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| 2002年12月28日(土) |
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■大希林、購入希望■
本日も、有無を言わせず、論文書き。
この頃、バカ丸出しの特番ばかりが放送され、論文書きの気休めになるどころか、余計にイライラさせられるので、あまりテレビを見ないようにしていたのだが、今日は、NHK教育で「大希林 SP」を視聴した。「日本語を見つめ直そう」ってな趣旨の番組でしょうか、この年末、やっと知的な番組に出会うことができたと思う。
あまり人のことを言えたもんではないが、やっぱ、この頃、日本語の使い方がおかしなことになってるなと思う。「どうして、そう言えるのか」、「この表現はおかしいだろ」とか、細かなことが気になることもしばしば。とは言え、そう思ったとしても、己の語感に頼っているだけなので、キチンとした裏付けがないのだが…。まあ、そんなこんなで、日頃から読書して、日本語力を維持・向上させたいと思わせてくれた番組であった。
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| 2002年12月27日(金) |
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■ネットでの賀状交換推進■
本日も、何をどう足掻いても論文書き。
今年は、卒論のせいもあって、年賀状を出すということは、ほぼ100％ない。しかしながら、新年の挨拶というのは、ボチボチしておきたいと思う。同級生には、携帯メールが浸透しているので、それでメッセージを交換することが多いが、最近は規制がかかるし、チマチマとボタンを押すのも面倒なので、それすらも控えようかと思うぐらいだ。
そこで、ネット上（一般の e-mail・掲示板経由）での賀状交換を推進していきたい。元々のきっかけは、こちらによる。もちろん、温かみある手書きの賀状は嬉しいのだが、「紙資源やインク資源、輸送コストの無駄遣いであるようにも思えます」と以上の HP でも記されているように、省ける無駄があれば、その削減を実施しておきたいとも思う。これに、筆者特有(?)の事情が加わってくる。
まず、「掲示板が、すぐに寂れていってしまう」ことが挙げられる。月に一度書き込みがあるかどうかであり、とは言え、書き込みが無いわけでもないので、削除するわけにもいかない。そのような現実から、年末年始を機会に、読者の皆様も何かと忙しいかとは思うのだが、書き込みをお願いし、掲示板利用促進を図っていきたいと思うのであります。
また、普段から、この日記を、定期的に閲覧してくださる方々がいらっしゃるので、そう言った方々に、できれば、「個別に感謝を申し上げたい」という理由もある。まったくもっての雑記でありながら、幾度と無く訪れてくれているという事実があるだけで、日記執筆への励みとなりまくっています。この日記で、感謝の意を発信することも可能ですが、出来れば、一人一人にそのことを申し上げたいと思う次第であります。
とまあ、そんなワケでして、以上のような趣旨・理由にご賛同頂ける読者の方々には、これを機会に、ご自由に書き込んで頂きたいな（「あけおめ」一言でも構いません。年内の書き込みも、勿論 OK です。）と思っております。なお、お知らせは、１月５日前後まで、掲載する予定です。宜しくお願いします。
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| 2002年12月26日(木) |
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■辞書引きとキーボード叩きの毎日■
本日も、当然の如く、論文書き。
朝６時過ぎに原稿を送って、仮眠した後、京都では、年の瀬だというのに、こんなお騒がせ事件が発生していて、報道されまくり。ニュースサイトをチラホラと眺めながら、さほどの関心を示すことなく（心配したところで、どうにもならないですから）、また論文書きへと戻った。
で、起きてすぐにメールをチェックすると、早速、先生からの返送があって、再々々々修正を施し、また送信。しばらくして、すぐ返事がきて、「じゃ、次に進みなさい」とのメッセージ。まだ、Introduction が終わったばかりであり、まだ１章〜５章が残っているワケで、締切までにホンマに間に合うのだろうかと、日に日に不安が増すばかりである。まあ、とにかく、書き進めるしかないか。というワケで、連日の徹夜必至です。
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| 2002年12月25日(水) |
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■言語理解はふぃーりんぐ■
本日、論文書きの為、家に籠もりっぱなし。
さて、休憩がてら、ネットを巡ると、毎日新聞の Web 上で、この記事と、この記事を発見。外来語を、日本語に置き換えたいのだそうだ。どうやら、日本語の中に、これ以上外来語が入って来て欲しくなさそうである。
言い換えの理由として、一応、「高齢者にも分かるように」としているが、現実に、高齢者が、このような言葉に当たる機会は、そうあるまい。我が祖父も、このような用語とはほぼ無縁の暮らしをしているし、新聞にこのような用語が踊ったところで、気に留めることもあるまい。我が祖父一人だけを引き合いに出しても説得力に欠けるが、高齢者全般にも、大方当てはまらないかなぁ。そんなワケで、適宜説明さえすれば、わざわざ言い換えまでしなくてもいいと思うんだが。
それにしても、ある外来語に、あるカッチリとした日本語を対応させるのは、如何なもんだろう。外来語に限らず、純粋な日本語そのものに対しても、厳格な定義や意味を覚えて、読み書きする人なんて、日本語学者ぐらいのもんでしょう。大半の人は、「こんな感じの意味合いで」と実に曖昧なままで、コトバを遣っていたりするもんだ。「リニューアル」が、「改装」とせずとも、「あ〜何か新しくなるってコトやろ？」と感じられれば、それでいいんじゃないでしょうか。大きな誤解さえ無ければ、別に「〜な感じ」で構わないと思ふ。やたらめったら、漢字を当てりゃいいってもんでもないでしょう。
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| 2002年12月24日(火) |
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■年内のバイト完結／触発される年末■
本日、バイト。
世の中は、「イヴだから」という訳の分からない理由付けのもとに浮き足立っているが、筆者は、9:00-17:00までバイト。年内最後のPC室開放とは言えども、客足は疎ら。なぜか、中国人が大多数。質問は、ほとんど無く、印刷用紙の補充なんかの雑用がほとんど。まあ、そんなこんなで、無事に年内のバイトが終了。なお、仕事始めは、1月10日（卒論締切前日）。（とにもかくにも、憂鬱ですなぁ）
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夜、地元の友人から電話がかかってきた。忘年会を催すとのこと。社会人一年目の友人が多いのだが、なかなかの激務のようで、休みがなかなか取れないんだそうだ。「大晦日にも出勤、2日にはもう仕事始め」なんていうヤツもいる。不況とは言え、働かされる人は、働かされるんやなぁ、としみじみ思う。そうやって、友人がせっせと働いている現状を聞くと、「己も論文にガンガン取り組んでいかにゃ」という気持ちが湧いてくる。宴会予定日は、大晦日。それまで、みんな、カッ飛ばしていこうじゃないの。
注：事実上の敗北宣言
メモ：http://www.soldam.net/
To Do：
1. 携帯解約
2. 論文は3章まで
3. 辞書・ハンコ・説明書発送
4. 編集長にメール返信
5. 肉まん・餃子・しば漬け・ゴマ豆腐
6. 地ビールお願い
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| 2002年12月23日(月) |
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■ellipsis_2_3_backup■
Ellipsisへの語用論的アプローチ
２．pragmatic ellipsis
pragmatic ellipsisとは，situationに基づき，新たな意味の補充が可能なellipsisのことである．状況（situational context）に依存することで補える要素が存在していれば，そこには，pragmatic ellipsisが生じていると言える．以前に述べられたことを繰り返さぬため（旧情報は削除する）のsyntactic ellipsisとは違い，pragmatic ellipsisでは，要素が意図的に隠されたり，受け手に対して推論を起こさせたりする．したがって，削除された部分には，特有の意味が備わっているものと考えられる．その点で，独自に意味を持ったellipsisであると言える．つまり，それは，含意（implicature）である．この章では，pragmatic ellipsisの根幹とも言える含意と推論を概観していきたい．
２．１ Implicature
我々は，思ったことを，常に直接的に表現することはない．会話の中では，間接的に表現するもしばしばある．状況に依存することで，その発話が，言語として表出していない，もうひとつの意味を持つ場合がある．それは，つまり，含意（implicature）を持った発話だと言える．
(11)［MELBINがCALORの病弱な息子について不用意な発言をする］
MELVIN：We're all gonna die soon. I will. You will. It sure sounds like your son will.
