2003年09月25日(木) B病棟


お父さんが結核で入院しています。
先週の金曜日から、ちょうど一週間になります。
いつもお父さんのふとんで寝ているロビンは、夜、居場所がないみたい。
私のベッドなんて昼寝以外では使わないのに、最近は夜の間はずっと私のそばにいます。
うちは自営業なので、お父さんがやっていた仕事の穴埋めをお母さんやおじいちゃんがしたり、
仕事をがんばるお母さんの分の家事の負担がおばあちゃんにかかるので、
私もほんの少し手伝ったりしています。
そして、お父さんは結核の療養で有名な病院でおとなしくしています。
日曜と水曜と、二回お見舞いに行ってきました。
生活範囲が病院の限られた場所しかない上にやることもないので、
とにかくひまでひまで仕方がないみたい。
お父さんのいるところは、B病棟といって、結核患者の中でも重度の人が入院しているところです。
特に、お父さんのいる病室は雰囲気がどんよりと暗くて、陽気なお父さんにはかわいそうな場所。
お父さんはせきも出ないし胸も苦しくないので、
普通見は健康な人となんら変わりない状態です。
元気なだけに、退屈なんだと思います。
救急車で運ばれる間にお母さんが車酔いをすれば台車に寝かせてあげて、
お見舞いに行った帰りに電車が止まったと聞けば心配して、
お父さんてば、病気なんだから自分の体を心配していればいいのに、
家族や仕事のことばかり心配しちゃって。
なんだか、心の中がぽっかりと空いて、悲しいような笑っちゃうような気持ちです。
早く元気になって、一緒においしいラーメン屋さんに行ったり、
「木更津キャッツアイ」の映画を見に行ったりしようね。


2003年09月20日(土) VOICE


彼の声が好きだ。
パチンとはじけるしゃぼん玉に近いけれど、もっと勢いがある感じのあの響き。
ぷくーっとふくらんでからはじける、チューインガムのような感じかな。
それよりももっともっとたくさんはじける感じもする。
そして、はじけるたびに私の心をふるわせる。
そんな声の持ち主は、彼だけ。


2003年09月15日(月) バドミントン


自転車に二人乗りして、犬の散歩や吹奏楽部の練習をしている公園へGO!
100円ショップで買ったバドミントンセットと、
吸盤がピタッとくっつくキャッチボールセットを持ってね。
キャッチボールセットは彼が私に似ていると言うスマイルマークになっていてお気に入り。
公園の中には体育館もあって、ネットが張られたコートでバドミントンをすることもできるんだけど、
私は草むらでお遊びのバドミントンをする方が好き。
先に羽根を10回落とした方がジュースをおごることにして、試合開始。
バドミントンをあまりやったことがない上に、
もともと運動オンチの私が予想通りに不利で、
ムキになって乱暴に羽根を打ち返す。
前に卓球をやったときもそうだった。
私がへたっぴで、怒っちゃって、嫌なムード。
怒りんぼな私に、打ち返しやすい球を出してくれる彼のやさしさは、ちゃんと感じてる。
今のはINだのOUTだのと言い合いながら、夢中になって羽根を打つ。
打ち合いが続くことは少ないけれど、彼と公園で遊ぶことが好きだ。
時は夕方、あっという間に空は暗くなり、試合は結局勝負がつかないまま。
(たぶん私が負けていたけど。)
コンビニで彼も私も好きなコーラを買って、乾いたのどを潤す。
はじける炭酸のゆるい刺激も、彼といるときは特別なものに感じる。


2003年09月13日(土) 水路の町


ヴェネチアが50年から100年の間に水没するかも知れないそうです。
原因は地盤沈下。
ヴェネチアはイタリアにある運河の町です。
今年の2月にイタリアへ旅行した際、町並みの美しさと穏やかさにすっかり魅了されました。
車どころか自転車やバイクすら走っていない、こちょこちょした狭い道や、
お祭り用の仮面・マスケラのお店や、
おいしい魚介類のレストランに、
一軒一軒のぞいたガラス屋さん、
そして美しいサンマルコ寺院。
そういうものすべてが水に沈んでしまうのかと思うと、ショックで仕方ない。
おばあちゃんと「一生懸命お金貯めて連れてってあげるから、
一緒に旅行しようね」って約束したところなのに。
今、イタリアでは「モーゼ計画」という地盤沈下による
水没防止のプロジェクトが進められているそうです。
その計画による最大のデメリットは、ヴェネチアの命とも言える運河の水がよどんでしまうこと。
水没も悲しいけれど、美しい運河が消えるのも悲しい。
ひさしぶりに、ヴェネチアングラスでできたアクアリウムを眺めてみた。
大事にしすぎるばかりにいつも本棚の中で眠っているこれと同じように、
いつかヴェネチアの町も水の中に眠ってしまうのでしょうか。


