海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2005年06月23日(木) おもしろくなってきた

6月1日付、大阪国税局 課税第二部 鑑定官室長名で「秋の新酒鑑評会/燗酒用清酒の部への出品希望製造場の確認」という文書が先日まいりました。

あくまでも実施計画案の段階なのですが、お酒が充分に味乗りする秋(品質評価は10月中旬、一般公開は11月上旬を予定)にお酒の鑑評会をやろうというのです(すでに他局で実施されているところもあるのですが、大阪局がこんなことを言い出したのはこれがはじめてです)。

出品区分は以下の通り6つです。
イ)平成16酒造年度に製成した吟醸酒の原酒(純米吟醸を含む)
ロ)燗酒用清酒(市販酒規格に割り水したもので酒造年度は問わない。精米歩合は60%より黒いものとし、きき酒評価温度は45度)
ハ)生もと系清酒(市販酒規格に割り水したもので酒造年度は問わない)
ニ)長期貯蔵酒(貯蔵期間3年以上で市販酒規格に割り水したもの)
ホ)低アルコール酒(アルコール分12%未満で酒造年度は問わない)
ヘ)その他(ハ〜ホに該当しないもの)

いかがですか、特にロやハの部門は個性的で味わいのしっかりした滋賀県の地酒にお誂え向けとは思いませんか。今津酒造組合の会議で出品の意向を聞かれ、ほろよいはもろ手をあげて参加表明しました。

大阪国税局鑑定官室といえば清酒製造の技術的な部分で、近畿圏の蔵元を統括し、灘、伏見という2大清酒生産地をかかえています。

ナショナルブランドのメーカーのほとんどが傘下にあり、退職された鑑定官も何人かは各大手メーカーに顧問や研究室長として再就職しておられるため、酒類行政はどうしても地方の蔵元の振興より、大手の方に向いてしまう傾向があったのですが、どうやら新しい鑑定官室長に代わられてから風向きがかわってきたようです。

灘には「剣菱」「白鷹」といった燗酒にめっぽう強いメーカーもあるので油断はできませんが、面白くなってきました。








2005年06月22日(水) 怪発光体?



↑委員会終了後、気分転換にホタル狩りに。ほろよいのデジカメではホタルの光だけを写し取るのがやっと。なんともはやライトグリーンのきれいな色をしていますねえ。


マキノ生活プラザ(仮称)設立準備委員会なるものに出席。

マキノ駅前に小型のショッピングセンターつくろうということで、マキノ商工会が音頭をとってさまざまな方法を模索しているのですが、なかなかコレというような決定打がありません。

いろいろな立場の方が意見を戦わせるのですが、中心になるべき物販関係の人材が手薄でなかなか前向きの話になりません。

月に1度、ログハウス風の仮説店舗を組んで「あったか市」開催し、ショッピングセンター設立の気運をもりあげていき、熱のある賛同者をつのっていこうということになりました。

本業の酒がこんなに落ち込んでいるのに、他人様のことまで心配するのかといわれそうですが、地元が活性化しないと「竹生嶋」も売れていきません。

乾いたタオルを絞って、数滴の水をしぼり出すような努力が続きそうです。




2005年06月20日(月) 棚卸し

ちょっとワケありで、2時間がかりで吉田酒造の全在庫を棚卸し。

冷蔵庫のスミに隠れていた、2年前のにごり酒が数本ひょこっとでてきたり、15年前の大吟醸が出て来たり、帳面にはのっているはずなのに姿の見えなくなった酒があれこれでてきました。

当時は、売れるだろうと思って詰めたんですが、1回は売れても、後続の注文がこなくなってお蔵入りなんて酒がほとんどです。

御時世のならいで、少量多品種化はやむを得ないのですが、スポットの限定商品はもっと厳しく生産数を吟味しなくてはいけませんね。

自戒の意をこめて、2年前の雪花にごり酒を今夜きき酒といきましょうか。



2005年06月17日(金) 突然の銃声



↑漁船からカワウを駆除するIさん。たまに鹿刺しを頂戴します。

早朝6時すぎ、琵琶湖の方からパンパン!パンパン!と乾いた破裂音が断続的に響いてきます。

すわ!一大事と窓から湖をのぞきこむと、近所のIさん(猟友会所属)が漁船に乗りこみ、猟銃をかまえているではありませんか。

ああそうだった、今日はカワウ駆除の日だったわいと、きのうの防災無線のお知らせを思い出しました。

ここ10年ほど琵琶湖にカワウが大繁殖し、鮎を食い荒らすわ、竹生島の木を枯らすわ、大きな被害がでています。

数匹が羽を乾かしている姿は、ユーモラスでのんびりとしたものですが、何百羽(もしかすると千を超えるかもしれません)ものカワウが黒い編隊を組んで乱舞する姿は壮観というより、不吉で禍禍しいものを感じてしまいます。

