Diary?
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2003年01月26日(日) しばしの別れ

出会ってから3年。毎日触れあっていたのに。一週間以上、離れたことは無かったのに。なのに行ってしまうのね。いつ帰ってくるかもわからないなんて。寂しい。私どうしたらいいの。

というわけで愛用のiMacは修理の旅へ。2週間から1ヶ月という、とても幅のある日程の旅である。とりあえずメールは転送設定しておいたけど、あんまり長いとメールボックスの容量が心配。私どうしたらいいの。


2003年01月24日(金) 人間ドック

年に一度の半日ドックを受診する。おもいっきり病み上がり、体調はお世辞にも万全とはいえない。再検査が出ないことを祈るのみ。2年前には再検査でえらい目に会った。結果は異常なしだったから良かったのだけど、検査が。ちょっと人生観が変わったもの。あ、それはちょっと言いすぎか。えーと、うすうす感じていたことを実感した、くらいかな。つまり、私の中には内臓とか骨とか筋肉とか血管とかがぎっしり詰まっていて、私は一個の肉塊であって、しかも機能としては一本の管であると。それは自分の腸のレントゲン写真をじっくりと見る機会に恵まれてしまったからなのだが、「ああ、私の中にはこんなものが詰まっているのか」と妙に醒めた感想を抱いたのを覚えている。

『チュビスム宣言』という本があって、その中で谷川俊太郎が「我等は自身が一本の管(チューブ)に過ぎぬという冷厳な事実を、歓びと畏れをもって受け入れ、我等が過去において獲得し、未来において模索するであろうところのあらゆる思想が、その管(チューブ)の先端に咲く花の比喩で語られることを確認する」という宣言草案を書いている。もう20年くらい前の本で、当時流行りのポスト・モダンの流れもあって今となっては古くさい部分もあるけれど、この宣言だけはなぜかずっと覚えていて、腸の写真を眺めながら「確かにチューブだなあ…」などと考えていたのだった。

それはさておき。この半日ドックは受診する場所を、いくつかの提携医療機関の中から選べるようになっている。私は毎年、都心の高級ホテル内のクリニックで受けることにしている。それはなぜか。近い、というのもあるけれど、それ以上に「気分」の問題なのだ。場所が場所だけに、対応はまるでホテルの接客のよう。どうせ腕に針をブスッと刺されたり、まずい液体を飲んでぐるぐる回されたりするんだったら、気分だけでも豪華にしなきゃね。終わった後にそのホテル内のレストランで使える食事券を貰えるのも嬉しい。金額としては大したことはないが、こんなことでもなきゃホテルのラウンジでサンドイッチ食べる、なんてしないから。ちゃんとピクルスとか付いてて贅沢な気分だ。毎年「ああ、これでバリウム飲んだ直後じゃなければもっといい気分なのに」と残念な気持ちになる。


2003年01月20日(月) イネムリ

この風邪は、様々な症状が一日にひとつずつ現れるようで、5日目ともなると症状オンパレードである。何とか熱は下がったけれど、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・咳・目の充血・吐き気・めまい・頭痛と各種取り揃えてお客さまのお越しをお待ちしております、てなもんだ。あまりのことに再度医者に行き、鎮痛剤やら鼻の薬やらを出してもらう。普段まったく薬を飲まないので、なかなか良く効く。

良く効くのはいいのだが、地獄のように眠い。勤労者としては非常に困る。職場で仕事をする分には何とかなる。電話に出たり、バタバタと動いたりしていればとりあえず眠気は忘れる。しかし今日は午後から某所に出かけてセミナーに出席しなければならなかった。じっと座って話を聞くのだ。仕事上役に立つし、個人的にも興味のある内容だったにも関わらず、しかも一番前の席、講師の方の目の前に座っていたというのに、それはもう大変気持ち良くイネムってしまった。電車で寝るのとはワケが違う、この「眠ってはいけない」という緊張感と押し寄せる睡魔とのせめぎ合い…その波にもまれてどこまでもどこまでも落ちてゆく……いや、反省してます。ごめんなさい。


2003年01月18日(土) ヌードルスープ

一人暮らしの者が寝込むにあたって、一番切実なのはやはり食料である。何度も寝込んできた経験を活かして、動けるうちに食料を確保しておくという冬ごもり前のリスのような行動を取るようになってくる。普段からレトルト食品を備蓄したりもするようになる。人生なにごとも学習するもんだ。

今回は、寝込み初日の医者帰りにコンビニで2000円も使うという暴挙に打って出たおかげで、まあ何とかなっている。備蓄されていた缶詰「キャンベルチキンヌードルスープ」も発見したことだし。スープでヌードルだなんて、んもう具合の悪い時にピッタリじゃないの。

