですね。

ルビもふらず、まもあけず、
それでも読み手はただしく読んでくれるはず、という
信頼感のようなもの。

みならいたいなと思うのでした。


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040:おとうと ● おとうとのあさがおきょうもさかなくてひとりふいてるしょぼーん玉


あぁ。シャボン玉は、しょぼん玉。

ほんとうに。おっしゃるとぉり、そのとおり。

子どものころから、なんとはなしに
しょぼんとした日のひとりあそびの代表でした。


あさがおきょうもさかなくて >>> そう。ちょぅど、
そのくらいの「しょぼん」にとても似合う気がする。



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080:書 ● 訳本を書いた人の名うつくしい蓮池薫 大地に根ざす


わたしも、ずーっと思っていました。

そのことが、
こんなにもまっすぐに
とてもしぜんに詠まれていました。

ふと思ったことを、そのままに、
こんなふうに詠むのがきっとほんものの
短歌なんだよなぁ・・・なんて、
思うのでした。今さらながら。


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081:洗濯 ● 魂の洗濯だねを聞きたくて母と野ばらを歌っています



百首の中に、いろいろなカラーをちりばめられていた飛永さん。

そのすべての歌の背景に、この一首がひろがりました。

飛永さんの百首をなんども読んだとき、
次々に浮かんできえる一首一首の映像があり、
でもその奥の背景画像は、かわらずに一枚の絵でできていて、
それが、
母と野ばらを歌う野原や青空の、ぱぁっとひろがる風景でした。

とても、とてもすきな一首でした。




おしまい。

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たくさん転載させていただきました。

ありがとうございました。



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飛永京さんの、読み応えたっぷりのホームページ
「ヴォゴン人の詠唱」は こちら です。

そして。

飛永京さんが、書きつづけてくださっている
題詠マラソン2005の感想ブログ「薔薇螺旋主義」は こちらです。
(不可思議な猫ちゃんたちの写真つき。)


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ひるま、仕事にでるようになり、ここ、なかなか更新できません。

のんびりぼちぼちすすみます。



ぼちぼちー。







2005年05月24日(火)  エンレイソウ & 題詠マラソン2005 過去ログ【45】より






逢うたびに透明感をます野花 ありがとうのかずかぞえてみるね











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以下は、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。




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 過去ログ【45】より。
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このログは、圧倒的に「一子」が気になるログでした。



[8795] 015:友 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時32分

友だちに決して見えない影があり僕の隣で揺れていた頃


[8796] 016:たそがれ 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時34分

たそがれの一瞬にのみ現れる一子は長く童顔のまま


[8804] 020:楽 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時50分

音楽の時間のことだ純音のような一子の歌が聞こえた


[8805] 021:うたた寝 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時51分

うたた寝のシャハラザードに問いかけるように一子に確かめている


[8806] 022:弓 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時53分

ひきしぼる弓の形の強さにて一子の頬をShadeで描く


[8807] 023:うさぎ 廣西昌也 2005年03月22日 (火) 16時54分

言うなれば僕と一子はいつまでのうさぎの右と左の耳だ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ごめんなさい。
何かひとこと感想を書こうとすると、なかなか更新できません。
ので、とくべつにわたしの好きな歌だけを
ただそのままに並べさせていただきますね。

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[8974] 056:松 住職(jusyoku) 2005年03月23日 (水) 15時53分

砂浜の松の緑よ潮風に打たれ変わらず褪せることなく



[8967] 027:液体 古内よう子 2005年03月23日 (水) 15時25分

液体のように流れて堰きとめることができない今日の孤独は



[8883] 023:うさぎ 萱野芙蓉 2005年03月22日 (火) 23時15分

木々が葉をぬぐとき、時雨あがるとき、うさぎことばを習はむと思ふ


[8880] 046:泥 吉野楓子 2005年03月22日 (火) 23時07分

泥に咲くはちすの花のまぶしさに良寛、貞心おもふ夏の日


[8878] 068:四 浜田道子 2005年03月22日 (火) 23時04分

背もたれを深く倒してまどろめば四方の田より風の吹き来る


[8868] 039:紫 吉野楓子 2005年03月22日 (火) 22時43分

あすもまたみやこわすれの紫のうきにたへたる佐渡の順徳院(じゅんとく)