CAROL：If you ever mention my son again, you will never be able to eat here again. Do you understand? Give me some sign you understand or leave now. Do you understand me... you crazy freak? Do you?!? - As Good As It Gets
CAROLの発言にある，“Do you understaadnd (me) ?”に注目して欲しい．疑問形でありながら，本来の意味は，二度と言うなという「警告」である．これは，含意(implicature)と呼ばれ，言語表現としては，表出していない意味内容である．つまり，もう１つの意味は，隠されているのであり，状況から判断して，その内容を補うことが可能となる．したがって，これも一種のellipsisであると言える．この場合，先行する言語的文脈には依存しておらず，そこからの「復元」は不可能だと言える．しかしながら，その発話に何が隠されているかは，状況からして「補充」することは可能であり，最も伝えたい話し手の意図は，聞き手に解釈される．
２．２ 要素の補充・認知過程
２．１で見たように，隠された内容・補充された内容の方が重要な意味合いを持つ場合がある．つまり，会話をする際，その隠された新なる意図を補充し，認知する必要がある．その過程は，「推論」と呼ばれる．
(12) A: That's the telephone.（Can you answer it, please? ）
B: (No, I can't answer it because) I'm in the bath.
A: O.K. (I'll answer it) - Widdowson (1978:29)
一般常識から考えて，「電話」と聞けば，「出る」，あるいは，「かける」というcollocationは，容易に想像できる．これに加え，電話が鳴っているという「状況」が存在しているのであるから，聞き手Bは，「電話に出てくれないか」という依頼がなされていることが理解できるはずである．しかし，Bは電話に出られないので，その理由として「風呂に入っている」ことを伝えた．
Yes/Noで回答できる内容に対して，Bのおかれた状況を説明されたのであるから，Aは，それをBの電話にでることのできない原因だと解釈する．Bは，「風呂に入っている」という情報が，Aにとって関連性のある（認知環境の改善をもたらす）情報として解釈されるものと信じて，その発話を行い，Aがその発話と「Bが風呂に入っている状態では，電話に出ることができない」という暗意された前提を結び合わせて，「私(B)は，電話に出ることができない」という暗意された結論を導き出す，と期待しているのである．Bが電話に出られないと理解したことを示す為に，Aは，「O.K.」と答えた．最後に，Aが電話に出るか，出ないかは，Aの状況次第ということになる．
このように，カッコ内に補充した answer という語が，この会話での命題（proposition）になっている．それによって，文字だけでは脈略の無いように見えるやり取りが，結束性をもった会話となり，成立しているのである．文と文の連鎖的な意味のつながりや，因果関係を考慮して，受け手は推論（inference）を起こす．そして，削除された要素を補充するのである．このように，推論を起こし，また会話を成立させる上で必要なのは，会話の当事者同士が共有しているtopicである．こうして，マクロの視点でtopicを捉え，論理的思考を行い，会話を行っているのである．なお，話し手Aは，以下のような演繹的推論1を行っていると考えられる．
(13)
前提１：風呂に入っているのなら，電話には出られない．
前提２：風呂に入っている．
結 論：電話に出ることができない．
話し手Aは，以上のような前提から推論を起こし，「Bは電話に出ることができない」という結論を導き出している．我々は，頭の中でこうした推論過程を経て，隠されたtopicを補充し，認知しているのである．
ここで，注意しておきたいことは，含意は，話し手によってなされる行為であり，推論は，聞き手によって行われる論理的思考ということである．つまり，話し手と聞き手が，相互作用して初めて，会話が成立するのである．ある会話でellipsisが生じ，その成立過程について考察するには，統語的観点では無理であり，語用論的観点が必須になるのである．
２．３ 究極のpragmatic ellipsis
受け手が，推論を起こすことで，消えた要素を補うことを見てきた．これまで見てきた事例は，言われた内容を元に，新たな意味を補充しているものだった．ここでは，「何も言わない」という，究極のellipsisを取り上げてみたい．何も言わない中にも，何らかの意味や意図は込められていると考えられる．この究極的なellipsisが起きた場合，その受け手は，必ず推論を起こすことになる．
(14)【別れ話をしている場面】
Kathleen Kelly: You don't love me.
Frank Navasky: [shakes his head 'no']
Kathleen Kelly: Me either. - You've Got Mail
愛していないことを，首を振ることにより伝達している．言葉による表現は全くないが，首を振るという行為と，別れ話の重い雰囲気を考慮すれば，そこに，“No, I don't love you.”という返答を補うことは，容易である．
しかし，これは，首を振るという仕草により，相手に意志を伝えているので，限りなく無言に近いと思われるが，やはり完全なる無言とは言えない．もう１つの例を挙げよう．
(15)【刑事に尋問されている場面】
Robinson said reluctantly, “It’s a reserved for our most important guests. Kings, prime ministers …” He hesitated. “ … Presidents. ” - Sidney Sheldon, Best Laid Plans
この場面は，ホテルの支配人であるRobinsonが，警察から聴取を受けているところである．支配人としては，VIPの客に関する情報はできるだけ明らかにしたくないという思惑がある．そのような状況で，警察に問い詰められて ‘…’というためらい現象（hesitation phenomenon）が生じている．その証拠に，reluctantlyという副詞や，hesitatedという表現が見られる．また，この場合は，(14)のように身体表現によって，意志を伝達してはいない．この‘…’という無言，または沈黙の部分から，支配人が警察の質問に対して激しく動揺し，また，出来ることなら答えたくないという支配人の気持ちが，読み取れる．つまり，数秒間の沈黙が，読み手に推論を起こさせ，登場人物の心情を伝えるに至ったのである．このように，何も言わずして，気持ちを伝えることも，可能なのである．
これまでは，話し手が「自発的に」発言しないという事例を見てきた．次に，表現の仕様がなく，「言い表すことができない」状態も存在する．言葉にできなくとも，そこで生じている沈黙というellipsisには，何らかの意味が込められているものと考えられる．
(16)Se7en
Millは，妻と妻のお腹にいた赤ん坊が，JOHN DOEにより殺されたことを知り，激高する．親族の死に対する悲しみと，目の前にいる犯人への怒りが混在している．スクリプトでは，その沈黙が，“--”によって示されている．映画では，この場面で，Millは泣き顔になりつつも，犯人にしっかりと銃を向けている．この間，彼に台詞はない．そのような複雑な心情を，言葉によって表現することが，もはや不可能なのである．むしろ，何も言わないことの方が，何よりも彼の心情を描き出しているものと考えられる．受け手は，彼のおかれた状況から，その心情を推測するのである．このように，意味を持った沈黙に対しては，語用論的な考察が不可欠であると思われる．
３．Effects of Ellipsis
ellipsisが起きれば，当然のことながら，話し言葉においては，発言する内容は少なくなり，書き言葉においては，表現される語句の数が減少する．つまり，「語の節約」が実行されているわけであるが，その節約に効果はないのだろうか．ellipsisによって削除された要素全てが，情報として必要でないという理由だけで，削除されたわけではない．効果をもたらそうとして起きたellipsisも存在する．この章では，ellipsisがもたらす，主に２つの効果を見ていくことにする．
３．１ 言葉の経済性
文法的に正しい文を，全て表現することばかりが，良い言語表現ということはない．ある要素を削除し，簡潔に伝えることの方が，情報の受け手にとって有益であるケースもある．この現象は，書き言葉において，頻出している．
(17) 12 steps for E-Mail Addicts - TIME, June24, 2002
これは，雑誌の一記事に対する見出し(headline)である．ここでは，形式主語のThereと，動詞のareが欠落している．新聞や雑誌，広告においては，スペースが限られているために，意味に支障をきたさない程度に，語の削除は頻繁に行われる．こうすることで，スペースを節約し，受け手に対して，簡潔な情報を伝えることが可能になるのである．
