Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2011年04月23日(土) OMD『ヒストリー・オブ・モダーン』



チケットぴあの登場でクラシックは終わったと豪語されるラダメス師からアンドラーシュ・シフのBS放送を視聴させていただく。
ライプチヒ改革派教会でのバッハ演奏、フランス組曲。
シフって、こういうふうに話すのかー、話している表情やイントネーションや瞳の動きで、視聴するわたしにもシフ成分が伝わるような。

20代の若い頃にジャレットのピアノにときめいてECMレーベルに現在を感じたわたしたちでしたが、30年たってアンドラーシュ・シフのピアノに感じる現在もまたECMから伝わってきている。

レーベルからジル・オーブリーの『s6t8r』(winds measure recordings)が届いていた。限定300。この界隈のサウンドを耳にしはじめると耳の特性が変化するものか座っている両隣りの人物の鼻息の空気振動音まで拾ってしまう事態になるのだけど、普段はわたしはCDウォークマンでしか音楽を聴けない環境なもので。

オーブリーのある音の響かせに、Orchestral Manoeuvres in the Dark の「オルレアンの少女 Maid of Orleans」の冒頭に響く英国の工業地帯の空気排出音を模したロマンチックな響きを想起している。OMDの名盤『安息の館 Architecture & Morality』(1981)全体を覆ってもいるように思える。思えば「愛のスーヴェニア Souvinir」なんて、じつにジル・オーブリーを想起させるアレンジではないか。

ラダメス師から「編集CDRにあった菅原洋一の夏の思い出を歌ったトラックはなんだ。生きてこの歌を知って良かった」とメール。
先生あれはサザンの国民的名曲「TSUNAMI」を菅原洋一がカバーしたものでございます。オリジナルを超えてしまったカバーの稀有な例。

なんとOMDの新譜なんてのが昨年リリースされていた。14年ぶりという売り文句だが、わたしには20数年ぶりぐらいに感じるし。
声が変わっていないらしいし、エレポップなアレンジも作風も健在だという。べつに今さら聴きたかねえやい、と思いつつ、こっそりと夜のドライブに出かけたい、ミニストップでメロンパフェを買って、夜空を見上げてみたいのだ。

OMD『ヒストリー・オブ・モダーン』


2011年04月20日(水) じゃぽ音っとブログ 「カーステで聴く邦楽囃子」




モケケを買ってお弁当バッグに入れてみた。かわいい。たまねぎともやしのじょじょえん焼肉タレいためたまごとじ。

じゃぽ音っとブログ
「カーステで聴く邦楽囃子」

[ 邦楽のリズムの特徴は、西洋音楽の枠組みでは捉えきれない、たとえば、伸び縮みする「間」の扱いや、「はじまり(動き出し)」と「終わり(落ち着き)」を醸し出す二種のグループ細胞を組み合わせる構成作法、さらには「無拍」の状態とその上での「アシライ」という即興的なフリーリズム等々。 ]

伸び縮みする!

[ ゲイリー・ピーコックが菊地のピアノに魅せられて、ふたりで選んだドラマーがポール・モチアンだったという。理由は「時間を伸び縮みさせられるドラマーはポールだけだしね」というものだった。]

と入稿したタガララジオ19で書いていたばかりだったので、おどろいた。

自律的なものと他律的なものと、伸び縮みさせるセッティングはずいぶん異なってはいるのだろうけど。


2011年04月19日(火) じゃぽ音っとブログ 「お水取りと大野松雄さん」



2月13日の助手席激聴3CD、友川カズキ、ヴァレリー、クリスライト・キャップ。

きのうの訂正、フリゼールがいいのではない、トーマス・モーガン(ベース)がすごいのだ。はっきりと、モーガンを聴くディスクと言い切っていいくらいの勇敢と冒険がある。アナログ録音にこだわったのも、モーガン録りたいがためなんだろう?ステファン・ウインター。そういう気持ちが聴いてて伝わってきた。

じゃぽ音っとブログ
「お水取りと大野松雄さん」
おおお。お水取りの画像がうれしい。一度しか行ったことがないのに写真集をみるたびに、深夜の草むらの暗がりに気付くたびに、そこにいるような気持ちがするでございます。
「80さいにして」というフレーズ、わたしも法王ポール・モチアンせんせいにつかいました。