殺生は好きではありませんが、こんなに増えてしまったのですから、やむを得ないのかもしれません。

滋賀県農政水産部水産課のHP
http://www.pref.shiga.jp/g/suisan/kawau.html
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/2005/5/18/0518gf00.pdf

滋賀大学教育学部で湖沼学の教鞭をとる遠藤修一先生のホームページより(http://www.sue.shiga-u.ac.jp/~endoh/)荒れ果てた竹生島の現状をごらんください。

↓湖面に落とす深緑の姿を、緑樹影と謡われた竹生島も今は地肌をむきだすのみ。
http://www.sue.shiga-u.ac.jp/~endoh/kojitsu2002/kj2002-2.jpg



2005年06月12日(日) 勤労奉仕デー

愚息が通うマキノ東小学校の資源回収と環境整備の日

古紙はあんまりお金にならないので、一升瓶、ビール瓶、アルミ缶のみの回収で、一升瓶はほろよいの会社が買わせてもらっています。

集まった600本強のラベルを見ると、簡単な地元の市場調査ができてしまいます。まだ半分くらいは「竹生嶋」のラベルですが、やはり焼酎のビンが増えてきました。もらい物とおもわれる地方地酒のラベルもちらほらあるようです。

うちのラベルのビンが3分の1を割り込んだら、いよいよ廃業ですな(笑)

つづいて校舎まわりの草刈を2時間ばかり。うちの学校はそのほかにもビオトープ学習をしている西内沼と、奥田沼をかかえていますので、親があちこちにちらばってしまい、けっこうな仕事量です。

ちょっと気が向いたので、お昼は奥様のかわりに、ほろよいが野菜のてんぷらと冷麦をこしらえ、冷たいビールををゴクリといっぱい。いい汗をかきました。



2005年06月10日(金) 呉越同舟

朝7時、「琵琶の長寿」の池本専務といっしょに、徳島県阿波市へ山田錦の視察に出発。かたや全国区の金看板蔵元、かたや滋賀最北端の場末の蔵元という妙な取り合わせですが、そこはそれ同郷のよしみ、呉越同舟ながらも楽しい旅となりました。

池本専務は東京の地酒専門卸会社で修行され、2年前に蔵に帰ってこられました。最初の年の仕込みは無我夢中だったそうですが、2造り目の今酒造年度は杜氏さんと二人三脚で酒造りにはげまれ、見事、新酒鑑評会で金賞をとられました。今年の長寿はいい意味で味が変わったともっぱらの評判です。

道中、池本君の趣味であるクルマ(メチャいじくったスカイラインが彼の愛車)の話やら、仕込みの話、家族の話やらにもりあがり、お昼前に阿波市に到着。

平成の大合併の号令のもと、今年4月、阿波町も周辺3町と合併し市になったそうで、「あわ市」とか「よしの市」なんて幼稚な呼び名にならなかったのは住民の方の見識でけっこうなことです。

JA阿波の本店でここの山田錦を仕入れている各地の蔵元さんと合流、いつものように圃場の見学と恒例の田植えをさせていただきました(10数人がかりで4畝のたんぼを手植えするのでたいして時間はかからないのですが)。

今年もJA阿波の農協さんはやる気満々で、昨年並の240人の栽培者で165haに作付、田植えも6月10日からスタートというルールをすべての農家に徹底されています(これは日格差がとれる9月半ば以降に登熟期をもっていくための配慮です)。

マキノにつづき徳島でも山田錦が植えられ、いよいよ次の仕込みの前哨戦がはじまりました。



↑徳島道/鴨方インタ−近くのうどん屋さん「八幡」の天麩羅うどん(710円)とちらしずし(自家製340円)。となりの県がうどんの本場なので徳島のうどんもおいしゅうございます。ちょうど昼時で地元のかたでにぎわってました。お土地柄お遍路さんの御一行もよくおみかけします。



↑本日6月10日からはじまった山田錦の田植え。滋賀県の田んぼとはちがい、土の色が白っぽいのに注目。兵庫山田錦の田んぼもこんな色をしています。



↑弱々しげにみえますが、1株あたりの苗の本数は2.3本で充分なのです。



↑苗箱で充分に生育した山田錦の苗。こういう風に黄色味を帯び、肥料の抜けがよい方が理想的(逆に深緑色をしている苗は肥料がききすぎてよくないそうです)。マキノの苗にくらべると、ちょっとスラリとしすぎているのが物足りないです(播種量は苗箱あたり、吸水後の籾で180gとのこと)。