次の例は，ある料理のレシピである．ellipsisが生じていると思われる部分は，<>で示した．
(18)URL: http://salad.allrecipes.com/AZ/AntipastoPastaSalad.asp
上に挙げたのは，ある料理のレシピである．まず，材料の記述では，主語やbe動詞の削除が，多く発生していることが分かる．続いて，手順の記述では，目的語の削除が，多く見受けられる．削除されたそれぞれの要素は，直前にある目的語なので，自明の事柄である．そういう意味では，言語的文脈からの削除と考えることもできそうである．しかし，文法的に考えれば，代名詞が抜けているものとされ，明らかに非文法的な表現とされる．しかし，それにも関わらず，語句が削除されている．つまり，そこには，状況から判断して削除された可能性が考えられるのである．
レシピには，素早く情報を与える必要性があると考えられる．なぜならば，料理をする場合，調理中に適宜参照され続けるものだからである．それに加えて，調理には，時間の制限もあり，じっくりとレシピを眺めるわけにはいかない．よって，どの材料を，どのように処理すればいいのかが，即座に分かりさえすればよいのである．特に，材料の種類が豊富なレシピであれば尚更のことである．つまり，材料をはじめとして，多くの情報を，なるべく迅速に知る必要性がある．そのことを踏まえ，このようなellipsisが生じているものと考えられる．言い換えれば，素早く知る必要があるという状況によって生じた現象と言えるであろう．
次は，話し言葉から得られたellipsisの一例である．なお，ellipsisが生じていると思われる箇所は，< >で示してある．
(19) ラジオ中継より
With his black upturned cap peak showing for all to see the advertising on the front, the double advertising, < > settles over it. He's gonna have to hit this quite hard. < > Fired it up the hill. He's got a good weight on it. Oh, very good effort! (BBC Radio 5, 17.7.98) - Mind the Gap
この例では，２つのellipsisが見られる．主語が欠落しているが，そのことにより，素早く簡潔に喋ることができ，堅苦しい表現にならず，興奮させる効果を持ち，瞬間を伝えることに寄与している．特に，後者のellipsisは，単文において主語が欠落しているので，文法的には許されない語の削除である．しかし，結果としては，受け手に対し，簡潔で生きた情報を与えるという効果をもたらしている．
３．２ リズム形成
言葉で何かを表現する上で，その音も重要な役割を担っていると言える．聞きやすくする効果があったり，相手に印象を残したりする効果が考えられる．広告では，この類のellipsisが頻出している．
(20) RELAX <>, REINVIGORATE <>, RECHARGE<>
これは，リゾート経営を行っているHYATT社の広告に載っている宣伝文句である．これらの単語は，すべて他動詞であり，本来ならば存在していなければならない目的語が削除されている．もちろん，その目的語とは，広告の読み手であり，自明の事柄である．自明であることは，情報として必要ないと判断されたことに加え，re-で始まる語を３つ続けたことによるリズム形成のために，ellipsisが生じたものと考えられる．次の例を見てみよう．
(21)
これは，インテル社のロゴである．この場合，もちろん，文法的には，動詞isを必要とする．しかし，リズムを生み出す（韻を踏ませる）ために，ellipsisが生じている．頭韻(alliteration)を踏み，Inという音の繰り返しにより，聞き手の耳に残る効果が期待される．日本語訳においても，「インテル，入ってる」となっており，軽快なリズムを残している．こちらでは，脚韻(rhyme)を踏ませて，受け手への印象を強める効果をもたらしている．次は，韻を踏んではいないものの，語の繰り返しにより，リズムをもたせようとした例である．
(22) 1,000 songs in your Mac. 1,000 songs in your pocket.
ここでは，There areという文頭の要素が削除されている．(20)や(21)のように，韻を踏んでいるとは言えないけれども，同型の表現を２回繰り返し，リズムを持たせようとしたものと思われる．また，購入しているわけでもないのに，既に購入したものと仮定して，yourという所有形容詞が用いられている点も，興味深い．
広告とは，物やサービスを売り込まなければならない．そして，読み手に対して，一方的に情報を与え，会話のように，相互補完的なやりとりを行うことはできない．したがって，広告の方から，読者の方へ歩み寄ろうとする．つまり，親近感の持てるような語句を用いたり，読み手に見やすく，そして聞きやすい表現を用いたりする必要が出てくる．さきほどのレシピと同様に，効果的であり，印象的であることが求められるので，非文法的な表現になろうとも，随所にellipsisが生じているのである．広告が取り巻く状況から生じたellipsisであると言えよう．
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| 2002年12月22日(日) |
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■いつもすれ違い■
本日、睡眠不足補填日。（寝過ぎてしまった…）
夜、『特命リサーチ 200X』を見てたら、「男女の会話成功法」というのが特集されていた。心理学者の伊東明という方のコメントが添えられながら、リサーチ内容が報告されていった。要点は、以下の通り。
1. 男は、勝負・プライド型
→ 女性は、男性のプライドを傷つけないように話せ
2. 女は、共感型
→ 男性は、女性に適切な相づちを打って、共感を示せ
しかしながら、男である筆者だって、共感はされたい。女性の方にも、プライドはあるわけで、それを傷つけるわけにはいくまい。つまるところ、「相手を尊重しないさいよ」という、思いやりの精神が求められているというコトだろうか。とは言え、こちらのように、50年の人生を真逆に評価されたり、我が父に対する母の言動など、思いやりのかけらも無いわけで、「それがいっつも実行できれば、世話無いわな」と遠い目になってみる今日この頃。
参考文献：
Barbara Pease & Allan Pease (2001) Why Men Don't Listen: And Women Can't Read Maps : How We're Different and What to Do About It
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| 2002年12月20日(金) |
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■ダメ出しされ、失望される■
本日、年内最後の個別指導。
英文については、開口一番「ガッカリしたわ」と…。日本語に引っ張られた英文丸出しで、パラグラフになってないとのこと。確かに、ダラダラ書いてあって、何が言いたいのか、よく分からないものになっていた。英文の場合は、目で得る情報量ってのが多いから、一文をパッと見れば、何が書いてあるのか、ある程度予想のつくものなのだが、己の英文は、右往左往の状態で、まるで論点見えず。
また、語の選択についてもダメ出しを受け、「そこは realize じゃないやろ、せいぜい guess だ」など、collocation を含めて、とにかくダメ出し。「何冊も辞書を引かないとアカン。それから、英文を読む際に、自分が書くつもりで読まんかいな」と指導された。そんなワケで、Introduction で、未だに足踏みのまま。早いとこ、OK をもらわなければ…。あぁ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ…。
なお、内容については、若気の至り的な部分もあるが、基本的には言うことがないとのこと。しかしながら、その発言の真意には、これ以上ツッコんでいると、英語の方に手が回らなくなることを懸念して、敢えて、ツッコミを控えているのではないかと思われる。締切まで、あと22日。
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| 2002年12月19日(木) |
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■いっちょまえへの反響／帰れない■
本日１コマのみ。これで、年内の講義は終了。
昨日の日記で、若僧のクセにいっちょまえなコトを書いたら、日記才人で、１日５票もの投票を頂いてしまった。どうも、ありがとうございました。最近、イライラしがちで、書き殴った感が強いのだが、それにも関わらず、一日の最高投票という形で反響があったことには驚いた。