あ、タガララジオ18、を更新。
セレクト曲の紹介が急ぎ足で書いているように思えるのは、急ぎ足で書いたからなのであった。

タガララジオ19は1曲だけで入稿ずみ、24日すぎに更新される予定。

タガララジオ20は、ひさしぶりに10曲ぐらい立て続けに並べたいし、編集CDR仲間をここでつのりたいものだ。


2011年04月18日(月) 『ポール・モチアン/ザ・ウィンドミルズ・オブ・ユア・マインド』 Winter & Winter 2011 ボンバ




日曜は朝から浪人生次男と連れ立って東北自動車道を、館林をこえて北関東自動車道へ3月8日に開通した太田桐生インターまで。
東北自動車道を館林でおりて太田までスルスルとほぼ最短距離で向かうのに対し、
新しいインターを使うためには、ずっと北の佐野を越えてから北方の山々をハイキングして南下する恰好で20数キロ遠回りになる。

家具のデザイナーになりたいという中2のきよちゃんがまぶしい。えらいな。どんなふうに世界は映っているのだろう。

夜は長女長男次男と浅草の雷門の前にあるデニーズで食べた。みんなで小籠包の肉汁を吹き出しながら団欒のひととき。
おとうちゃんの音楽友だちはすごいんだぞー、とか。みなそれぞれに自分の生活している世界があり、大変なこともきっとあり、もうすっかり大人なのだなあ、そんな感慨にふけっていたら、お?すっかりじいさんモードで世界をながめている?こいつら、あんだけECMやフリーミュージックを聴かせてきたのに、家族の話題はまた浦安鉄筋家族なのかー!

ペトラ・ヘイデンが歌うモチアンの新譜ボンバ国内盤と嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2がアマゾンから届く。しあわせー。

ぐおおお、すごいいい音だ、この録音は。おれがそういうのに気付くなんてよっぽどだぞ。なるほど、限定でLP生産も行なうとか。
これ、LPも買っておかないといけないな。
ボンバ・レコードのサイトをチェックする「新譜のお知らせ」>
クアルテート・エン・シーとマイーザの復刻なんて、しかも1500えんで、おおお、これも買わねばー、と、家計簿チェックすると、やばい、ケータイ代をまだ払ってないんだった・・・

『ポール・モチアン/ザ・ウィンドミルズ・オブ・ユア・マインド』、あいかわらず、見事だ、つーか、
ビル・フリゼール、ちゃんと弾けるんじゃないか!ちゃんとどころではないぞ、おまえ、この演奏できるのに、普段なにやってんだ!
アナログ2トラックスでのレコーディングとのこと、ベスト・トラックは・・・発表はタガララジオ20で断言しまっせだんな!


2011年04月17日(日) RE:「タダマス」の船出

福島恵一さんが当日の深夜にレビューをアップしてくださいました!
「タダマスの船出」

ごおおお、フォルムからマチエールへ、そ、そ、そうなのかー。益子さんの現代ジャズへの視点とセレクトに魅せられ、おいらは「すごい!ぞぞけ、棒読み、不機嫌、プレミンガーは平原綾香だー」とさわいでいるしか能がないままに、益子さんにベスト10をmusicircusに寄稿いただいて、音盤茶話会に益子さんを担ぎ出したところまでの存在にすぎないのだけど、福島さんが益子さんとの問題意識が地続きであることを表明する展開になるとは・・・。

批評ユニット「タダマス」、名乗りますか!毎年ニューヨークへ出向き定点観測をしつつ、膨大なリサーチとするどい着眼点で「たださん、あれはこうですよ、こんなのもありますよ」といろいろ教えていただいて、いるのがおれだけだというのはもったいない、複数の人間がさわいでいるのは意味がある、そんなところから始まった昨日ですが、すごいなあ、おもしろいなあ。

福島恵一さんのレビューによって、こんなふうに価値付けられ、また、視野をひらいてくれた結果になりました。

タダマスの船出、『ワン・ピース』(まんが)みたいだ。おれたちには聴きたい音楽がある。

今日は子どもたちと浅草でお食事会をしたのですが、おいらの自慢話大会になりました。おやじも役に立つんだなー、趣味に燃えてんなー。

そうそう、当日のアフターアワーズは益子さんがそのまま国立ノートランクスのライブに直行で、わたしと後藤雅洋さんと店主の福地さんで昔話などをしていました。後藤さんは翌日が息子さんの結婚式だとかでこれから衣装の準備とかとおっしゃっていましたが、直前まで朝日カルチャーセンターの講座で2時間ぶっつづけのあとに駆けつけてくださったようで、わたしはそのことにも感動していました。


