季節風
若葉



 空を翔ぶ理由

生きて居る意味と

生きて行く自信が欲しい


ただ それだけ

2002年05月31日(金)



 お願い

ずーっと見ていてね 私を


私はどんどん変わるから

2002年05月28日(火)



 

手を差し伸べて

振り払われることと


差し伸べられた手を

振り払うことと


どちらのほうが

より辛いんだろう



分かっているはずなのに

私は何度でも繰り返す



本当は

手をつなぎたいから


そう思っている自分を

殺すために

2002年05月26日(日)



 記憶の断片

私が子供の頃、父は感情の爆発しやすい人で、
家族全員が毎日毎晩ビクビクしながら生活していた。

自分の背丈より長いデッキブラシで、
全身をボコボコに殴られたこともあったっけ。
天気のいい日曜の午前に、
住宅街にあった王国会館の駐車場で。

私があんまり泣き叫ぶから、
さすがに母が止めに来てくれたんだ。
「集会所に筒抜けでみっともないから」って。
地元の会衆がその当時使っていた王国会館は
プレハブ小屋を改装しただけだったし、
第二会場が無かったから。

その後私は心を閉ざす術を身に付けたから
あんまり体罰を受けることはなくなったけど、
奔放な性格の妹は高校生になっても体罰を受けていた。

でも、高校卒業間近のある夜、
ついに妹が父に反撃したっけ。
その数ヶ月前からインターネットを始めて
日本中のJW二世の肉声を聴いていたから、
妹は自分の口で「体罰反対」って言って殴り返せたんだ。

それ以来、父はめっきり老け込んで、
会衆内のトラブルに巻き込まれたこともあり
半年後には鬱病を発症してしまった。
父はある夜に突然、
家中の窓ガラスを割って飛び出して行った。
「川に飛び込んで自殺する」っ言って。

1960年代に『真理』を学び、
40年近くJWとして生きてきた父にとって、
自分の子供たちの反乱とJW組織の変容は
人生をまるごと覆す出来事だったのだろう。

今はすっかり穏やかになった父の白髪を見ていると、
私は感情のやり場を無くして泣きたくなる。

2002年05月23日(木)



 父の命

先日の巡回大会から帰宅して以来、
父の体調が格段に悪化した。

顔色はどす黒いし、
表情は無くなったし、
言葉もはっきりしなくなったし、
食事もほとんど喉を通らなくなったし、
立つとふらふらして、
壁や柱にぶつかりながら歩く状態・・・。

それでも父は、毎日12時間近く働いている。
そして、毎晩延々と昔話をするようになった。

30年前に胃を無くした父。
数年前から心臓の薬を飲んでいる父。
もう、腎臓も肝臓もボロボロになっている父…。

私はまだ、何も恩返しできていない。
未だ、「恨み」を越えることさえできない…。

2002年05月21日(火)



 翔べない鳥

立場とか

思想とか

そんなこと全然関係なしに



ただ「普通」に

シアワセに

なりたいだけなのに

2002年05月15日(水)



 ルーツ 2

私の母は、昭和21年に生まれました。

日本はその前年に敗戦したばかりでした。
そして、母の両親と母の兄は
「満州」からの引き揚げ者でした。

母の父親は、母が生まれてまもなく
脊椎カリエスで寝たきりになりました。
そこで母の母親は、
2人の子供を連れて親戚の家に身を寄せました。
そして身を粉にして働きました。

母と母の兄は、親戚の大人たちや子供たちの中で
同情と蔑視を受けながら育ちました。
そんな過酷な暮らしの中で、
思春期を迎えた母の兄は壊れてしまいました。
母の父親が車椅子で退院する頃には、
母の兄は施設に送られました。

そんな環境で育った母が、
戦争や病気や差別のない
「楽園」を夢見る父と出会ったのは
20歳の時だったということです。

2002年05月08日(水)



 ルーツ

私の父は、昭和19年に生まれました。

その翌年、日本は敗戦しました。
そしてまもなく、父の父親と二人の兄は
飢えと病気のために亡くなりました。

父の母親は婚家を追い出されて困窮し、
父が小学校に上がる頃に再婚しました。
再婚先には、父とはまったく血のつながりのない
義兄弟たちが5人居ました。

父の母親は、再婚相手の姓になりました。
でも、なぜか父だけは
母親の旧姓のままでした。
父は大勢の血のつながらない「家族」の中で、
差別や偏見に耐えながら育ちました。

そんな父が、
戦争や病気や死や差別のない「楽園」を夢見て
「真理の道」を歩み始めたのは、
22歳の時だそうです。

2002年05月07日(火)



 

私にとっては

まだ「過去」じゃなくて

でも「未来」でもなくて



今は ただ

立ち止まってしまうだけ

2002年05月03日(金)
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