季節風
若葉



 両親について思うこと

両親がどんどん老けていくことが

哀しくて淋しくてたまらない



体がどんどんボロボロになって

気力もどんどん萎えてきて


昔話をよくするようになって

ぼんやりと遠くを見るようになって


大好きな海や山にも行けなくなって

釣りや山菜取りやきのこ狩りにも行けなくなって


それでも日々精一杯生きていて



父も母も、それぞれが恵まれない子供時代を送り

その後の人生はすべてJWに捧げてきた


20歳そこそこの頃から60歳過ぎまで

人生の3分の2をJWとして生きてきて

ただひたすらに真面目に真剣に取り組んできた



2人とも

普通の幸せを全部諦めて生きてきたのに

それなのに「終わり」が来ないなんて



父も母も

死も嘆きも苦痛も戦争も病気も無い

「楽園」を信じて人生を捧げてきたのに


それなのに「楽園」は幻だったなんて



父は亡くなった実母と再会することを

母は亡くなった実父と再会することを

本当に本当に心待ちにして生きてきたのに


それなのに「復活」は嘘だったなんて



もしもこの世界が滅びるのなら

私も娘も世界と一緒に滅びてもかまわないと思う


私や娘が生きる場所はこの世界しかないのだし

世界中の人々が一緒なら何も怖くないだろう



でも

父と母には生き残って

「パラダイス」で幸せになって欲しいと思う


支離滅裂かもしれないけれど

そんな風に思う今日この頃

2006年06月05日(月)
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