2011年04月16日(土) 益子多田四谷ティーパーティー、つつがなく終了

益子多田四谷ティーパーティー、つつがなく終了いたしました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございます。

スタートは福島恵一さんを含めて3にんのお客さんでスタート、後半途中でお二人がお帰りになり、その間に後藤雅洋さんのご来場をいただき、最後の2曲は益子・多田、福島・後藤、そして店主福地さんという不思議な夢のようなシーンに。・・・濃すぎる・・・。見渡すかぎり師匠クラスのみなさまの前で、びびりましたー。

なぜこの演奏に魅力を感じるのか、それを言葉で説明することはやはりむずかしいなあ、と、つくづくの勉強不足を感じるものでありましたが、初めて聴くトラックもいくつかあり、また久しぶりに聴くトラックにも聴きながらまた違うところを聴いていることに気付かされたり、またおいらがセレクトした曲を聴くとおいらはとても恥ずかしかったり。

棒読みトーンのサックス奏者の系譜、ロヴァーノ、ターナー、プレミンガー、を再認識する。福島さんから、それはトーンというよりマチエールによる表現の台頭と捉えたほうが適切であるという助言をいただき、・・・マチエールの意味を帰ってきて調べてみて、なるほどー、と、納得したところです。おお、やはり複数の耳で聴くことはたいへん勉強になりました。

棒読みトーン、不機嫌な不穏な旋律、微分音、昔なら破棄された試行が演奏力で立って聴こえる、マス・ロック的なるものの血肉化、などなど、テン年代以前には聴こえなかったモードがなんとなく浮き彫りに聴こえたような気がしました。

じつは311震災以降、現代ジャズを聴くような張り切った気持ちがなくなっていました。数日前のNHK中継で、小中学生だったでしょうか、リコーダーの合奏で、NHK連続テレビ小説『てっぱん』のテーマ曲「ひまわり」(葉加瀬太郎作曲)が演奏されるのに、不意打ちのように泣けてきていました。不穏でカッコいい旋律ではなくて、万感を込められる器のような旋律で、おれは葉加瀬太郎に感動する日がくるとは思ってなかった。

素朴なリコーダー演奏にジャズを感じるとは言わないけれど、音楽のちからを考えさせられるし、今回の選曲のところどころで突きつけてきたアーティストたちの勇敢な踏み越え、に、今日もまた何か希望のようなものを感じました。もちろん、それをナビゲートするイベントの当事者としてちから不足、から回り、言葉足らずだったところは反省するのを前提に、です。でもなんか、楽しかったなあ。またやろう。


2011年04月12日(火) 福島恵一さんがブログでディスク・レビューを掲載・Jazz Tokyo更新



益子多田四谷ティーパーティーが土曜日に迫っている。com-postの益子とJazz Tokyoの多田が対決するのではないかという読みはちがうのですからね、念のため。益子多田はレノンマッカートニーとかコニッツマーシュ、ザヴィヌルショーター、コリアバートン、ローゼンウィケルターナー、卓球ピエール、嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん、を連想するおいらなのだが、バスコダガマを連想するという若者がいる、ばかもの!

福島恵一さんがブログでディスク・レビューを掲載した。
「ディスク・レヴュー2011年1〜3月  Disk Review Jan.to Mar. 2011」
四半期のベスト厳選7枚といった様相。どれにも惹かれる。4枚目のコントラバス・ソロ演奏は、こないだ聴いて、新しい強度に触れた衝撃を受けていたのだった。ううむ。福島さんがレビューするとマーケットから商品が消える。まじで入手困難になる。おろおろしている場合ではない。月光茶房に行けばすべての福島恵一セレクトを聴けるようになる、とは、ならないものでしょうか、ECMライブラリー、福島恵一ライブラリー、すべての福島恵一セレクト作品を聴けるのは全世界で月光茶房だけ!なわけないか、福島さんは持っているわけだし。

Jazz Tokyoも更新された。2ヶ月ぶりの更新だ。今月末にも更新予定とのこと。
「タガララジオ18」


2011年04月08日(金) RE:「束の間の音の旅路(コルシカとサルディーニャ)」





福島恵一さんがブログ「耳の枠はずし」で「束の間の音の旅路(コルシカとサルディーニャ)」を。



震災後の節電で真っ暗になった深夜の都内は、空車を点灯した無数のタクシーが幹線道路をふちどるように息を殺しているだけのようだったけれど、おいらの練馬のアパートの部屋と福島さんちと月光茶房だけが電気がついていて、その3点をもぐらのように暗闇をくぐって秘密基地に集まるはなたれ小僧のような3にんなのだった。