しかしその缶詰、開けてびっくりであった。スープに入っているんだから、ヌードルとはいってもショートパスタなんだろうと思っていた。しかしこれは、缶から鍋にドバッとあけたところ、なんだか白いヒモみたいな、変な長さのモノが束になって出てきた。10センチ強というところか。しかもスープ漬けでふやけ切っていて、ヌードルというにはあまりにも太い。ヴィジュアル的に、それはそれは強烈だったのである。察して欲しい。食べたけど。暖め直して鍋をかきまぜる度にギョッとした。

……アメリカ人のたべものって、やっぱスゴイわ。


2003年01月16日(木) 発熱

4年ぶりに寝込む。医者に行ったら前回のカルテが平成11年だった。この4年というもの、不気味なまでに健康だったのだ。

4年前までは、どちらかというと身体は弱くて、年に1、2回は扁桃腺を腫らしたり風邪を引きこんだりして40度近い熱を出していた。それがどういうわけかパッタリと止んだ。アレルギーも殆どなくなった。特に何か健康法を実践したとか、生活を改めたということもないのに。

熱は出さなくなったけれど、そのかわりに怪我をしたり腰を痛めたりと外科的なトラブルに見舞われるようになった。どっちがイヤか、微妙なところだ。

まあとりあえず今回は、久しぶりの発熱で何だか懐かしい感じを楽しんでる。このクラクラ、フラフラする感覚、ふっと目を閉じたら何時間も経ってる時間の歪み。40度に慣れた者にとっちゃあ、38度の熱なんてちょろいもんなのだよ。


2003年01月04日(土) マキコマレ

新年早々、なんでこんなことに。ああ寒かった。

帰省していて、東京に戻ってきたのだ。実家を夕方に出発して、東京駅に着いたのは夜の9時半くらいだったかな。東京駅からようやく家の前にたどり着いた時のこと。
私が住んでいるのは都心といえば都心ではあるが、大通りから一本裏に入ったところなので、夜、しかもまだ正月休みともなればほとんど人通りは無いに等しい。そんな寂しい夜道をバッグ転がしながら隣の家の前を通りかかると、何か大きいモノが落ちていた。ん?と思って良く見たら、人だった。
新年会帰りの酔っぱらいが寝てるのか?この気温、外で寝るのはまずいでしょう。声をかけようと近づいたら、頭のあたりにとっぷりと血だまりが…。ひぃぃーっ!!

思わず後ずさりしながら「どうしましたー!だいじょぶですかー!」と叫んでみたらもぞもぞ動いたので、「そのままじっとしててくださいー!」と叫びながらうちの大家さんのところに駆け込んだ。大家さんに救急車を呼んでもらって、他の通行人も加わりつつ介抱してたんだけど、ベロンベロンの酔っぱらいであった。「どちらにお住まいですか」と聞いても「わからなーい」だし。でもそれが酒のせいなのか怪我のせいなのか判断できないのが怖くて。しかもスキンヘッドのおやじだったので、後頭部の裂傷とか腫れとかモロに見えてこっちは参ったが、当人はまったく状況把握してない。ちょっと油断すると「さ、帰ろう」とか言って立ち上がろうとするし、かと思えばまた路上で寝そうになるし。「おかんじょー!」ってなんだよ。まだスナックに居る気でいやがる。「今、車呼んでますから」とかなんとか(嘘じゃないし。)なだめながら救急車を待った時間の長かったことよ。

その酔っぱらいを救急車に乗せて、やっと私は部屋に帰れたのであった。
でもなー、夜道で血だらだらの人が転がってるのに遭遇するっていうのはとてつもなく恐ろしかった。当然だが。


2003年01月01日(水) 謎の儀式

毎年、正月は実家で迎えている。
いつも疑問に思うのだが、実家の元日の朝のあの儀式は一体何なのだ?実家に代々続いてきた風習らしいのだが。

まず鏡餅は小さいのがずらりと、11個だか13個だか並んでいる。山の神様の分とか水の神様の分とか、そういうことらしい。鏡餅の隣には、お三方にいくつかのおめでたいアイテムが載せられている。ごまめ、みかん、結び昆布、カズノコ、干し柿、梅干、たたきごぼう。で、家族全員が夜型人間であるにもかかわらず、元旦には6時くらいに叩き起こされる。家族はひとりずつ、小皿を持って三方にお供えしてあるアイテムを少しずつ頂いてくる。家族全員が揃ったところで、「おめでとうございます」ってことで神様からの頂き物を食す。梅干と昆布はお茶に入れて飲む。それからおもむろにお雑煮の準備などにとりかかるのだ。

子供の頃は、これが普通のお正月だと思っていた。ある時、実家の近所でさえもこんなことをしている家はないらしい、鏡餅は大きいのが一個というのが標準らしい、などということが判明して非常に驚いた。

お三方から頂いてくるというスタイルは、大江健三郎の小説で四国の山中の家の風習として出てきたように思う。でもその小説では、家族がそれぞれ小皿を持って、一人ずつバラバラの場所(家の中で自分が気に入った場所)で食べることになっていた。途中までは似ているけど、それはちょっと寂しくてイヤだなあ…


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