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夜、地元の友人から、忘年会のオファーが届く。今年は、筆者ともう一人以外は、皆社会人となり、それなりにシンドかったりするんだろうが、それでも声を掛けてもらえることは、有り難いことである。しかしながら、今年に関しては、キャンセルせざるを得ない状況である。言わずもがな、卒論作成があるからである。それに付随して、帰れない、いや、帰ってはならない２つの理由が挙げられる。
1.正にアットホーム
今の状態で、実家に戻ると、力が抜けて、犬と遊んでしまうこと必至。また、こたつも出ていると思われるので、そこで、ミカンを食しては、ゴロゴロするという体たらくぶりが全開になってしまいそうなので、実家に戻るのは、大晦日まで待っておく方が得策。
2.作業環境の不備
実家のパソコンは、スペックもあまり高くなく、筆者の激しい使い込みに耐えられそうにはない。また、居間に設置されているので、そばには、こたつも、犬も、ミカンもあって、作業するような環境だとは全く言えない。また、致命的な気がするが、筆者の部屋が無いので、沈思黙考できる場所が、寒いトイレぐらいしかない。
以上のことから、捗らないこと間違い無しだと言えよう。なるべく、京都で作業を進めまくっておいて、実家にしかないプリンタ（大学のPC室は、9日まで閉鎖）で、細かい仕上げをするだけでいいような状態にまで片をつけておければなぁ…と理想を抱く今日この頃。
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| 2002年12月18日(水) |
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■敢えて問う −何しに、大学へ来たのか−■
本日、Speaking のみ。
授業内容は、プレゼン１つとパーティ。「この歳になって、そして、授業において、パーティは必要なのか？」と思いながら、時間を過ごす。なんだか、この公私混同のような感じがいただけない。
このクラス、帰国子女やら、留学してました娘やらが大変多く、海外に行ったことがないのは、筆者だけかもしれないというメンバー構成。つまるところ、英語を話すことに関して、まるで問題のない人たちが揃っているワケだが、この中で、卒論を書いてるのは、筆者と知り合いのもう１人ぐらいのもんだろう。あとの人々は、授業がこのまま無事終わり、就職を待つのみといったところか。
そんな押し迫った時期でも、敢えて問う。「何しに、この大学へ来たのか」と。４年近く経とうとしている中で、「学術的に」何を学んだのか、と。英米語専攻でありながら、統語論にも、意味論にも、語用論にも、言語習得論にも触れることなく、卒業していこうとすることに、何の違和感も無いんだろうか。卒業後10年経って、20年経って、「大学の時は、大した勉強せぇへんかったなぁ」と笑って、思い出を語るつもりなんだろうか。
大学に入る時、専攻を決めて入るのだから、「それを深く学ぶ」ことが最優先されるべきでしょ。まずはサークル、まずはバイト、というコトではないはず。現実は、「単位を取って、はい、お終い」の感が強い。己が、卒論を書いているからとか、院に進むからということが関係していないワケではないが、他のメンバーは、専攻に対する意識が、まるで無いように感じられる。英語を話すことに苦労しないだけに、言語への意識が高まらないのかもしれないが。
大学は、ある意味自由の地であり、結局は、「何をしようと、その人の勝手」である。だから、その人の大学生活について、とやかく言う必要も、資格もない。しかしながら、今自分の学んでいる語用論について、同級生で話が通じるのが、ほんの数人とは、一体どういうことなのか。そんな現実から、「大学って、何？」と、改めて疑問に思ってしまうのだ。
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| 2002年12月17日(火) |
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■どうもイライラ／ellipsis_1_4_5_backup■
この頃、週初めは、かなりイライラする。
原因はよく分からないが、登校直後が一番ヒドイ。
大学の狭い敷地にも腹が立つが、なによりもウルサイのが耐えられない。
バカ騒ぎせんと、会話が成立させられないヤツらがいる。
バカ騒ぎだけに、そんな連中が、バカっぽく見えて仕方ない。
大した用がないなら、大学来るなって。
遊ぶんなら、河原町でも行け。
さっさと帰れよ。
邪魔なんだ。
Ellipsisへの語用論的アプローチ
０．Introduction
ellipsisは，至る所に存在する．我々が会話をする際に，文法的に整っている文，つまり，要素が全て揃った文を発することは，あまり無いように思われる．逆に言えば，要素の欠落した文を述べて，意志を伝えることの方が多いということである．以下は，私が実際に交わした会話である．
(1) Woman: Motoyama Station?
I: Go straight.
駅名だけを告げられた私は，さほど考える間もなく，“Go straight.”と答えた．この場合，女性の発言においては， 疑問詞と動詞の“Where is”が欠落している．また，私の発言においても，前置詞句の “along the street”を添えなかった．このように，語の削除を起こしているケースは，日常でも多く見られるはずである．では，なぜ，この会話は，問題なく成立したのであろうか．この会話が交わされた時，彼女は，困った顔をしていたし，地図を持っていた．そのような「状況」で，駅名だけを告げられた私は，考える間も無く，女性が駅の場所が分からず，そのことを私に尋ねていることだと分かった．また，私も，“Go straight”とだけ答え，“along the street”を付け加えることはなかった．“Go straight”と言われれば，今歩いている「道に沿って」進むということは明白であり，自然と前置詞句を削除したのである．ここでの関心事は，如何にして語句の欠落が生じ，それによって生まれるであろう表現効果が何であるかである．
本稿の目的は，ellipsisという現象に対して与えられていた，復元可能性の有無という従来の基準に対し，新たな基準を設け，それに基づいたellipsisの分類と効果の考察を行うことにある．
本論文の構成は，以下の通りである．第１章では，ellipsisに関する文法書の記述から，それらの説明では，ellipsisの十分な説明にはならないことを示す．続いて，統語的な削除を，にこの現象を捉え切ろうとするところに，無理が生じていることを明らかにしていきたい．その上で，私なりのellipsisの定義を提示する．第２章では，新たな定義の元に，syntactic ellipsisに対して，pragmatic ellipsisを提案し，いくつかの事例を考察していく．第３章では，これらのellipsisがもたらす効果について考えてみたい．第４章でまとめを行い，最後に，今後の課題を示す．
１． What is Ellipsis?
文章や会話の中で，語が欠落している現象に対し，ellipsisという語が与えられている．しかしながら，その定義は，非常に不明瞭なものである．統語的視点に基づく辞書や文法書の記述から，ellipsisの定義付けの難しさを感じることができる．
１．１ 辞書による定義
Merriam-Webster Onlineでellipsisを検索した．定義は，以下の通りである．
(2) the omission of one or more words that are obviously understood but that must be supplied to make a construction grammatically complete
ここでは，「文法的に正しく復元できる語句の削除」とある．つまり，削除される前に，前文で用いられていた語の存在が，ellipsisに必要な条件となる．すなわち，「復元可能性」(recoverability)がなければ，語の削除は行えない，ということである．
次に，3冊の文法辞典を挙げ，ellipsisに関する記述や用例を見ていくことにする．ここからも，ellipsisが，極めて定義のしづらいものであるかがわかるであろう．
１．２ 文法書の記述
１．２．１ A Comprehensive Grammar of the English Language (1985)
Quark et al. (1985: 884-7) によれば，ellipsisは，“the boundaries of ellipsis are unclear”とされ，その定義の難しさが認められている．しかしながら，ellipsisと判断する上での，５つの基準が提示されている．今回取り上げる大規模な文法書の中で，この文献のみが，省略と見なす上での基準を提示している．
(3) Criteria for ellipsis
(a) The ellipted words are precisely recoverable
She can't sing tonight, so she won't .
