恋のさじかげん
れのん



 過去と信じる気持ちと痛み

人を信じることはきっと、素敵なことだと思う。
けれど、過去が現在に繋がる時間軸の上にある以上、
私は、彼と私の「これまで」を、美化することも、修正することもできない。
彼に恐怖を感じたことがある。
指先にまで染み込むほどの寂しさを味わったことがある、
自分が体しか求められていないのだと感じたことがある、
冷たくされて、意地悪されて、泣いたことがある、
彼を一度は、断ち切って、他の人との恋愛を考えたことがある、
辛い過去を、未来の糧にしようと、許そうと思ったことがある、
自分かわいさに、現実を捻じ曲げてしまいたかった、
でも、自分に嘘を付けなかった。
だから、私はいつも傷ついた。合理化なんて出来なかった。
白昼夢を見て、幸せを感じることなんて、出来るはずも無かった。
彼を信じるのは、恐い。
彼を信じたい、彼を好きだと思う、彼と別れるべきだと思う。
でも、本当は傷つくのが一番恐い。
信じることにも、愛することにも、別れることにも、痛みを伴う。
彼を受容する勇気、未来を生きる強さ、決断の辛さ。
痛いことをしなければ、人は生きてはいけないのだろうか。
同じ人に、冷たくされて、嘘つかれて、捨てられるのが恐い。
捨てられる前に、捨てるべき?
それとも、過去を全て許し、全てを洗い流し、消化して、
未来を生きる前向きさと、罪悪感と、無償の愛を、、、、、、
私は、そこまで乗り越えられない。。。。
どんどん自分の殻に篭ってしまう。
大切にされているのに、凄く不安。
好きだと囁かれても、信じていいのか戸惑う。
人を信じることは、痛いものだと思う。。。




2001年06月30日(土)



 不倫に向かない女

私はつくづく、不倫には向かない女だと思う。
向き不向きがあるのかといわれれば、きっと有るのだろうと思う。
しかし、あうあわないに関わらず、人は、恋をしてしまうものだし、
その相手に妻子がいる確率だって、決して低くはないのだと思う。
不倫の恋は不幸なのか、それについては、「そのとおり!」とは言えない。
なぜなら、不倫の関係において、自分が何を求めるか、による。
例えば、恋はしたいけれど、結婚はしたくない。
そういう女性だって、この世の中には多く存在する。
女性にとってみれば、結婚を求めない男の人は、一緒にいて楽だという事。
そして、一緒につき合っていって、恋愛の醍醐味はちゃんと味わえるのなら、
幸せだし、それも一つの関係性として成り立つように思う。
(男の人の不倫の意図は無視してるけど、、。)
自分がどういう女なのか、その見極めができたら(まず難しいけど)、
どういう恋愛観、結婚観を持っているのかが分かるでしょ?
そうなれば、不倫に、向いているのか向いていないのかが分かるような気がする。
まぁ、分かったとしても、意味ないかもしれない。
もしかしたら、よけいに辛くなるかもしれない。
自分の求める理想と、現実の差に。
始まってしまった恋愛や、走り出してしまった気持ちを止める要素として、
自分の趣向なんて、弱いものでしかない。
恋に落ちたら、人は「さじかげん」なんて忘れてしまう。
人は本能でしか動かない・選択しない。
結局、行動を決めるのは、理性ではなく、本能!
どんなに理性的じゃないといわれても、
どんなに取り繕った理性的な自分を演じても、
人は自分の本能を無視して、人生を選べないように出来ているのだ。。。
本能的に生きて何がいけないのかしら?恋愛ぐらい素直に行こうよ。
自分の思うように出来る事なんて、そんなにたくさんないから。。。。

もちろん、愛人には、それなりの代償と、心労は有りますけどね。。。



2001年06月29日(金)