↑今回参加された全国各地の蔵元さん。御存知のかたはいらっしゃいますか。



↑カブトエビ、この時期阿波市のたんぼでよく見かけます。泳いでいる姿は昔はやったシーモンキーのよう。



2005年06月07日(火) 職業体験5人様御案内




↑補植をするA中学のみなさん

神奈川県海老名市のA中学から5人の生徒さんがお見えになりました。

修学旅行と総合学習をかね、1日目は京都市内を観光。2日目の今日は京都の錦市場の商店や伝統工芸の事業所、高島市内の地場産業の事業所などに、小グループに分かれて職業体験するのだそうで、マキノでは地酒の蔵元として弊社に白羽の矢がたちました。

なにをやってもらおうか迷ったのですが、参加希望者の名簿を見ると、クラブで野球やサッカー、軟式テニスをやっているスポーツ小僧(笑)ばかりでしたので、山田錦の田んぼに連れていって、苗の補植をしてもらうことにしました。

5月28日に田植えをしたばかりで、まだ田植え機が植えそこねて歯抜け状態になっているところが結構ありますので、田んぼにはいっていただき、手で苗を植えたしてもらいました。

ヒバリのさえずりをBGMに、ヤゴやゲンゴウロウやヒルを見つけてはしゃいだり、おしゃべりしながら2時間弱、楽しんで作業していただきました

少々おつかれ気味ながらも御機嫌で帰りの電車に乗っていただいたのですが、ほぼ半日をさいて受け入れる側から言わせてもらうと、物見遊山ではなく、授業の一環としておいでになるのであれば、訪れる土地や職業体験する産業や会社について、もう少し予習をしてから来て欲しかったです。



2005年06月06日(月) ホタルブクロ




↑咲きはじめたホタルブクロ(いくつかつぼみも残ってます)

5日が日曜だったため、今日6日が集金日です。

銀行振込が増えたというものの、まだまだ地元の酒屋さんは5日に集金にまわるところがほとんどです。

昔にくらべると集金額も少なくなって、暗澹たる思いがつのってきます(ひと昔前の集金は(特に年末は)集金カバンがパンパンに膨らんだものですが)。

集金の途中でホタルブクロが咲いているのを発見しました。ハデなところはないのですが素朴な野の花です。いよいよ初夏となりホタルが飛びかう時分になったのですね。中に入って光を出したら素敵でしょうね(ファンタジアのワンシーンを思い出させます)。



2005年06月01日(水) 道の駅けっこう売れてます

去年10月にオープンした「道の駅マキノ追坂峠」が大健闘。新鮮な地元野菜や果物など地元の特産品をはじめ、佃煮や鮒寿し、鯖寿しも人気で、今のところ見込をこえた売上をあげています(http://www.ex.biwa.ne.jp/~ossaka/)。

農家の方は、自分の畑で取れた野菜のほかに、山でタラの芽やセリ、タケノコなどを採ってきて売り場に彩りを添えたり、減反した田んぼに園芸用の花卉を植え、生け花に使う花材を販売している方もいらっしゃいます。

佃煮屋さんは手製のPOPを作って商品に添え、季節によって販売する品にメリハリをつけたり、同じ商品でもパックの量を個人用やお徳用に分けて売れ行きを調べ、アンテナショップのように利用しておられる方もおいでです。

仕出し屋さんや飲食店は、地元の素朴な食材を生かした弁当や鯖寿しをならべ、これまた好評で、週末はコンビニ弁当なみの売れ行きだそうです。

生産者のやる気や創意工夫がうかがえる売り場は、刺激があってお客さんも楽しくショッピングができるというものです。商売というのはこれでなければいけません。

4月にはようやく小売酒販免許(観光用ではなく、容量や種類に限定のない通常の酒販店用の免許で、その気になったらワインでもウイスキーでもビールの生樽や菰樽でも販売できます)を取得し、地酒「竹生嶋」も並べることができました。

こちらの販売のほうは、ほろよいの工夫がまだまだなのか、ボツボツといったところですが、いろいろ展開を考えていますので、乞う御期待といったところです。


竹生嶋販売コーナー。売り場の性格上、常温管理できる720ml商品を3種、本醸造のカップ酒をならべています。向かって右端は、観光用に企画した300ml詰の純米酒、純米吟醸が3種類入った「純米酒飲みくらべセット」1300円(税込)で非日常的な手提げのセット箱に入れ、比較的手を出しやすい価格設定なのかけっこう売れてます。「お酒コーナー」「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」という真っ赤な毒々しい表示は税務署の指導で表示が義務付けられています。


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