[8841] 018:教室 田丸まひる 2005年03月22日 (火) 21時46分

ひとの輪の尊さを説く教室の貼り紙わたしは一匹の蟻


[8832] 013:焦 あや 2005年03月22日 (火) 20時58分

焦る日のヒポポタマスの目交いは百の花弁と水面を浮かぶ


[8830] 022:弓 麻生智矩 2005年03月22日 (火) 20時48分

弓なりに反ったパキラよ春が来て陽は降りそそぐ戻れなくても


[8813] 028:母 伊波虎英 2005年03月22日 (火) 17時43分

明けがたの渚(みぎは)ま昼の夕ぐれの渚 母とは素水(まみづ)なりけり





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かよいあうリズムプリズムさみどりのみらいひきいる森のどこかに







2005年05月11日(水)  春が来ました。 & 題詠マラソン2005 過去ログ【40】より






たいへん遅ればせながら、ここにもやっと春が来ました。

写真のふきのとうは、4月20日ころのものですが、
このころはまだ、わたしのなかは名ばかりの、かりそめの春でした。

でもいまはもう、ほんものの春。














カタクリの、カタクリの花が咲きました。












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以下は、題詠マラソン2005会場より、お借りしてきた短歌です。




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 過去ログ【40】より。
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[7908] 090:薔薇  岩井聡 2005年03月18日 (金) 20時21分

豪快に自動改札せき止めてああああ両手いっぱいの薔薇


[7857] 088:食  岩井聡 2005年03月18日 (金) 15時13分

どこにあるわたしの鬼がかえる星ああ日食が終わってしまう


[7851] 087:計画  岩井聡 2005年03月18日 (金) 14時09分

冥王星移住計画推進部月例会議定数一名

*

初参加で、もうすでに完走されている岩井聡さん。
このログの上記三つのお歌の面白さに惹かれて
今、百首全てを熟読してきました。

とてもとても統一感のない(あ。失礼しました(^^ゞ)
あらため、「バラエティに富んだ」百首におどろきました。
いろんな横顔、お持ちなのです。

あそびごころ満載なものが多いなか、
わたしの好きなものをピックアップさせていただきました。

以下、百分の七の顔ではありますが、
ここから立ち上がってくる岩井さんの世界がとても好きです。


[2239] 010:線路  岩井聡 2005年03月03日 (木) 18時11分

朝焼けに染まる線路の君とぼく年を取るのは素晴らしいこと


[3205] 017:陸  岩井聡 2005年03月05日 (土) 16時57分

音だけが離陸してゆくこの夜だここから夏は疲れはじめる


[3511] 023:うさぎ  岩井聡 2005年03月06日 (日) 12時42分

顔なでて背中をなでて腹なでて朝晩なでてうさぎが死んだ


[5159] 040:おとうと  岩井聡 2005年03月09日 (水) 22時05分

おとうとはカンパネルラに会いたいともう三年もベランダにいる


[6606] 066:消  岩井聡 2005年03月13日 (日) 18時04分

バグダッドの消印胸に滲ませて切手のひとよ何を見てきた


[6867] 070:曲  岩井聡 2005年03月14日 (月) 18時08分

これは恋それは傷痕あれは虹やがて乾いてしまう曲線


[8125] 093:ナイフ  岩井聡 2005年03月19日 (土) 17時55分

午後の風ナイフのように光る川やさしい順にすり減ることば


*


たくさん引用させていただきました。ありがとうございました。



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以下は、過去ログ【40】より、
一読して「はっ」としたお歌たちです。

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[7980] 013:焦   emi 2005年03月18日 (金) 23時43分

泣くような旋律ですかこの雨は君が焦がれる暮らしのなかで

*

[7963] 012:メガホン  飛永京 2005年03月18日 (金) 22時33分

縷紅草 (るこうそう)のメガホン手に手に君たちは何を応援しているのかい

*

[7873] 069:花束 (再投稿) さゆら 2005年03月18日 (金) 16時00分

おめでたうおめでたうつて残酷な花束抱かすのよつてたかつて

*

[7802] 034:背中  こはく 2005年03月18日 (金) 04時52分

背中から眺めてみてもうつくしいたたずまいで立つ歌であるなら




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以下は、過去ログ【40】より
歌意にとても共感したもの四首です。

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[7939] 018:教室  M.東矢 2005年03月18日 (金) 21時39分