(b) The elliptical construction is grammatically 'defective'
Visit me tomorrow, if you wish (to visit me tomorrow).
(c) The insertion of the missing words results in grammatical sentence
��. He always wakes up earlier than I wake up.
��. *He always wakes up earlier than me wake up.
(d) The missing word(s) are textually recoverable, and
(e) are present in the text in exactly the same form
She might sing tonight, but I don't think she will .
She rarely sings, so I don't think she will tonight.
以上の５つの基準のうち，どれかひとつが満たされていれば，ellipsisが生じたものとして扱うことになっている．ここでは，ほとんどが複文のみの例が紹介されている．しかし，実際には，次のように，復元できる内容にあいまいさが生じているケースも存在する．
(4) "If you get any information, will you let me know?"
"You'll be the first," - Sidney Sheldon, Best Laid Plans
ここでは，２つのellipsisが見て取れる．まず，“let me know”の後の目的語が削除されている．これは，条件節の中での目的語と一致しており，機械的に削除されたものである．
注目すべきは，もう１つの“the first”の後ろで生じているellipsisである．一体，話者が何の一番手となるかは，言語的文脈からだけでは，明らかにできない．この部分は，会話の参加者たちにしか分かり得ない事柄である．この会話では，to get informationを補うことになるが，これを補うのに必要なのは，「状況」である．最初の発言から補えないこともない（言語的文脈からの復元も可能ではある）が，toは，前文において全く表出していない要素であるし，何の一番手であるかという決定は，状況に依存したものである．よって，失われた要素を補うためには，言語文脈からだけではなく，「状況」も必要であるということが言える．何らかの状況がなければ，この発話に，明確なる意味を持たせることはできない．つまり，“situational context”が，その内容を決定づけているのである．また，この発話については，それまでに存在したであろう言語的文脈から復元可能かどうかと考えると，非常に疑わしい．つまり，統語的に処理し切れそうで，実際には処理し切ることのできない事例の一つだと言えよう．
このように，彼らの提案した条件には当てはめにくいellipsisが存在していることが分かる．また，例として挙げられている文が，従属節などが用いられた複文がほとんどであり，談話におけるellipsisが扱われていないということも問題だと言える．
１．２．２ Longman Grammar of Spoken and Written English (1999)
Biber et al. (1999) によるellipsisの定義は以下の通りである．
(5) ellipsis is the omission of elements which are precisely recoverable from the linguistic or situational context.
ここでは，“linguistic context”と“situational context”の両方が用いられ，言語的文脈だけでは，ellipsisを処理しきれないことを認めているように思われる．なお，このsituational contextについては，削除されたものが明確でないとして，要素の追加は行われていない．その例文を以下に記す．<->が，ellipsisの生じている箇所である．
(6) And we got our furniture - in this place and there's a story in this one - So we <-> to the hardware shop and we bought some mats and - dishes and - God knows what!
このことから，やはり，文法的にellipsisをとらえきろうとすることに無理がある．したがって，ellipsisを考える上で，状況が必要とされていることは，明白ある．
なお，この文献では，主に，textual ellipsisを取り上げ，等位節・比較節におけるellipsisなどを記述している．会話文も含めた例文が複数挙げられているものの，前文から考えて復元可能な要素を機械的に復元しているのみで，ellipsisの生じる規則や，その効果に関する記述は，やはり見当たらない．
１．２．３ The Cambridge Grammar of the English Language (2002)
この文法書は，今年出版された最新のものである．しかしながら，Biber et al.(1999)と同様に，ellipsisが起こったケースを挙げ，削除された要素の復元を行っているだけである．主に，疑問文を取り上げ，前方照応の概念に沿って，復元が行われている．一連の例文は，以下の通りである．
a. A: When did she get home?
b. A: Why did they sack him?
c. A: What did she give you?
d. A: What were they doing? B: Yesterday morning.
B: Because he's incompetent.
B: A t-shirt.
B: Playing cards
(7)
この場合，応答文の中で，主語と動詞が削除されていることが分かる．一般的に言えば，新情報は残し，旧情報は削除するというわけである．これは，言語的文脈から，削除された要素を復元できると判断されるために，ellipsisが行えるとするケースである．
この文法書においても，「復元可能な要素が存在しているからこそ，特定の要素を省略できる」という立場にあると考えられる．総じて，文法的に削除されたもの，つまり，後に復元して，文法的に正しいと判断できる文を生成し直すことができる場合に限って，省略は行えるということである．
このように，辞書・文法書の記述を見てくると，「省略」と言われた時に，必ずといって良いほど，“復元可能性”(recoverability)の有無が問われる．そして，統語的には，この復元可能性がある場合に限り，省略は行えるものとされている．この時，考えたいことは，復元可能性がゼロの場合である．このようなケースは，存在しないのだろうか．いや，実際には多く存在しているのである．その一例を以下に示す．
(8) A: Can you help me?
B: Sorry, I have something to do [so I can't help you].
依頼をされた状況下で，“Sorry”という謝罪と，“I have something to do”という手伝うことのできない理由を説明することにより，最終的には，手伝うことができないという「断り」を伝えている．依頼された側は，当然，断りを一番に伝えたいのであり，依頼主は，聞き手に言われた状態から，手伝うことができないという結果を導き，察知している．この「手伝えない」という言外の意味は，元来存在する言語要素から復元されたものではないことは明らかである．そして，言語的文脈に依存しないという点からして，復元可能性はゼロということになる．これは，状況が生み出した意味である．
ここで，「復元」について再考したい．「復元」とは，元来存在していたものを復活させることであるが，今回扱うようなellipsisは，例文(7)でも見たように，必ずしも，元来存在していた要素を含んでおらず，ゼロの状態から新たな意味を付加している．このような場合，「復元」という表現は不適切であり，意味・意図の「追加」，もしくは「補充」とすべきだと考える． したがって，「復元可能性」とするよりも，「補充可能性」という表現の方が，より広範囲のellipsisを扱うことができるものと考えられる．このように考えていくと，ellipsisを「省略」と訳すことにも，問題があるように思われる．
これまで見てきたように，存在していたものを削除することのみが“ellipsis”とされることには，限界があるのではないだろうか．つまり，ellipsisに対して，もう少し範囲を広げた定義を与える必要があると思われる．そこで，私の考えるellipsisの基準として，言語的文脈から復元できるものに加え，言語としては表現されていないものの，状況からして，要素や意図を「補充し得る」，もしくは「生み出す」ことができる場合も，ellipsisの一種として扱うことにしたい．つまりは，（言語的文脈からの）復元可能性がゼロの場合をも，ellipsisに含めるということである．
１．３ 統語的観点の問題点と限界
ここでは，前章でのellipsisに対する統語的考察の問題点と限界をまとめていくことにしたい．それらは，以下の４つに集約されると考えられる．
1. 前方照応や言語的文脈による機械的な削除がほとんど．
統語的な考察からは，例文(1)のように，「前文に同じ表現がある，だからそれ以降では削除される」という機械的な削除を取り扱うにとどまってしまっている．会話においては，“[Is] Nobody there”や “[Is] Anybody home? ”といった先行文脈に全く依存することなく，ある要素（この場合は，動詞）が削除されるケースもある．また， (7) で挙げたような状況（situational context）に依存したellipsisも存在し，これは，統語的な削除としては扱いきれない事例である．
2. 削除できないケースについて，明確な説明がない．
統語的には，省略可能と考えられるにもかかわらず，実際には省略できないケースがある．その例を，以下に挙げる．
(9) Were you born in 1960?
