Small Talk 〜雑談〜

2012年04月10日(火) センサーを研ぐ

生き急いで燃え尽き中。

仕事の役回りが確定。
慌てなくても、ふと遊びのお誘いがくる幸せ。
ちょっと赤字かな、というタイミングでのミニボーナス。

習い始めたギターの発表会。
バンプのライヴ。
ハワイ旅行計画。
GWの読書の合宿。

数ヶ月間、あまり走らなかった。
意識を中に向けていた。
ささやかなものに気づくセンサーの精度を上げようと思った。

先々月、腫瘍が見つかった。
切除したら良性だった。
最初は良性かどうかわからず
とりあえず、苦しみも痛みも全部味わい尽くすと決めた。
前のガンの時には、総てが麻痺していたから
強烈な出来事だったはずなのに、表面をさらりと流れていった。

私はモノだったし、モノだと思い込んでいたし、
モノ扱いもされていたけど
そんなことは関係なく、ずっとナマモノだった。

相変わらず、強烈な情熱などは
気を取られるし、目も奪われる。
でも、そういうものは飲み込もうとしても
私には消化できないことを知っている。
今の私に限ってなのか、元々そういう身体なのかはわからない。
栄養失調であればあるほどご馳走を見ると食べたい。
善意と幸せで満ちたものであるほど食べたい。
あっさりと容易く食べる周囲。
私が食べると吐いてしまう。
口に入れても入れても、吐いてしまう。
憎しみ。
悲しみ、痛み、苦しみ、不甲斐なさ、無念さ。
何より空腹。

果てしない、届かないと知っている。
あまりにも届かないと、食べている人をギロチンにかけたくなる。
届くことを諦めていれば、何も感じないはずだが
私は「総てを知り尽くしていたい」煩悩を持つ。
総てを味わい尽くすつもりでいる。
だからセンサーを研ぎ澄ます。

パンがなければお菓子を食べろという人に、
民衆がどう反逆したか。
お菓子を下さい、うらやましい、食べたい食べたい、
そんなことすら言わず、断罪。

そういう感情も、そのメカニズムも
今、骨の髄まで叩き込んでいる。
モノにした時には、涼しい顔をしているんだろうよ。

去年似たようなことがあったよな
あれは、今更食べても食べても食べきれない、
総て食べるには時間も容量も足りない、だったか。

弱っている人には薄味のものや、お粥が合っているのでしょ。
ご馳走を持たない人の、薄い粥。とても沁みる。
ご馳走を持つ人で、病人にお粥を出せる人はあまり多くない。

薄味をわずかで、多分事足りる。
確かに私がこれまで好きだったものは、みんな薄味だった。
私を好きだというものは、みんな濃かったけど。


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