季節風
若葉



 

今はまだ

私は人の姿を保ててはいるけれど

この皮膚の内側には

止まない雨と深い闇があって



やがていつの日か

あなたの目の前でどろどろと醜く溶けて

『本当の私』を見せてしまうんじゃないかって

本当に本当に不安なのです



もしも私に

今消えることが許されるのなら

あなたの『綺麗な思い出』になれるって

そんな考えが

頭から離れないのです

2001年10月06日(土)
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