 待つ

待つのは大嫌い。
電話を待つ、メールを待つ、彼が来るのを待つ、彼が夢から覚めるのを待つ、
問いかけの返事を待つ、終わりを待つ。。。。
私はいつも終わりを見ているのに、終わりを見ようとしているのに、
この関係においても、いつの間にか、待ってしまう。
電話がなくて、メールが来なくて、彼の姿が見えなかったら、
その場で崩れてしまいそうになる。
涙は決して見せないように、一生懸命我慢して。。。
そういう待ち合わせをいつもしていた。
その後行く場所は、ラブホテルだというのに、
彼が来ないことの方が耐えきれなかった。いたたまれなかった。
いつも待たされて、ひどい顔して堪えて、ひどく惨めに感じて、
棄てられたような気持ちで、無意味な自分の存在すら呪った。
待ちたくない。
待つのは、「自分の思いが彼のそれに勝っていることを証明するようなもの」
と自分を戒める。
好きの量で恋愛の勝ち負けなんてないし、
その量を量る升も、勝ち負けの判定をしてくれる人もいないのに。。。
いつも追われていたいのかしら?
いつも好きでいてくれる人じゃないと、嫌だっていうプライド?
、、、本当は、一緒に居てくれる人を私は求めている。
べったり一緒に居るっていう意味じゃなくて、
離れていても、彼の存在を考えるだけで幸せになれるような、
そんな安心感が欲しい。
やっぱり、私は結婚したら精神的に落ち着くタイプなのかもしれない。
家で彼の帰りを「待つ」ことは、楽しみだと思えそうだから。。。

2001年06月27日(水)



 深夜の電話

私と彼は、毎日平均10通程度のメール交換をする。
今頃になって、ラブラブカップルの如き日々を送ってる。
基本的に、電話出来ない。と思っている私は、
彼が一人であることを確信、もしくは察知してからでないと電話しない。
今日、久しぶりに電話した。
彼の妻は、先に寝てしまっていて、(いつものことみたいだけど)
食事を用意していないらしく、
彼は深夜に食事に出かけるという。
彼が車に乗り込んだであろうタイミングで電話してみた。
喧嘩しているわけでもない、彼の妻が食事を作っていない、
そのことを知ってしまったら、同情したわけじゃないけど、
少し、後味の悪い思いをさせてしまったような気がして、、。
その理由が私に有ることを、少しは思ったけれど、
(ばれているかどうかは不明だとしても)
それ以上に、何気なく言ってしまった言葉が、
その事実を聞き出してしまった事に、彼の居心地の悪さを思って。
私は妻を責めないし、もちろんのことだけど、そんな権利もない。
そして、「もし私が彼の妻だったら。。。」なんて言う空想もしない。
私は彼の妻ではないし、実際にそうならないことだって分かってるし、
何より、それを望むことはあってはいけないこと。
彼と妻との間は、彼と妻の問題であって、私の問題じゃないから、
当然のことだけと、介入しないし、よけいな干渉もしない。
同様に、彼と私との間は、彼と私の問題だから、
私は現実を越えた想像もしなければ、
彼の家庭のことに興味を持っても、
聞きすぎると自分が傷つくことが分かっているから、
何も聞かないし、何もいって欲しくないぐらい。。。
なのに、今日はたまたま軽く口にしたことが、
彼の家庭について、興味本位で介入しちゃったみたいで、
自分の方向性を違えていて、嫌だったのだと思う。。。
彼の声は、うなだれている風でもなく、
突然の電話に喜んだみたいで、少し、ほっとした。。。

2001年06月23日(土)



 日曜のこと

日曜日の日記には「彼と別れる!」と
追いつめられた末に書いてしまったのだけれど、
その後、というか、夜に、彼はやって来た。
どうやら、朝方の会話で自分が言い過ぎたことを後悔しての事みたい。
「彼は、同じ過ちをくり返したんだ。」そうくり返して、
同じ切なさや、同じやるせなさをもてあます前に、
決別を決めた、私。
でも、今回の彼の対応は早かったといわざるを得ない。
あのまま、なんの連絡もないまま、一日を過ごしてしまっていたら、
別れは確実のものとなったのだけれど、
そうはさせなかったのは、ひとえに彼の努力とも言えるだろう。
だからといって、総てがクリアになったわけじゃない。
私と彼の日々は、彼は気づいてはいないかもしれないし、
気づきたくはないのかもしれないのだけれど、
終わりへと向かってカウントダウンが始まっている。
どうして別れるのか、不倫だからよ。
終息へと向かっているからといって、暗い訳じゃない。
未来がないとしても、今という時間を、私はステキな日々にしたいと思う。
だから、思い出づくりの日々だと、考えている。
きっと、別れるとき、私は泣くのだろうけど、、。

2001年06月20日(水)



