恋のさじかげん
れのん



 ココニイルコト

何も言ってくれないことに、傷付きながら、
それでも、何も無かったかのように、普段通りにチャットする。
何も言ってくれないのは、私が無力だからではなく、
私にそう言う面を見せたくないからなのだと、勝手に思いこもうとする。
それでも、それが勝手な思いこみであり、
彼の真意は別の所にあること、
分かっていても、気づかない振りをしている自分に、
ますます、惨めになる、、。
こんな思いをしながら、誰もが恋愛をしているものなのだろうか、、。
すでに、恋愛なんて終わっていて、
「都合の良い時に必要とされるセックスフレンド」だと割り切った方が、
ずっと、現実にあるような気がしてきた。
どうして、私は居るんだろう。
どうして、私は要るんだろう。
もう、要らないかもしれないのに、、、、、。
癒しにもなれない、必要ともされない、
友達にもなれない、妻にもなれない、、、、、
そんな私って、一体、何?
ただ居るだけなんて、切なすぎるよ、、。
それだったら、もう、どっかいっちゃって、
別の人と生きていきたいよ。

2001年09月30日(日)



 気持ちを断ち切る斧

気にしない、と決めても、さすがに落ち込んだ。
メールの返事も来ないし、チャットで会っても、Qでも、
かまってもらえないのなんて気にしないけど、
少しも相手にされないのは、やっぱり、苦しかった。
彼の父親が起こしたトラブルのせいで、彼は仕事を失うかの瀬戸際。
こんな時に、何もしてあげられない自分を情けなく思うけど、
それ以上に、少しも頼りにしてもらえない、
いやしにすらなれない自分を思うと、なんだか、辛くなった。
あたしは、何もしない方がいいのかな、、、とも思った。
メールも、電話も、Qも、チャットも、、、、、、、、。
あたし一人が出来る事なんて限られているし、
少しも力になれないかもしれない。
でも、あからさまに相手にされていないのは、
あたしの存在感、これまでの日々も、
全く意味のないものだと突きつけられたような心地になった。
せめて、「おやすみ」ぐらい言ってから落ちてもいいのに、、。

このまま、どんどん遠くなって、別れるのも悪くない。
今しか、もう、ないんだと思った。
あたしの仕事の試験の合否はまだ発表にならない。
このまま、離れて、物理的にも、心的にも、離れて、
一人で新たな気持ちで始める方が、
人生は、有意義なのかもしれない。
心の奥底で研いでいた刃物が、その出番を待っている。
彼が私を必要としなくなるのなら、
この斧で、私はこの気持ちを、断ち切ろう。

2001年09月22日(土)



 期待しない。

愛している、其の言葉が聞きたくて、
聞けなくて、切なくて、、、そんな頃があって、
今は、そんな言葉だけでは、足りなくて、
ううん、それどころか、
その言葉がかえって白々しく感じられてしまう。
愛している、けれど、妻と別れることをしない。
愛している、けれど、具体的なアクションには踏み切れない。
けれど、、、君を離したくはない。
そんな自分勝手があるのだろうか、、、といらだちを感じることも。
時間が、緩やかに、けれど確実に流れていく。
不倫を始めて二年と7ヶ月。始めて出会ってから、もうすぐ三年。
私は少しずつ、真剣になり、はまり、そして今、諦めかけている。
不倫の関係に挫けたわけではない。腐ったわけでもない。
ただ、この関係が不毛なのだと、痛いほど分かったから、
自分から、諦める心構えでいる。
切ない時も、連絡のない日曜日も、嘘のある彼にも、
私は期待しないことを始めた。
期待しないことは、もう、終わりを知った人にだけ出来る、
一つの誤魔化し、一つの割り切り、一つの答え。
私と彼との間に、距離が再び生まれたら、
彼はどうするのだろう、、、、、。有る意味、見物。
そう言って茶化すことでしか、私はプライドを保てない?
恋をして、プライドも、キャリアも、かなぐり捨てて、本性を晒して、
それで女として魅力的かしら?
余裕のある女の振りをしていたい。
それが例え背伸びでも、無茶でも、自分への嘘でも。。。。


2001年09月18日(火)



 ブレーキ

週に一度、彼に会う。
映画や、遊園地や、公園や、、、、、で、
普通の恋人同士のように振る舞って、
家族連れを横目に、何も深く考えないようにして、
ただ、話したり、手を繋いだり。
こんなに平穏で、こんなに静かな幸せを私は知らなかった。
心の底では、この関係を断ち切る斧を、研ぎながら。。。。
それでも、幸せを感じて、別れるときは何だか切なくて。。
「名残惜しいな。」彼は言う。
一緒には居られない二人なんだと、改めて自分の心にブレーキをかける。
ブレーキがすり減りそうでも、現実は現実で。
「、、、そうね。また。元気でね。」
そう言って車から降りるタイミングを何度となく逃しながら、
切なさに酔いしれる。

恋は魔物だ。恋は狂気だ。そして、恋は熱病だ。。。
心を飼いこなせないと、いずれ、呑まれるような。。。

2001年09月16日(日)
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