* Yes I was born (in 1960).
この時，話し手が知りたいと思っているのは，聞き手が1960年に生まれたかどうかである．つまり，“in 1960”は，会話の当事者たちにとって，情報としての価値が高い．そのような場合は，統語的に，前文における言語的文脈からの削除が可能であっても，情報としては，残されていなければならない．このように，復元可能な要素が，常に省略できるとは限らないのである．これについては，統語的な規則だけではなく，会話の内容，もしくは，情報構造が，語の削除に影響していることが分かる．このような場合に対する説明が，統語的観点から見た際には，見られない．
3. 削除された要素の補充方法，あるいは，ellipsisの認知過程が不明確．
ellipsisが生じた時，例文(4)のように，発話の理解のため，削除された要素を推測し，補う必要が出てくる．統語的観点からは，前文にあった内容からの「復元」が，唯一の補充方法であった．しかし，それだけではなく，「状況から推測する」という新たな補充方法も考えられる．これは，統語的考察では見られない補充方法である．
4. 受け手への効果について論じられていない．
ellipsisが，どのようにして生じるのか，なぜ生じるのかについては，既に多くの知見が得られている．しかしながら，eliipsisが，どのような効果を持つのかについての研究は，さほど多く見かけない．もちろん，表出しているものだけを扱う統語的観点からは，効果という目に見えない現象について，ほとんど全く考察されていない．統語論において，表出しないものについて考察しないこと自体は，尤もなことであるけれども，それだけでは，ellipsisの説明として，やはり不十分なものであると思われる．
このように，統語的観点からみたellipsisでは，対応しきれないケースが多分に存在し，ellipsisに対する理解が，不十分なままであると考えられる．したがって，これらの問題点を解消すべく，語用論的観点から，ellipsisに対する考察を加える必要が出てくるものと思われる．
そこで，前述したように，「状況からして，要素や意図を『補充し得る』，もしくは『生み出す』ことができるという新たな条件の導入により，ellipsisをsyntactic ellipsisとpragamatic ellipsisとの２つに分類することにしたい．syntactic ellipsisは，言語的文脈から判断して行える，従来のellipsisのことである．言語として表出しているものを用いて，確実に補える，つまり，「復元」できるものがあれば，そこで生じているのは，syntactic ellipsisということになる．
(10) Arley: I smell horrible.
Trevor McKenney: No you don't! You smell like a rose or something.
Arley: Are you sure?
Trevor McKenney: Yeah, yeah, I'm sure. - Pay It Forward
ここでは，“Are you sure? ”と，“I'm sure. ”の後部でellipsisが生じている．この場合，先行文脈から考えて，Are you sure [I smell like a rose or something]?と，I'm sure [you smell like a rose or something].という文法的に正しい文を復元することが可能である．したがって，このellipsisは，syntactic ellipsisに分類されることになる．
syntactic ellipsisについては，省略が起こっている要素ごとに分類され，既に多くの研究がなされている．なお，本稿では，syntactic ellipsisについては，これ以上の考察は行わず，pragmatic ellipsisに焦点を当てて考察していくことにしたい．
４．Conclusion
本稿では，ellipsisという，普段の言語活動の中で，我々が意識しない現象について，語用論的観点から考察を試みた．まず始めに，具体的な事例を文法書の記述から，言語的文脈から起こる機械的な削除として，ellipsisを定義づけることには，限界があることを見てきた．個々の文章や，書き言葉に対してのellipsisに関する分析は，多くなされてきた．結果として，統語的な観点からのみの分析が行われ，ellipsisが新たに生み出す意味や効果については，論じられることがほとんどないという実情があった．そして，具体的な例文を挙げて，統語的観点からだけではなく，機能的・語用論的観点からのellipsisの考察が必要であることを示した．そこから，ellipsisが起こる条件として，「言語的文脈から復元できること」という従来のものに加えて，「状況から，意味を補うことができること」という新たなものを提唱した．その上で，syntactic ellipsisとpragmatic ellipsisという２種類のellipsisに分類し，それらがもたらす，言葉の経済性や，リズム形成という，受け手に対する効果について論じた．
５．今後の課題／おわりに
ellipsisを単なる統語的な語の削除現象として捉えるにとどまらず，語用論的観点からも考察を行った．また，同時に，単なる一文だけを扱うのではなく，状況が設定された人々の会話，つまり，談話（discourse）レヴェルにまで考察対象を拡げてきた．今後は，この談話レヴェルにおけるellipsisについて，状況や削除される要素を分類し，整理することを課題としたい．
【Notes】
1. 演繹とは，「前提に対して正当な論理学的規則を適用すれば，必然的に正しい結論が得られる」推論法である．ここでいう，正当な論理学的規則とは，「もし〜なら，…であり，そして〜である．ゆえに…である」という推論である．
【References】
Biber, D., S. Johansson, G. Leech, S. Conrad, & E.Finegan (1999). Longman Grammar of Spoken and Written English Longman.
H. G. Widdowson (1978). Teaching Language as Communication OUP
Huddleston, R. & G.K. Pullum (2002). The Cambridge Grammar of the English Language Cambridge University Press.