 別れます

気持ちの落差が激しすぎて、
心がついていかない。憔悴しきって、もう、何も考えたくない。
自分の気持ちを伝えないと、言葉が不足すると、
相手を限りなく手探りで想像するしかなくなって、
恐くなって、どんどん引きこもってしまう自分を分かってた。
だから、どんな小さな感動でも、どんな小さな悲しみでも、
伝えようとしたけれど、なんか、やっぱり、だめみたい。
私は重いのかもしれない。子どものようになんて振舞え切れなかった。
でも、不倫なんだもん、女なんだもん、「普通」には行かないよ。
本当の優しさって、不倫すると決めたときから、
ちゃんと腹がくくれているってことだと思う。
それが出来もしないのに、「やり直したい」なんて安易に言って欲しくなかった。
どんな小さなことで、私がゆれて、涙することがあるなんて、
少しも知らないんだ。
知らないから、そうやって、いいかげんな態度がとれるんだ。
眼に見えるものだけが、真実じゃないし、
眼に見えるものだけが、存在するものじゃない。
彼は今、私が泣いていることも、その理由もきっとわからない。
安定したい。気持ちを求められたい。
こんなに不安定で、体しか求められないなんて、
私はもう、いやなんだもん。
やっぱり、別れます。
自分が壊れれしまいそうだから。
私にとって、一番大切なのは、「私」だから。

2001年06月17日(日)



 結婚しません。

人は変われるのだろうか、、。
一度わかれた彼が優しくなって戻ってきたからといって、
それを信じて、また新たに受け入れることに、
ほんの少し、違和感を感じてしまう。
嬉しいことでもある。でも、騙されているような感じ。。
そこまで信じられないのは、傷つくのが、恐いからね。
キスするのが恐いし、私には逃げ道が必要。
でも、私は、決めました。
彼とは結婚しません。
まだ、正式にプロポーズだってされてないし、彼はまだ離婚すらしてない。
でも、それを待つのも、そうならなくて焦るのも、
自分にとって、決してプラスにはならないと思うから、
決めました。(勝手に)
彼と一緒に居ると楽しいし、彼と一緒に居る自分をようやく、
好きになれはじめた。ムリしてないし、自然体で居られるから。
でも、結婚は望まないし、したいとも思わない。<彼とは
だって、今の関係が居心地良いのも、切ないのも、
私たちが不倫をしているからだと思う。
もし、不倫じゃなくなって、二人の間の障壁が全て崩れたら、
今みたいに彼を大切にも、いとしくも思えなくなるかもしれないって思ったり。
じゃぁ、どうして付き合ってるの?って思う人が居るかもしれない。
そうね、恋愛のゴールは結婚だけじゃないと思う。
今がよければそれでいいと思ってるわけじゃないし、
私だって、いずれは結婚したい。もちろん、好きな人と。
だからといって、彼を彼の家族から引き離して自分の夫にするのとは、
問題がぜんぜん違うって思う。
彼が家族と別れるのは彼が決めること。
私と彼との関係において、不倫なのだから、
当然、結婚は込みではないということ、、、。





2001年06月16日(土)



 幸せと不幸

先週の日曜日は、初めて、遊園地に行った。
セックスだけの関係から、ようやく、
他の面でも私を認めてくれるようになったように感じた。
でも、どこかで、この優しさがいずれ、
慣れになり、飽きにつながり、別れになるようにも、感じて、
自分がひどく悲観的であることを呪った。
遊園地は楽しかった。
こんなに笑って、こんなにドキドキして、
こんなに彼を近くに感じて、こんなに大切にされたのは初めてだと思った。
幸せは、恐い。
幸せに遠いときは、人は誰でも幸せになりたいと切に願う。
でも、いったん幸せになると、そのとたん、悲しくなる。不安になる。
幸せを手に入れた瞬間に、幸せが去っていくこと、
幸せが長続きしないものであることを思って、
泣きそうになってしまう。
本当に幸せなのは、幸せになりたいと前向きに頑張っているときで、
本当に不幸なのは、幸せが消滅しはしないかと、心を病むことだ。
私は、泣いてしまった。あまりに、幸せで、
あまりに、大切にされているから。
恐かった。
この人と、いずれ別れることになる。
そう、声がずっと反響していた。
一人になったときの自分を思うと、不安になってしまうばかり。。。。

彼は帰りの車の中で、私にわびる。
「これまでも好きだったけど、大切にしようと思う気持ちが欠けてた。
一度失いかけて初めて、れのんの大切さをものすごく感じたし、
二度と、寂しい思いはさせない。」と。
彼は優しい。愛されていてきっと幸せ。
でも、私は涙を止められない。
「この人と、私は、いずれ、別れる。」
サヨナラ、イツカ。
なんて、私には言えない。


2001年06月10日(日)
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