教室はとりとめもなくけざやかに無声映画の匂ひに満ちて

*

[7906] 035:禁  こはく 2005年03月18日 (金) 19時44分

自分から話し出さない近況は禁況である<覚え書き六>

*

[7875] 046:泥  ハナ 2005年03月18日 (金) 16時01分

泥団子土で磨いてぴかぴかにしてる子供等は職人の目で

*

[7836] 002:色  武山千鶴 2005年03月18日 (金) 09時55分

人形を叱りつけてる五歳児の母そつくりの声色聞ゆ






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ありがとうございました。

おしまいです。

ではまた。










この丘のこのいちめんのカタクリがすべてのこたえ 春が来ました


2005年04月21日(木)  【題詠マラソン2005】 [やそおとめさんの百首より]

【題詠マラソン2005】

やそおとめさんも過日完走されました。

お題を詠み、それと同時に「植物を詠む」という
ダブルルールで取り組まれていたやそおとめさん。

やそおとめさんの百首の中から、特に好きな20首を
お借りしてきました。

短歌辞典や植物図鑑で調べつつ、数日間かけて
好きなお歌を選ばせていただきました。

ここ「そよふぉとノート」や、自著「ひとりのはらに」などで、
わたし自身も触れたことのある野の花が、
多数詠みこまれていて、わくわくしました。

わたしの過去の写真の中から、何点か並べさせていただきつつ
やそおとめさんのお歌を掲載させてもらいます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






001:声   夏草の野に融けてます細胞がすきとほるまで綿菅の声

わたし自身の感覚と、いちばん近しく感じられるこのワタスゲの歌が
やそおとめさんの出走歌であったこと、とてもうれしいことでした。



*



■ 009:眠   男らを眠らせ闇を深うする合歓の女蘂は花明りして

合歓の女蘂 = ねむのめしべ と発音して良いんですよね?

やそおとめさんのお歌の艶っぽさが大好きなのです。


■ 034:背中   月光に背中(そびら)を濡らしゆく秋のをみなのゑまひ謎深くして

をみなのゑまひ = 女人の微笑み。(花が咲くこと。)

これは、こういう名前(をみなのゑまひ)のお花があるのかなぁと思い
調べてみたのですが、わかりませんでした。
いずれにしても、ほんとうに色っぽいですね。
そびら、ぞくぞくするのです(^^ゞ

わたしは、歌を読みなれていないので、
歌の途中に( )があると、そこで読みのリズムが崩れてしまうのですが、

このお歌は、くりかえして口ずさみ、すらすらと読めるように暗誦しました。
声に出すとますます美しいのです。大好きでした。



■ 062:風邪   風邪病みのかがり火草の忘れもの地下茎深き熱のほてりを

■ 052:螺旋   もぢずりの螺旋をあそびゐたる指こそばゆさうに脚にまつはる

もぢずり=ねじばな↓ですね。




ひとつずつ丁寧に読んだ時にはじめて、
韻律の美しさに気づかされます。

ゆっくりと、声に出して読みたいお歌ばかりなのです。
そして。読む側に想像する楽しさを残してくれていることに、
作者の余裕を感じるのです。さすがなのです。


*


■ 079:ぬいぐるみ  そらまめの莢型繭のぬひぐるみこひびとよひと日潜らうではないか

■ 096:留守   本日の天気晴朗妻は留守 ほたる袋に隠してラ・マ・ン


あかるい秘めごと、すてきなのです。どきどきします。

「そらまめのさや型まゆのぬひぐるみ」 !
「ほたる袋に隠してラ・マ・ン」  あぁ。


*


■ 049:ワイン   香もろともワインの函が届きたり敷き詰められておらんだげんげ

おらんだげんげ = クローバー(しろつめくさ)なのですね。
敷き詰められていたものが、しろつめぐさとわかったとたん、
身近なお歌になりました。
そしてたちまち嬉しくて。

調べて知ったからこその喜びなのかもしれなくて。



■ 008:鞄    落葉松の道たもとほり音も無くこんじきは散る鞄のうへに

落葉松(からまつ)のこんじきは散る・・・と聞いて、胸がときめき、
この歌を、ちゃんと理解いたしたく、「たもとほり」を一生懸命調べました(^^ゞ

たもとほり = 徘徊る(たもとおる)= さまよいながら という意味でした。
まったくもって勉強になりました。

カラマツの道さまよへば音もなく散る・・・
とても好きな風景でした。




*


■ 044:香   目に見えぬいさぎよき色くれなゐの吾木香こそ己がこころに

目に浮かぶのはワレモコウのあの色、そしてたたずまい。
歯切れのよい、きっぱりとしたスマートなこんなお歌にあこがれます。


*

■ 097:静   ソリテュード「積極的な孤独」の似合ふ花一人静は群れてもひとり



 
 