今井邦彦 (2001).『語用論への招待』. 大修館
久野すすむ (1978). 『談話の文法』. 大修館
Peter Wilson (2000). Mind the Gap. Longman
Quark et al. (1985). A Comprehensive Grammar of the English Language Longman
Merriam-Webster Online (http://www.m-w.com)
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| 2002年12月16日(月) |
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■超精読／周りへの配慮■
本日、１コマのみ。今週一杯で、年内の授業は終了する。
今日の Reading で使っている教科書、授業内での読破は無理ということが確実になってきた。恐ろしいほどの精読なので、まあ、読破なんてコトは、まるで期待していなかったが。スーッと、scanningするのもアリかもしれないが、日本語の「は」があるかないかで注意されるような精読をするのも、かなり珍しい。出来るものなら、来年以降も潜って聴いていたいもんである。残すは、あと２回。
□■□
バイトが9時過ぎまである筆者は、そのまま帰宅して自炊ってのが面倒で、外食することが多い。というかそんな外食した先で、イライラさせられるのは、客の会話のウルサさにある。談笑すれば、それなりに声も出るだろう。だが、それにしては度を超えている。まるで周りに配慮が無さ過ぎ。こちら経由で知った、この記事も参照されたい。
客がウルサイことが、最も腹立たしいことだが、次に頭にくるのは、店員のその状況に対する姿勢。まるで動こうともしない。「何デシベルを超えたら注意せよ」なんてマニュアルはないだろうし、ウルサイとする判断は難しいかもしれないが、常識的に考えれば、その酷さは分かるはず。店の環境整備だって一つの仕事なんだから、その辺にも気を遣ってもらわないと、と思う今日この頃。
注：深呼吸で君を忘れよう。
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| 2002年12月15日(日) |
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■嵯峨豆腐を食す■
本日、豆腐にこだわってみる。
嵯峨豆腐森嘉
自宅から近くて、旨いと称される豆腐屋はどこかと検索してみると、上に載せた豆腐屋が出てきたので、G氏と共に、早速向かってみた。見ても分かるように、豆腐屋なのに、若干行列ができているところからして、なかなか人気があることが伺えます。ちなみに、豆腐１パック（普通サイズの約２倍の量）が360円。豆腐にしては、なかなかの威張った値段。どれだけ旨いのかと、期待してしまう。
帰宅後、冷や奴で、素の豆腐を味わってみる。「んー、んー、普通なんじゃないかなぁ」という味。もっと豆の甘みを感じられんじゃないかと思っていたんだが、それほどの甘みなし。ただ、その辺のスーパーの品よりは、確実に良い品だと言える。その後、湯豆腐で、あっさりと平らげる。今日の不覚は、湯豆腐後の汁で、おじやを作るためのご飯を炊いておかなかったことである…。
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| 2002年12月14日(土) |
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■業務予定■
年内に完遂すべきことを、ひとまず列挙。
・メルマガ編集長にメール返信
・教育実習先の担当者にもメール返信
・妹に郵便物発送
・本・雑誌の処分
・携帯解約
・論文（日本語版）完成
まるでお楽しみがありません。
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| 2002年12月13日(金) |
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■甘い、甘い■
本日、個別指導。
日本語の方については、「なんか、読んでて欲求不満になるわぁ」と言われ、メインの膨らましが、まだまだ足りないことを指摘された。続いて、英語の方を見せたら、「なんじゃこら、高校生の英語か!?」とバッサリ。今日は、終始、厳しいコメント。結構ヘコんだので、本日の日記は、これまでということで…。
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| 2002年12月12日(木) |
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■ご意見番的役回り■
本日、１コマの授業と個別指導準備。
午前に１コマ。元々、意味論（semantics）の授業だったのに、すっかり語用論（pragmatics）の授業に様変わりしてしまった。先週、ド寝坊で自主休講としてしまい、プリントがないってコトで、それをもらいに研究室に。すると、先生が「negative politeness を学んでる時間がないので、やめました」とのこと。で、今年は、Grice、Leech、Brown & Levinsonの各理論を復習するそうな。
ちなみに、今日は、年輩の学生が発表をしたのだが、これがどうにもこうにも…。「寝ずにワープロ打ちに励んだ（本当に本当のワープロ使用）せいで、内容が…あっはっは」と笑って誤魔化すばかり。一度ないし二度ならまだしも、執拗に笑って切り抜けようとするもんだから、その往生際の悪さにちょっとキレそうになってみたり。先生も、そんな感じだった。「３回生終盤なんだから、もうちょっと頑張らんかいな」と言いたい。
ちなみに、今日の出席者は、わずか５人。４回生が、筆者以外に２人いるのだが、卒論最優先のせいか（己も論文を最優先せんかい）、普段の出席率は好調なのだが、今日は出てなかった。というワケで、先生は、いわずもがな指導者の立場だが、筆者は、顧問的な役割をこなすハメに。発表者が発言に困ると、「では、aska君はどう思いますか？」というパスが回されまくり。復習とは言えども、なかなかシンドイ90分でありました。
注：今世紀最大の失恋かもしれない。
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| 2002年12月11日(水) |
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■普通の暮らしに／探索継続中■
本日、１コマのみ。
この頃、１週間に１度は、爆発的な睡眠を取るようになってしまった。で、今日は、午前２時過ぎに寝て、起きたのが正午過ぎ。特に目覚めが悪いわけでもなし、その後の生活にも支障なしということで、「ま、いっか」ということにしているのだが、今後もこれが続くのは、さすがによろしくないだろうし、卒論を早期に仕上げて、普通の暮らしに戻したいもんである。
さて、その肝心な卒論の方であるが、なかなか用例が見つからない。小説、TIME 誌、映画の script 等々を漁っていて、ellipsis は、どこにでも見つかるのだが、「オモロイ」（＝特殊な）事例が、なかなか出てこない。在り来たりな用例では、在り来たりな文章しかできないので、あと１つ、２つ見つけ出したいのだが、これが、産みの苦しみというものか…。
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| 2002年12月10日(火) |
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■"も"と、"しか"■
本日、バイトのみ。
午前４時過ぎまで、論文に取り組んで、しばし仮眠。その後、目覚めてみるも、やっぱし眠いので、もう２時間程再仮眠。相変わらずの不規則な生活に加え、この頃の急激な冷え込みにより、体調も若干狂い気味。
論文締切は、１月11日で、あと30日ほど残っている。物事の二面性から、「30日"も"ある」とするのか、「30日"しか"ない」とするのか、それは、気の持ちようと、進み具合によるんだろうが、筆者の場合は、今のところ「30日"も"ある」という状態。ただ、年末年始にまでメール経由で指導してもらうのは、避けたいと思うので、25日ぐらいまでに、９割の完成率を目指して進めていきたい。
バイトが終わって帰宅後、関西英語教育学会主催の「卒論／修論発表セミナー」の申込を済ませる。こちらは、２月16日（日）ということで、論文提出後も、まだしばらく、今の論文との付き合いが続く。Power Pointで、資料も作らないといけないし、院からは、読書指令が出てるし、それを考えると、時間的余裕はなく、結局、「あと○日"しか"ない」と焦りまくりの日々が続きそう…。
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| 2002年12月09日(月) |
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■最大の敵は風邪／不愉快２発■
本日、寒いわ、風強いわ、雨降るわ。
今日あたりから、ドーンと寒くなった。明日も、気温は上がりそうになく、一日中１ケタという予想気温。これから、卒論をガシガシ進め、かつ、卒論セミナーの準備もしていかねばならないので、風邪（ホンマに恐いのは、インフルエンザだが）には、気をつけないと。特に、こちらの方のように、受験を控えておられる方々は、尚更である。
□■□
１発目の不愉快は、「近所での水道管工事の事後処理」。言わずもがな、道路に穴を掘り、作業するのだが、その後が問題。舗装が、舗装になってない。あまりに下手くそで、遠目で見ても、その凸凹具合がよく分かる。目で見て分かる程度の凸凹を、なぜ防げないのか。子供やお年寄りが、段差でつまずいたら、自転車やバイクに乗ってる人が、ハンドルを取られたらどうするのか、その辺りを全く考えていない、無能な事後処理に、極めて不愉快。
２発目の不愉快は、「何でも聞いちゃえ精神」。筆者は、PC室で、毎日質問を聞いては答えるというバイトをしているが、本来は成り立つべきではない仕事だと思っている。質問が多ければ、多いほど、大学のリテラシー授業が、それだけショボイことを証明することになるから。リテラシーが必修化された今、質問は減って行かねばならないハズなのに、その数は変わっていない、むしろ、時期によっては、増えている気がする。