2003年09月12日(金) メロンソーダ


ひさしぶりに昼間も家にいて、だらだらと寝たり起きたり。
扇風機をゆるーくかけて、ひたすらダラダラしていると、ノックが聞こえてきた。
「トン、トン」
二回のノックはおじいちゃん。
木登りしている白くまの絵柄のついたコーヒーカップを差し出して、
「メロンソーダいるか?」って。
そういえば最近家族そろって食事を取ることがなくなっていた。
欠けているのは、毎日遅くまで出かけている私。
それに加えて家族一人一人が体調が悪くて、いつも通りに顔を合わせることも少なくなっていた。
だから、おじいちゃんは心配だったんじゃないかな。
さびしい気持ちもあったんだと思う。
おじいちゃんがくれたメロンソーダは、甘くてシュワシュワしていて、なつかしい味とにおいがした。
飲み終わったカップは、まだ、ベッドサイドに置きっぱなし。
明日は、ひさしぶりに家族そろって食事でもしようかな。
お母さんの好きな高校生クイズもあるし、私が時間通りに帰れば簡単なことだしね。


2003年09月11日(木) 国立科学博物館


「小学生のときあそこの恐竜の化石に落書きをした」とうそぶく彼と一緒に、
上野の国立科学博物館に出向いてみました。
上野近くの小学校に通っていた私にとって、なじみのあるクジラの博物館。
忠犬ハチ公や樺太犬ジロのはく製があるのもここ。
最後に行ったのは中2の夏休み、学校の友だちとレポートを書くためにだから、実に5年ぶり。
小さい頃とは違った感覚で見ていると、建物が洒落た造りをしていることに驚きました。
ステンドグラス、シャンデリア、吹き抜けの階段、石膏の壁、どれにも美しい装飾や細工がほどこされています。
ボランティアの説明員の方にたずねてみると、関東大震災後に建て直されてからはずっと同じ建物のままだということ。
大事に使われ続けた古い建物特有の気品と趣きを感じました。
博物館を上から見ると飛行機の形をしているということや
シーラカンスのはく製が展示されていたことは初耳。
私のお気に入り、ミイラやホルマリン漬けの展示があるみどり館が閉鎖されていたのは残念。
みどり館には初期の飛行機の模型の展示もあって、好きだったんです。
「たんけん広場」で童心に戻って身近な科学の実験や観察。
まったく違う場所にある対のパラボラアンテナに向かって話しかけると会話ができたり、
ペダルをこいでプロペラを回すと体が持ち上がったり。
「授業で習った簡単な物理の実験じゃない?」と彼に言われても、さっぱり分からない文系の私。
そんな私に説明員のおばさんやお兄さんが親切に仕組みを教えてくれました。
日の入りの後に行われる夜間天体観望会もおもしろそう。
新館の窓から上野公園ののびやかな眺めが見渡せるのも気持ちいい。
自分の興味にまかせて気になる展示だけ見るもよし、
博物館の人の説明を受けながら回るもよし、
大人になってからも、たまには勉強してみるのもいいものです。


2003年09月08日(月) 晩夏


他の子に対してと私に対しての彼を比べるのなんか、やーめた。
私は私だし、どうしようもないことだもん。
私なりに彼を好きで、彼なりに私を好きっていうだけで十分。
次の約束とか二人のルールとか、あってもいいけどなくたっていいじゃない。
ダメなもの同士で、不器用にでもちょっとずつ進んでいければ。

彼がふざけて送った「さようなら」のメールがおかしくて、ふふふってちょっと笑った。
それと同時に、いろんなくだらないものやことがどうでもよくなった。
秋に変わりつつある夜は、風がやわらかくて、やさしい。
自転車を丸くジグザグにこぎながら、いつもの鼻歌も歌わずに帰る道。


2003年09月03日(水) 一歩


君への思いを、たったこれだけの、電子の画面に映し出すことなんてできっこない。
私の存在自体が、君を好きだって主張してる。
いつもいつもいつのまにか、君のことで頭も体も心もいっぱい。
君が甘ーい甘い笑顔を私に向けてくれるだけで幸せな気持ちになれる。
手をつないで、キスをして、ひとつになれれば、最高に幸せ。
好きな人が近くにいて、その人を好きでいられて、その人も私を好きでいてくれる。
なんて幸せなんだろう。
君にいろいろ求めたり怒ったりもするけれど、
自分の中のよけいなものを取り除いたシンプルな部分は、君が好き、ってこと。
言葉の重み感じたい。
気持ちの重なり見つけたい。
もっとまだまだいろんなこと知りたい。
君にほめられると、体中が喜びで満ちる。
私のぶーっていうふくれっ面をかわいいって言ってくれる。
私が選んだ服はいいものばっかりだって言ってくれる。
この日記のいちファンだって、感動したって言ってくれる。
別に、君が何かをしてくれるからってわけじゃなくて、
君といると次々に新しい自分が見つかるから、うれしい。
君しか知らない私がいることが嬉しい。
そんな君だけの私を君が好きでいてくれることがうれしい。
君といる時間は私の宝物。
アイスクリームをなめながら歩く道も、君と過ごすベッドの上も、夜の電話も、
全部大好きで幸せな愛すべきものたちだ。
そんな時間を君と共有していることがうれしい。
共有できる相手が君だってことが何よりうれしい。
これから先、そんな時間を二人で歩んで行こうね。



  OLD NEW

// えじお / MAIL / HP //

My追加