パオロ・フレスのECM盤がいいんだって、ECMライブラリー「Bibliotheca Mtatsminda」のスピーカーで聴かせてもらおうよー


パオロ・フレスのECM盤を最初に聴いたときは「ECM美学ならではの響きのコンビネーションを愉しむ盤」としてすんなり収まって聴こえたのですが、フレスのACT盤や、地中海の豊饒の原液のような『サルディーニャの声』(Winter & Winter 1998 →ボンバレコード)にまでたどって耳にすると、逆にECM盤でのアイヒャーの手腕が浮き彫りにされて2度目の聴取ではその際立ちにおののく結果になった。


1度目と2度目と、聴取する際のアンテナが持つ経験値が明らかに違うものになっていたわけで、まったく違う音源を聴いたくらいに、まったく異なった風景を見たくらいの体験になった。音楽は聴くたびに異なったり、憶えている音楽が異なっていたり、誰かのひとことで聴こえが変わったり、そういう不一致な部分はあまり話題にならないことだけど、いまはそれこそが面白いと感じている。


サウンドに衝撃を受けたときに、わたしは「ぞぞけがたつ」という用語を使う。辞書にはないそうなので・・・
・・・あ、あんじゃん!方言じゃん>


『サルディーニャの声』にはぞぞけがたち、さっそく翌日アマゾンでボンバレコード国内盤を捕獲する。と、原田さんも捕獲されたとのこと。「なんだあこのサウンドー、いやー、たまんねー!編集CDRの1曲目に入れたるぞー」と大騒ぎする大沢木小鉄(浦安鉄筋家族)のようなおいらなのだった。


ジル・オーブリーの『s6t6r』がレーベルから小包で届くが、2枚注文したのに1枚しか入っていない、メールで問い合わせると追加発送してくれるとのこと。ジル・オーブリーの音響を語ることばが見つからない。耳が空中で足をばたばたさせてしまうのだ。もはやオーブリーを聴くことは、温泉につかるようにぐうううと唸っているしかないようなあんばいだ。




2011年04月06日(水) 宮台真司『日本の難点』



孫正義は100億に加えて今後の役員報酬もずっと義援金にするという。やっぱり、すごいな。どうしてそんなことができるんだ。おれは、5せんえん、と、302えん。

ニーヨやカニエ・ウエストを無理やり聴かせてくれるドキンちゃんが宮台真司の『日本の難点』くらい読みなさいという。たしかにわたしの書いていることは浅い。

09年発刊『日本の難点』、を、読み終わる。感動でふらふらするズラ。若者論・教育論には特に。感染するように、って、音楽に向かってゆくときとおんなじではないかー、すごい音楽は影響を与えるのだ、触発するのだ。

後期高齢者医療制度の枠組みは維持すべきものなのだー

宮台真司のブログ

むかしの姜尚中や西部遇や宮台真司が出ていた「朝まで生テレビ」をまた見たいでごわす。


2011年04月04日(月) 孫正義が百億の義援金!

孫正義が百億の義援金!というニュースに、あぜんとし、感動し、百億あれば孫さんは百人の子どもを持つことができるだろうに、一太郎から百太郎まで、九十九太郎はつくもたろうと呼ばせたりして、うしろの百太郎になったりして、孫さんの孫はなんにんになるだろう、などなどしょうもない連想に晴れた空を見上げるわたしなのだが、

そういえばベストセラーになっている新書『デフレの正体』の正体は、少子高齢化が正体だという、ひと言で言えば、で、やはり派遣法の余波で現在三十代の若者たちが経済的理由で結婚できないでいるのは国家として何かしたほうがいいのだ、が、子ども手当の効果を疑問視する考えにも経済学的な一理があるものであって、ここはもう子どもたちは国家のものだと言わんばかりの手厚い福祉国家は、じわじわと進めて良いのではないかと思うのである。

大阪や名古屋の地域政党は伸びるのが良いとも思う。東京都は石原都知事が地域政党のようにも思えるが、よくわからない。築地の移転は反対だぞ。環八道路を豪腕で通したのはえらいぞ。