某先生は、「分からないことがあれば、何でもスタッフに聞きなさい。」などとぬかしているそうであるが、それは言い過ぎというものだ。それが影響したのかどうか定かでないが、「国際電話のかけ方が載ってるサイト知りませんか？」とか、「ここ（＝大学）の郵便番号は何ですか？」とか、挙げ句の果てには、「この漢字ってなんて読むんですか？」などと、質問される。こんなことは、自分で調べれば、答えの出る話で、わざわざ人に尋ねるようなことではない。怠慢もいいところである。
年輩の学生、日本語に慣れていない外国人など、パソコン操作が、どうしても苦手だという人もいるだろう。そういう人のために、サポートをするのが本来の仕事だと思っているが、今や、便利屋的なものと化してしまっていることが、これまた極めて不愉快。何でも聞いていいのは、お子さんの頃の話であって、大学生にもなって、分からなけりゃ、「まず人に」聞けってのは、間違いである。「まず自分で」考え尽くすべきだと思ふ。
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| 2002年12月08日(日) |
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■どんより続く／発表すべきか■
本日、のんびり。
この頃、曇りがちの天気が続き、今日は、冷たい雨。洗濯をしようにも、乾きが悪いということで、捗らず。こうも、どんよりした天気ばかりだと、本当に気分も沈んでくる。ただでさえ、沈みがちだというのに。
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朝、メールを見ると、教官からメールが。関西英語教育学会主催の「修論・卒論発表セミナー」という催しが、来年年2月16日(火)に神戸で開催されるということで、「そこで発表する気はないか？」という内容。「発表する気はないか」という疑問形でありながらも、学生と指導教官という社会的距離（Social Distance）から判断するに、これはもはや、「発表せぇや」という命令（order）の間接発話行為（Indirect Speech Act）じゃなかろうか、と思わざるを得ない今日この頃。はて、どうしたものか…。
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| 2002年12月07日(土) |
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■幅広く指導／おい、館長！■
本日、9:00〜17:00までのバイト。
土曜日は、５つのうち、２つのPC室を開放するんだが、片方は、昼以降、常にほぼ満席。今日は、その部屋に陣取っていたので、質問が来まくり。今年の授業も終盤に差し掛かり、課題提出も多いようで、シンドイ依頼も多い。Wordでの細かい設定から、Excelでの関数指導、スキャナの使用法を教え、Paint Shopで画像処理、それから、htmlのタグまでと、幅広く、時には深ぁく教えていたので、今日のバイトは、結構シンドかった…。
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夜、K-1 GPを観る。ボブ・サップ VS アーネスト・ホーストの一戦に大興奮。しかし、アメフトから格闘技に移って間もないサップのパンチは、素人同然。力はあるけど、筋がない。それが、逆にオモロかったけど。それに比べ、ホーストは、当たり前だが、パンチもキックも、キレイな筋だった。史上最多４度目の優勝おめでとう、ホースト。それにしても、館長は、何やってんでしょうな。
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| 2002年12月06日(金) |
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■あっさり指導■
本日、個別指導。
仮眠から目覚めて、原稿印刷のために、登校。レーザープリンタの速さが、学生に広く認知され過ぎたせいか、紙の消費量が増大してしまい、遂に、月から木曜日に関しては、夜間の使用ができなくなってしまった。ただ、金曜日に限っては、朝から夜まで使用できるということで、今日は安心してササッとプリントアウト。
14:30から指導開始。内容については、手厳しいコメントは無し。文体・表現などの細かい部分についての修正を求められ、即終了。論理展開なんかは、大丈夫なんやろか…。それで、「後はどうしようと思ってるのかね？」と聞かれたので、「もう少し用例を増やしていきたいと思ってます」と回答。メインの部分を、もっと膨らます必要があるので。次回までの課題は、1.細かな表現の修正、2.メインの増量、3.英語でドン(?)、の３本です。
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| 2002年12月05日(木) |
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■寝坊／気づけばノルマ達成■
本日、個別指導準備。
昨日は、今日の授業に備えて早めに（とは言え、２時過ぎだが）就寝したのだが、起きたら、なんと、昼の１時前。言わずもがな、午前にあった授業は欠席。寝坊にも程があるってもんだが、今回のは、特にヒドかった。途中で、何度か起きた気がしないでもないが、それが夢なのか現実なのか、区別はつかず。日頃の寝不足が祟ったらしい。
□■□
卒論で、タラタラと自分の思うことを書き殴っていたら、いつの間にやら、ノルマ（１ページが、32文字×25行の800字で、それを20枚）を達成してしまっていた。日々、日記を書いていた影響か、書いていても、まるで苦に感じなかったし、「え、もう20枚超えたの!?」というのが、正直なところであります。
ただ、この文章は、日本語であり、これが英語になったら、どれほどの分量になるかは、やってみないことには分からない。まあ、分量が、激減とか激増ということもないだろうし、ある程度メドは立ったというところでしょうか。ところで、ウチの大学、卒論の分量が少ないそうであるが、他大学でのノルマは、如何ほどなんだろうか、ちょっと気になってしまう今日この頃。
６日午前６時過ぎ、原稿送信。のち、しばしの仮眠。
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| 2002年12月04日(水) |
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■初ミカン／なわ張り理論■
本日、１コマのみ。
授業前、今週プレゼンをするクラスメイトから、「コレ持ってて」と言われて、プレゼン用の material らしきものを預かった。すると、彼女はその場から去り、数分で戻ってきた。で、「じゃ、これあげる」と、ミカンを１個もらった。授業後のバイト中に、休憩がてら、そのミカンを食したが、ひょっとすると、今年の冬になって初めてのミカンのような気がする。甘くて、美味しかった。
□■□
帰宅後、情報の「なわ張り理論」について考えてみる。この理論は、話し手や聞き手にとって、ある情報が＜近＞いのか＜遠＞いのかで、言語表現が変わってくるってなお話で、文献で言われていることは、そんなに難しいことではない。後は、これを、今やってる ellipsis にどう絡めていくかなのだが、なかなか突破口が見つからず、苦戦。明後日の個別指導までに、間に合うか…。
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| 2002年12月03日(火) |
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■大人な携帯を■
本日、携帯の購入を考える。
ワケあって（実は、無かったりして…）、携帯電話を２台持っているのだが、どちらも、それぞれに問題（１台はボタンの不具合、もう１台は充電が持たない）があり、そろそろ新たな１台に統一しようと考えている。キャリアは、料金から判断して、最も妥当な DoCoMo にすることになるのだが、問題は、機種選び。
最近の携帯は、やたらと機能が多く、まず間違いなく使わないような機能に対して、銭を払うというのは、何か納得がいかない。Java 積んでゲームってのは、人生を無駄に過ごしている気がして、あまりやらないだろうし、何かと話題のカメラ機能も、「必要」ってコトはないし。「カメラで撮った画像でしりとりをする」CM が放送されているが、あそこまで暇なヤツも、そう居まい。やはり、「無くても困らない」機能が多すぎる。
そんな流れの中で、敢えて、シンプルかつ、スタイリッシュな一品を出してくれんもんだろうか…。
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| 2002年12月02日(月) |
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■沈黙は意味を持つ■
本日、「沈黙表現」を考える。
ellipsis（訳は、ひとまず「省略」ということで）考えていると、「沈黙は、ellipsis の一種なのか？」ってコトにぶち当たる。で、「沈黙する」というのは、意味があるのかどうかから考えてみる。すると、沈黙が、その人の情況を表していたり、無言になることで、何かしらに抵抗することを表現したりすることは、十二分にあり得るケースなんだから、沈黙は、意味は持つ、と言える。また、ある種の間接発話行為とも言えなくはない。
すると、とある状況下において、沈黙が発生すれば、「復元」はできなくとも、意味を「補う」ことは可能なわけで、それは、筆者設定の ellipsis （状況から意味を補えれば、それも ellipsis）の定義からすれば、一種の ellipsis だと考えられる。というワケで、小説なんかから、事例を引っ張ってきて、それを考察することにしたい。このネタだけでも、相当ページ数が稼げそうな予感。
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| 2002年12月01日(日) |
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■毎月、恐れ入ります／さぼちんへ■
日記才人にて、先月は、62票もの投票を賜りました。
投票してくださった方々には、感謝致す次第です。
ありがとうございました。
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今月の日記は、卒論追い込みの為、更新が、普段以上に不定期になることが予想されますが、めげることなく、そして、気分転換の意味も込めて、毎日の更新を目指していきたいと思っとります。どうぞ宜しくお願いします。
注：さぼちんなら、入れるかしら？？
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