季節風
若葉



 合せ鏡

この数日間でわかったこと


私たちは二人とも

自分の命が軽いのだということ


一度は「滅び」を覚悟したもの同士

生に対する執着が薄いということ



幸せに慣れなくて

壊れるのが怖くて壊したくなること


苦しい時も楽しい時も

簡単に生命を投げ出せるということ



そしてそれらを簡単に

口に出せるということ

2002年10月23日(水)



 誰もが傷を負っているのだから

傷ついたり苦しんだりしたことを

免罪符にしてはいけないと思う



自分が傷つけられたからといって

ひとを傷つけても許されるなんて



犯した罪は

それを許せない人に負わせるなんて



自分が一番被害者だなんて

それは甘えというものでしょう

2002年10月22日(火)



 過ぎ去った時間の重み

彼らが24年間生きてきた人生を

そんなに簡単に否定するのですか?


子供たちが生まれ育った国を

そんなに簡単に捨てろと・・・



ご家族の方々の感情も

事件の経緯の違法性も踏まえた上で


本当に大切なのは

彼らの気持ちを尊重することではないのでしょうか?



そうでない限り

『拉致・監禁・逆洗脳』とどこが違うのでしょうか



もちろんそれは

静かな生活と

充分な時間と

選択の自由を確保した上で


彼らの心が動くのを待つという意味です



(北朝鮮拉致被害者生還報道に寄せて)

2002年10月21日(月)



 言葉の海

沢山の人々が

それぞれの立場で

様々な意見や想いを

語っているけど


私は結局

私にしかなれないから



時には染まってみたり

時には拒絶したりしながら


流されないように

見失わないように

焦らずゆっくりと

歩いていければいいと思う

2002年10月17日(木)



 トラウマ

私にだって いっぱいある


でも 書けない

言葉にできない

どうしても思い出せない



そうやって封印している限りは

治癒しないってことぐらい

分かってはいるけど



一度堰を切ったら

もう止め処もなくなりそうで



そしてまた

泣いてあなたを困らせるから

2002年10月15日(火)



 私の故郷

後から強制されたものを

否定するのは可能なことだわ


でもあなたが否定するあの世界で

私は生まれ育ったの



もしも私が長生きをして

歳をとって呆けたりしたら


元居た世界に戻って行くの

私の根っ子はあそこにあるから




そんな話を彼にしたら

とても哀しい顔で見つめた

2002年10月07日(月)
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