消費税上げて良いよ、わたしは。タバコ税もガソリン税も上げて良いよ。都内の公道における喫煙所は増設してください。

こないだ午前10時に新宿でオフになり、ちょいと午前11時開店のディスクユニオンジャズ館をのぞこうと路上で一服でもしようと思ったのだけど、新宿区、路上喫煙禁止ではないか、吸える喫茶店に隔離されるのもシャクにさわる、おいらは舗道にある道路案内板をしげしげと道に迷った上京したての田舎者を演じて「すー、どこだべなあー、はー、うーん、すー、はー」と煙草をすったのであった。注意されたら「あんれまー、東京て、そうなのけ?」と応じる準備をしながら。


2011年04月01日(金) 音盤茶会のお知らせ。4月16日『MASUKO TADA YOTSUYA TEA PARTY』




『MASUKO TADA YOTSUYA TEA PARTY』
vol.1
4月16日(土)open - 14:30 start - 15:00 end - 18:00    
会場:綜合藝術茶房 喫茶茶会記(四谷三丁目) 
1100yen (1drink in)
多田雅範・益子博之
第一回のゲストは、サックス奏者/作曲家のかみむら泰一氏



音盤茶話会のお知らせ。

神聖かまってちゃんの「ねこラジ」と嵐の「troublemaker」と世界の終わりの「天使と悪魔」と橋爪亮督グループの「十五夜」を聴きながら夜勤から帰ってきた。間引き運転で午前9時すぎの池袋駅は混雑している。震災孤児数百人か、というニュース、サッカー選手が日本がひとつのチームなんです、天皇皇后さまの避難所訪問、キングカズのシュート、原発の処理状況を見続ける日々、に、まだ音楽を聴くのは束の間だ。

テザート・ムーンのトスカを聴いて、ニューヨークの菊地雅章に、ゲイリーは何をやっているんだ、必要なのはギャラじゃなくてアートだろ、京都が泣いているぞ、余生はテザート・ムーンで過ごすべきだ、とメールを打つ。肺の疾患のよる生死の境から奇跡の帰還を果たしたプーさんは、ヴィレッジヴァンガード出演の前に肋骨を折り、それでも共演者があぜんとするようなピアノを弾いたという。近々、ゲイリー、ポールと新録に入るとの返信がある。

音楽サイトmusicircusの「この一年に聴いた10枚」に益子博之さんの寄稿が叶い、さらにその音源を聴く音盤茶話会を開催できることになりました。「益子多田四谷ティーパーティー」、昨年のベスト作品に加え、最近の出色の録音にも接してみたい。ニューヨーク・ダウンタウン・シーンで発火しているジャズの現在、を、益子さんとのナビゲートで聴きあえるというのは、つねづね音楽誌とディスクユニオン輸入盤コーナーとの乖離に寂しい思いをしていたわたしには耳がときめくものです。

第1回目のゲストは、先週若い友人からの編集CDRで聴いて「おおー、クリス・スピードやジム・ブラックのセッションかなー」と思ったらかみむら泰一グループだった、そのかみむらさんです。

会場は靴を脱いでオーディオルームに入場する隠れ家的喫茶店というかアートスペースです。去年のジョーマネリ特集も、こないだの橋爪亮督グループのライブもここでした。これはこれでおすすめです。ここで四半期ごとに新譜をさぐりあえるというのはわくわくします。

ぜひお越しくださませ。よろしくお願いします。


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多田雅範(ただ・まさのり)
1961年、北海道の炭鉱の町に生まれる。元ECMファンクラブ会長。
音楽誌『OutThere』の編集に携わる。
音楽サイトmusicircus<http://homepage3.nifty.com/musicircus/>を堀内宏公と主宰。
音楽日記Niseko-RossyPi-Pikoe Review<http://www.enpitu.ne.jp/usr/7590/>。
音楽サイトJAZZTOKYO<http://www.jazztokyo.com/>コントリビューター。

益子博之(ますこ・ひろゆき)
音楽批評。1965年、東京生まれ。音楽サイト『com-post.jp』前編集人。ニューヨークのダウ
ンタウン〜ブルックリンの現代ジャズを中心に、周辺ジャンルへと関心を広げる。毎年6月
頃、1週間程NYに滞在してシーンを定点観測。「ジャズけものみちを往く」を『ジャズ批評』
120〜125号に連載した。
http://com-post.jp


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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