 群れながら
 ひとり
 静かを
 つらぬくことは

  (中略)

 群れて咲く
 ひとりひとりの
 ヒトリシズカにあいました


これ↑は、
わたしが過去に書いたものの一部です。
視点がおなじで、とてもうれしかったのでした。


*


■ 066:消   発展的解消とまれ美しう恋はおはらぬ闇夜のあやめ

■ 082:罠   シナプスの欠落の罠ゆふすげのあの日あのときたしかに恋は

ほんとうに、大好きなお歌でした。
きゅんとなります。

恋の歌は、こんなふうに、
やはりとことん美しくなくてはっという思いをあらたにしたしだいです。


「シナプスの欠落の罠」 
雰囲気は、わかるつもりでいましたが、正しく知りたく調べてみました(^^ゞ

シナプス =  ニューロンとニューロンとの接続部。また、その接続関係。
         伝達される興奮の増幅や抑制を行う。
ニューロン = 刺激を受容・伝達する機能をもつ。神経元。神経細胞。

おぉ・・・・。大辞林 第二版 (三省堂)より。



■ 085:胸騒ぎ 仙人掌(さぼてん)の棘を秘めもつ胸騒ぎわかれしのちの死を伝へあふ

■ 086:占   木木は伏し鳥は流されきみと吾(あ)の砂漠占ひ 塵から塵へ

「わかれしのちの死をつたへあふ」
「砂漠占ひ 塵から塵へ」

≪塵から塵へ≫ という表現に釘付けになりました。



■ 069:花束   水汲みのやそのをとめの垂れ髪に堅香子の花束ねありしも

[本歌取り]というのでしょぅか、それとも[返歌]というのかな・・・。
そのあたり、勉強不足でわからないのですが、
この歌は、以下の大伴家持の歌から生まれたものにちがいないです。(よね?)


もののふの 
八十少女(やそおとめ)らが
汲(く)みまがふ

寺井(てらい)の上の
堅香子(かたかご)の花

大伴家持 (万葉集、巻十九)



堅香子 = カタクリ ですね。

もしかすると、やそおとめさんの筆名も、
このお歌からつけられたものなのでしょぅか・・・。
そんなふうに考えると、
やそおとめさんのこの歌(069:花束)にこめられた想いの深さも深まるようで、
感慨深く読ませていただいたのでした。

カタクリは、わたしにとっても、大好きな、かけがえのないお花なので、
とてもうれしく思いました。



■  100:マラソン   
らうらうと百首マラソン詠ひあげ猩猩袴(しやうじやうばかま)舞ひ納めたり

そしてこれは、100首目の、最後のお歌。

これもまた、やそおとめさんご自身の素顔に迫れるような、
うれしい気持ちで拝見しました。

今回、はじめて気づいたのですが、
やそおとめさんのブログのプロフィールのページタイトルは、
「猩猩緋」となっていました。

猩猩緋(しょうじょうひ)とは、わずかに黒みを帯びた、あざやかな深紅色のこと。
(または、その色に染めた舶来の毛織物。)

手元に、わたしが撮影した猩猩袴の写真がありませんので
自著「ひとりのはらに」のページを一部、転載させていただきますね。





「ぶっきらぼうなやさしさの ショウジョウバカマ ・・・」

と書いてあります。

これは、わたしが過去に書いたものですが、
いま、百首を読み終えて見えてきた、やそおとめさんのイメージと
ぴたり重なり、そのことに、誇らしさまで覚えるのでした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ワタスゲからはじまって、
ヒトリシズカ・マイヅルソウ・カタクリ等々々を経て、
そしてショウジョウバカマで締めくくられたやそおとめさんの百首。

とても他人事とは感じられず、夢中になってこのページを作らせていただきました。
あいかわらずに、ひとりよがりなことばかり書いてしまいましたが、
とても楽しく、そしてうれしいことでした。

たくさんの短歌を転載させていただき、ありがとうございました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おしまい。









ついでに宣伝させてください。よろしければ、のぞいてくださいね。


web かたくりものがたり (昨年の春につくったカタクリのアルバムです。)

book ひとりのはらに 
          一昨年の夏にうまれた写真詩集です。
          30数種の野の花の写真に言葉を添えました。
          かんたんな野の花図鑑としてもご利用になれます。




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